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隠し砦の三悪人 - Wikipedia

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製作 東宝 1958年 (139分) 監督 黒沢明 

脚本 菊島隆三 橋本忍 小国英雄 黒沢明 

出演 三船敏郎 千秋実 藤原鎌足 上原美佐 藤田進

「山名家と秋月家の戦。手柄を立てて立身出世を夢見た農民の太平(千秋実)と又七(藤原鎌足)は幸運にも戦場では死なずにすみました。そして二人は敗れた秋月家再興のために一働きします。秋月家再興を託された雪姫(上原美佐)の美しさ、侍大将、真壁六郎太(三船敏郎)の威厳、そして集団を動かす黒澤明監督の演出力に改めて驚愕させられます」

 

(物語)遠くになだらかな山が見える広い何もない平野を太平(千秋実)と又七(藤原鎌足)が言い争いながら歩いています。「もっと離れて歩け!死人臭くて、やりきれねえ」「死人臭えのはお互い様だ。」二人の頭はぼさぼさ、ボロボロに破れた服を纏った農民です。二人は戦の後の雑兵でお互いの臭さをののしり合います。「戦に出れば立身出世は思いのままだと抜かしやがって」と、又七は太平に文句を言います。そこに武士の敗残兵が後ろからやってきます。それを追いかけて馬に乗った戦支度の兵が5騎来ます。敗残兵にそれぞれの兵が槍を突き刺し、無残にも殺されます。

 その様を見て、「国へ帰るべえ」と太平。「どの面下げて帰るんだ。家まで叩き売って、買いそろえた刀や具足まではぎとられてよ。こんな様で帰れるか」と又七。「じゃ、この死人からひっぱりな」「てめえじゃあるまいし、いくら食い詰めたからって、盗人の真似はできねえやい」「じゃ、勝手にしろ」と二人は喧嘩して、別々に行くことになります。

 太平と又七は山名家と秋月家の争いの褒賞金目当てに戦に参加しました。秋月家が落ち、戦は終わりましたが、山名家は秋月家の残党狩りを続けています。太平は国へ帰ろうと丘を登って国境へ出ようとします。すると丘の上から雑兵3名が逃げてきて、「駄目だ、この上は山名が関所を作って、木戸を固めている。鼠一匹通さねえ」と言います。丘の上は兵士が固め、馬が次から次へと走り抜けます。「見つかると命はねえ」との言葉に4人は丘を下ります。

 又七は戦の後の秋月家の領内へ入ります。戦後のあわただしさで人は大勢いて、兵士が槍を突きつけて農民たちを誘導しています。「秋月氏母継たる雪姫を捕らえし者に黄金10枚、その所在を訴えたる者に黄金3枚を恩賞として与える」との立て札が立ち、多くの人がその前に立って読んでいます。

 一方、太平は一緒に逃げた3人が残党狩りの兵士に鉄砲で射殺され、太平は一人秋月城へ引き連られてきました。秋月城には多くの農民がいて、城の地下へと追い立てられます。太平は交替で死人を埋めるための穴掘りをさせられるものと思っていましたが、山名側の監督兵は「銀200貫、黄金にして2000枚、この城に埋めてある。いいか、そいつを掘り出すまで、貴様ら人間じゃねえ。もぐらだ」と言われます。しかし、労働は過酷で、それに耐えられず多くの農民たちが夜中、暴動を起こします。人数で圧倒的に勝る農民たちは多くの犠牲者も出ましたが逃げ出します。太平も逃げ出します。その時に又七も囚われて城内にいて、二人は暴動の中で再会します。暴動の勢いはすさまじく、二人は一緒に死ぬことを覚悟しましたが、暴動はまるで通り雨のように過ぎ去り、二人は城から脱出できました。

 二人がこれからどうするかと思いあぐね、河原で盗んだ米と鍋で飯を炊きます。その時に燃えの悪い木切れにいら立ち、取り出して川に投げ捨てます。すると「チャリン」と金属が石にぶつかる音がします。不思議に思った二人が川の中を見ると金属棒が沈んでいます。拾い上げると、「秋月」の刻印があり、紛れもなく金の棒です。小躍りしてさらに探すと、もう一本見つけます。二人はどっちが見つけたか、金の棒はどちらのものかで争いになります。その言い争う二人を上の岩場の間から見下ろしている者がいます。二人は今度は逃げる算段をします。「金の延べ棒がこれっきりということはねえ。他の奴に気づかれたら、大損こくぞ」と太平は言い、又七も頷きます。

 しかし密かに逃げているつもりの二人でしたが、山の武士は見逃しません。「山賊かもしれねえ」と時折二人は後を振り返ります。その内にいなくなり、安心します。それでも用心してその日はもう金を探すのはやめて野宿します。木を燃やして夜をしのいでいると、そこに山の武士が現れます。驚いた二人は武士に「こんなところで何をしている」と聞くと、同じことを聞き返されます。二人は「国越えして早川領へ出てえんだ」と答えます。「この山を越えたら山名だ。早川には行けん」と武士は言います。確かに今いる秋月領から早川領へ抜ける境は山名が関所を作り、通り抜けることはできません。だから二人は山名へ行くのですが、それは仕方なく山名へ行くのであって、山名から早川へ抜けようと考えているのです。二人は更に説明します。秋月と山名が戦ったのだから、秋月の兵が山名へ行くはずがない、だから、二人にとって山名は安全だというのです。一旦山名へ入り、それから早川へ抜けるのが安全だと言うのです。

 武士の表情が変わり、急に大笑いします。「よし、それで腹が決まった。一旦山名へ抜ける、と言うのは良い知恵だ。金200貫、この国では宝の持ち腐れだが、馬3頭と男3人いれば運びだせる」と言うのです。そして武士は、何の話かわからないふりをしている二人の前に、懐に隠していた金の棒を投げます。

 武士は、金の棒が落ちてるかもしれないという欲望にかられた二人を先導して、岩場の上を指さして「俺の目をつけた場所はあそこだ」と岩場のてっぺんを指さします。二人がそこまで登ると、今来た沢の反対側の崖の下に小さな家が建っています。隠し砦です。二人が立つ岩場のてっぺんからは山名領がひと目で見渡せました。そして、武士の姿はもうありません。隠し砦へ通じる道があり、武士はそこを抜けてすでに砦に入っていたのです。その武士は秋月家の侍大将、真壁六郎太(三船敏郎)でした。

 

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  放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日
1月25日 8:45 古幡任三郎ファイナル・今蘇る死 日本映画 23.11.23
1月25日 17:30 キングコング2005 ザ・シネマ 22.9.21
1月26日 23:45 アンストッパブル ザ・シネマ 23.10.18
1月27日 18:00 人生劇場・飛車角 日本映画 23.9.6
1月27日 16:00 ターミネーター2 ザ・シネマ 23.8.17
1月27日 23:30 スーパーマン(1978) ムービー・プラス 23.8.22
1月27日 11:45 スピード WOWOWシネマ 24.1.10
1月27日 13:45 すぴーど2 WOWOWシネマ 23.10.5
1月28日 14:00 隠し砦の三悪人 NHKBS 24.1.25
1月28日 19:00 ソルト ザ・シネマ 22.10.9
1月28日 3:00 シャイニング WOWOWプライム 22.8.24