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おとうと (2010年の映画) - Wikipedia

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製作 2010年 日本松竹 監督・脚本 山田洋次 脚本 平松恵美子 原作 幸田文

出演 吉永小百合 笑福亭鶴瓶 蒼井優 加瀬亮 笹野高史 加藤治子 小林稔侍

「馬鹿だからと、ほめられたことのない弟の鉄郎(笑福亭鶴瓶)は姉の高野吟子(吉永小百合)の娘の名づけ親です。おじさんが、弟に一つだけ褒められることをやらせてやれ、と言ってくれました。娘の名は小春です。 

 弟の丹野鉄郎はもう癌がひどくなり、口から何も食べられなくなりました。食事は胃にあけた穴に管を差し込んで、どろどろになった食べ物をガラス瓶に注ぎ、直接胃に入れます。もう先は長くない、そんな時でもベッドの下には焼酎の瓶が置いてあります。それを『喉が渇いたから、姉ちゃん、水入れてんか?』と嘘を言って、見舞いに来た姉の高野吟子にガラス瓶に焼酎を注がせます。焼酎は胃に入ると沁みるのでしょう。思わず笑みになります。そこへ面倒を見ている人が来て『どうしてこんなに顔が赤いの?』と言うので、吟子は焼酎を飲ましてしまったことに気がつくのです。

 命よりは酒、姉ちゃんになら頼んでも許してもらえる、傍にいたら迷惑をかける、でも、面倒を見たくなる、そんな独身のおじさんが『おとうと』です」

 

(物語)結婚が近い小春(蒼井優)が母・高野吟子(吉永小百合)と吟子の弟の丹野鉄郎(笑福亭鶴瓶)について語ります。

 「母は大阪生まれ、大阪育ちです。大阪万博の頃に東京の薬価大学に進んで、父と出会い、恋をしました。結婚して、東京の郊外で薬局を営むようになり、私が生まれました。しかし、体の弱かった父は私が小学生の時に亡くなってしまいました。その父の代わりに、母とは桁違いに熱狂的なタイガースファンで、道頓堀に何度も飛び込んだという母の弟のおじさんが時々大阪から上京して、私を可愛がってくれました。自称旅役者で、とても面白くて、小さい時は大好きだったけど、私の成長とともに、この全く成長しないおじさんがうっとうしくなってきました。何かと問題を起こして、親戚につまはじきにされてたけれども、5年前の父の13回忌にひょっこり現れ、お酒を飲んで大暴れして、母にさんざん叱られたのを最後に行方知れずになってしまっていました」

 高野薬局が母・吟子の小さな薬局です。娘・小春の結婚式の招待状の返事がどんどん届きます。その中に「大阪のおじさん」に当てた案内状が「宛所にいません」の付箋がついて戻ってきてしまいました。おじさんの姉の吟子は義理堅く、まじめで、小春の名付け親ですから、娘・小春の結婚式には来てもらおうと、ごく普通に考えたのです。でも、連絡が取れずに来ないことがわかると、同居している亡くなった夫の母親は喜びます。「大嫌い」だと言います。「あの教養のない、下品な男!」と評します。

 結婚式場は「ホテル・オークラ」です。吟子の兄夫婦が来て、小春に諭します。「吟子は再婚もせず、女手一つでお前を育てた。お礼をきちんと言わにゃいかん。」小春はきちんと「お母さん、長い間ありがとう」とお礼を言います。

 紋付、袴の弟の鉄郎が華やかな式場に階段をバタバタと走ってやってきます。結婚式の時間に遅れたことは自分でわかっているので、大慌てです。ホールの案内人とぶつかり、案内人がよろけます。案内人に「兄ちゃん、小春の結婚式場、どこや?」と聞くと、案内人は「小春様とおっしゃいますと?」「ワイの姪やないかい」「失礼ですが、どちら様でございますか?」「小春のおじやないかい!分からんのか、もうええ、帰って寝え、アホ!」と、こんなやり取りを平気でするおじさんです。

 ボーイが披露宴が始まった会場へ来て、吟子に「廊下に弟さんがいらっしゃってます」と伝えます。吟子の傍にいた兄は弟は来ないと言われていたので、びっくりします。「(ここには入れないですぐに)帰しなさい」と言いますが、吟子はお祝いに来たに決まってるから,帰せないと兄にきっぱりと言います。

 廊下に吟子と兄が出てきて、鉄郎に会います。しょうがないから式場に入ってもらうことにしますが、兄が「一つ頼みたいことがある」と言います。すると「なんや、スピーチか?あれは、わし、苦手なんや」と言って、もう喋る気満々です。「バカ、それやあらへん」と言って、指で盃を作って酒を飲む仕草をします。酒を飲むことを禁止したのです。今まで酒でたくさんの失敗をしてきたからでした。兄は「和夫君の13回忌のこと覚えてるか?」と吟子の夫の13回忌の席での失敗を思い出させます。「兄ちゃん、心配ない。わしだって酔っぱらったら阿保になるのはようわかっとるがな」「普段から阿保なのに、輪かけて阿保になるんだぞ!」ときつく言います。

 明るい結婚式です。鉄郎は吟子と兄の間に席を作ってもらいます。まず式場へ鉄郎が入って来ると、それを見た小春の表情が幸せから不安へと変わります。ボーイがグラスに入れたシャンパンを鉄郎の席の前に置くと、「わい、ウーロン茶にしてくれんか?」とシャンパンを断ります。吟子は「乾杯ぐらい、いいじゃない?」と言いますが、断ります。シャンパンの乾杯が終わって、吟子がグラスを置くと、そのグラスからは小さな泡が泳いで浮き上がってきます。鉄郎はその泡に目を凝らします。式が進んで、ケーキ入刀で参加者の目が新郎・新婦へ集まります。そのちょっとした隙に鉄郎は吟子の残りのシャンパンを一気に飲みます。続いて、兄のシャンパンも盗んで一気に飲み干しました。

 生涯褒められたことのない鉄郎の人生、それでも、明るく生きた弟を吟子は最後まで見捨てません。

 

ブログ掲載作品放送予定(放送日時、チャンネル名は必ずご自分でお確かめ下さい)
  放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日
3月26日 13:40 交渉人 東京12チャンネル 24.3.21
3月27日 19:30 おとうと BS12 24.3.22
3月27日 13:00 「ハドソン川の奇跡」 NHKBS 24.1.9
3月29日 13:40 fフライト・ゲーム」 東京12チャンネル 20.9.1
4月4日 13:00 シェルブールの雨傘 NHKBS 22.9.1
4月8日 13:00 エアフォース・ワン NHKBS 23.10.25
4月9日 13:00 ア・フユー・グッドメン NHKBS 22.11.23
4月10日 13:00 愛は静けさの中に NHKBS 23.10.9
4月12日 13:00 ジェロニモ NHKBS 22.12.15
4月15日 13:00 アンストッパブル NHKBS 23.10.18
4月19日 13:00 許されざる者 NHKBS 23.8.25
4月24日 13:00 エビータ NHKBS 23.9.25
             
映画専門チャンネルの近日放映の推薦作品(気がついたもののみです)
  放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日
3月23日 10:00 アンストッパブル ザ・シネマ 23.10.18
3月23日 17:00 戦場のピアニスト WOWOWプラス 23.9.14
3月24日 3:30 マデイソン郡の橋 ザ・シネマ 23.10.20
3月25日 1:30 グラン・トリノ ザ・シネマ 24.1.3