生きる<4Kデジタルリマスター版> ※2Kダウンコンバートにて放送|日本映画・邦画を見るなら日本映画専門チャンネル (nihon-eiga.com)
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再放送 23年4月13日(木)7:45~
制作 東宝 1952年(143分)監督・脚本 黒沢明 共同脚本 橋本忍 小國英雄
出演 志村喬 小田切みき 伊藤雄之助 清水将夫 木村功 金子信夫 渡辺篤
「『命短し 恋せよ乙女』と言う『ゴンドラの唄』のメロディが耳に残ります。タイトルバックからそのメロディが聞こえてきます。死期を悟った主人公、市役所・市民課長の渡辺勘治(志村喬)が、『今まで何もしてこなかった』と自分の人生を振り返ります。それから大慌てです。どう生きたらよいのか真剣に考えます。誰にでもいつかは訪れる運命の時です。今まで無気力だった主人公がどう変わるのか、どう生きたら、自分の死を受け入れられるのか、必死に模索します。どんどん残り時間は少なくなります。主人公はゴンドラの唄を悲しく、心の底から気持ちを込めて、一人、口ずさみます」
奥にいる市民課長の渡辺勘治(志村喬)は全く仕事への情熱を失った人間です。そして今は胃の調子が悪く、気になります。そこへ主婦の陳情を受けた職員がやってきて、「課長、黒井町の下水だまりのことで陳情にきてるんですけど」と言うと、渡辺課長は『土木課』と即答します。顔はあげません。職員もそのまま課長の席を後にします。
ナレーションが「これがこの物語の主人公である」と語ります。「しかし、今、この男について語るのは退屈なだけだ。何故なら、彼は時間を潰しているだけだから。彼には生きた時間がない。つまり、彼は生きているとは言えないからである」
あと1ヶ月休まなければ、30年間無欠勤の記録を作れるはずだった渡辺課長が休みました。病院で、胃のレントゲンを撮りました。待合室で話し好きの男性が渡辺課長に胃がんの話をします。「あの男はね」と診察室へ入っていった男について話します。「あの男は胃潰瘍だと言われてるんですがね、私のにらんだところ、胃がん、そのものズバリです。胃がんと言えば、死刑の宣告です。医者は大抵、軽い胃潰瘍だと言うんですよ、それから手術の必要はない。食事もあんまり非消化のものでなければ、好きなものを食べてもよい。こう言われたら、長くて1年。でも、こういう自覚症状が出てきたら、まず1年は無理ですな。重いように痛む。気持ちの悪いゲップが盛んに上がってくる。舌が乾いて、水やお茶が欲しい。そして下痢をする。それか、反対に便秘する。黒い色をした大便が出る」
ここまで聞いて、渡辺は不安になって話し手に顔を見られまいとします。「それからね、あれだけ好きだった肉類が食べられなくなる。何食っても30分ぐらいですぐに吐いてしまう。その時、一週間も前に食ったものが出てきたら、事ですよ!もう3ヶ月ぐらいーーー」と彼はここで、渡辺課長の様子がおかしいのに気がつきます。
渡辺は診察室でレントゲンを見た医者から「軽い胃潰瘍ですな」と言われて、持っていたコートを落としてしまいます。「手術の必要はありません。軽い胃潰瘍です。内科的に治ります。何を食べても大丈夫です」と言われます。
名作です。(特に推薦します。) | |||
ブログ掲載日 | タイトル | ||
51 | 22.10.1 | 「ダンス・ウイズ・ウルブス」 | |
52 | 22.10.11 | 「西部戦線異状なし」 | |
53 | 22.10.21 | 「必至剣 鳥刺し」 | |
54 | 22.11.1 | 「ダイ・ハード」 | |
55 | 22.11.11 | 「岸辺のアルバム」(TVドラマ) | |
56 | 22.11.21 | 「タイタニック」 | |
57 | 22.11.28 | 「遊星からの物体X」 | |
58 | 22.12.1 | 「ラスト・エンペラー」 | |
59 | 22.12.11 | 「マラソンマン」 | |
60 | 22.12.13 | 「グレムリン」 | |
61 | 22.12.21 | 「ハスラー」 | |
62 | 23.1.1 | 「フラッシュダンス」 | |
63 | 23.1.3 | 「ターミネーター2」 | |
64 | 23.1.11 | 「それでもボクはやってない」 | |
65 | 23.1.21 | 「宮本武蔵」 | |
66 | 23.2.1 | 「ベンジャミン・バトンの数奇な運命」 | |
67 | 23.2.11 | 「宮本武蔵第二部般若坂の決闘」 | |
68 | 23.2.21 | 「ゼロ・グラビティ」 | |
69 | 23.3.1 | 「鳥」 | |
70 | 23.3.11 | 「宮本武蔵第3部二刀流開眼」 | |
71 | 23.3.21 | 「ミンボーの女」 | |
72 | 23.3.31 | 「生きる」 |