再放送 11月14日(日)14:00-16:30時代劇専門チャンネル

2012年 日本松竹 監督 滝田洋二郎 原作 冲方丁

出演 岡田准一 宮崎あおい 中井貴一 佐藤隆太 市川猿之助 横山裕 松本幸四郎

「江戸時代初期に天体の動きを観察し、暦が間違っていることを発見し、新しい大和暦を作ります。その努力が凄い。更に大和暦を認めさせるまで、公家との命がけの戦いが続きます」

第67回毎日映画コンクール美術賞(部谷京子)

(有料配信されています。HD等も配信サイトで販売されています)

 

 

 

 

(概要)江戸時代の天体観測の道具が目を見張ります。星の動き、太陽、月の動きを観測して暦はできています。それは中国で作られたものを使っていました。しかし、日の長さ、月の満ち欠けなどをつぶさに観測して、使っている暦が二日ずれることを安井算哲(岡田准一)が発見します。観測だけでは暦はできず、算術での計算が必要なようです。全く暦の作り方は理解できないのですが、それが如何に大変なことかは理解できます。

 暦は現在でも大安、凶、先勝、先負とかが記載されているものがあります。江戸時代も庶民はそれを使って、婚礼、結納とかの大切な行事を行っていました。その暦を司るのは、都の公家達で、そこに他の人が手を加えるなどは許しません。でも、安井算哲は正しい暦を作る使命を幕府から与えられたのでした。

(物語)芝生の緑に四角い石を四角い芝生と同じ大きさで交互に並べた庭です。その真ん中に大きな日時計があり、中央の棒が影を作り、時を指し示しています。

「江戸前期、鎖国の世。コペルニクスの地動説や地球が丸いことさえほとんど知られていなかった。星空が今よりさらに神秘に満ちていたそんな時代、天体の謎に挑んだ男がいた」

 江戸の会津藩邸の屋根の上で安井算哲(岡田准一)が望遠鏡で夜空を眺めています。そこに親しい藩士がやってきて、金王八幡宮に面白い算術の設問が掲げられていると伝えます。算哲は算術に通じ、囲碁に強いのでした。藩士はその設問を写してきていますが、求められても渡しません。一旦渡すと、算哲は寝ないで挑戦することを知っているからです。

 しかし、翌日早朝、算哲は金王八幡宮に急ぎます。門前には「村瀬塾」との看板の周りに設問の書かれた絵馬がいくつか下がっています。「奉納算題」と絵馬には書かれています。算哲は設問を写し、次に自分が持参した計算表の紙を地面に広げます。江戸時代の算術はこの紙の上でしたようです。縦横に升目が引かれ、横軸は10進法の位「微、匁、壱、厘、分、一、十、百、千、万―――」などが20位まであり、縦は「商、実、法、廉、隅―――」とあります。そこに箱に入った朱色の棒と黒い棒を取り出して、升目に置き、その置いた本数と棒の置き方で数を表します。算哲は紙の上の棒を入れたり、出したりして計算します。

 えん(宮崎あおい)が神社内を掃き清めています。算哲に声をかけます。その時に時を知らせる鐘が鳴り、算哲は登城を急ぎます。算哲が去った後、設問の出題者、貧乏な孤高の算術家である関孝和(市川猿之助)が神社にやってきます。関孝和は設問の答を書き、新しい設問を下げます。その庭に落とし物をした算哲が戻ってきて、設問の答を見て、自分がいなかった少しの間に答が書かれたことにびっくりします。算哲はもう「関孝和」の名前を絶対に忘れません。

 その日は上覧碁と言って既に終わった碁を棋譜通りに打ち、将軍にご覧いただく日でした。しかし、安井算哲の相手、本因坊道策が真剣勝負をして本当の碁の面白さを将軍に教えようと言ってきます。算哲は賛同し、いきなり将軍、家臣、碁の師匠たちが見守る中で真剣勝負の碁を始めます。師匠はびっくりしますが、将軍は喜んで碁盤の傍に寄ってきて質問しながら観戦します。しかし、その時に樹々の間から突然多くの鳥が飛び立ち、辺りが少し暗くなります。家臣が来て、「蝕にございます」と将軍に伝えます。「日蝕」が起きたのです。日蝕は不吉なこととされ、碁、その他の行事はすべて中止となりました。

 その後で算哲と道策は師匠たちの叱責を受けますが、道策は動じません。どうしても碁の本当の面白さを伝えたいという強い意欲を師匠に逆らう言葉から受けます。算哲はそういう道策を見て、こうあらねばならないと思ったかもしれません。そういう道策を横に見ていた時に、別の座敷に初代会津藩主、保科正之(松本幸四郎)に呼ばれます。保科は3代将軍家光の異母弟で、兄、家光の死後も4代将軍綱吉を支えた名君でした。保科はまず囲碁の真剣勝負を褒めます。算哲は先の道策との試合で一手目に、天元(碁盤の中央)に黒を置きました。それはあり得ない石の置き方でしたので、保科はその理由を聞きます。算哲は「碁盤は星空をかたどるもの、天元は北極星です。だから初手天元に打ちました」と答えます。次に保科は「星、太陽、月は好みか?」と問います。もちろん答は「好んでおります」です。保科は続けて「北極出地を知っておるであろうな?」と問いと、「おのおのの地において、北極星の高度を測ると、その場所が何度何分であるかがわかります」との答に保科は満足します。「では、算哲よ、北極星を見て参れ。日本中を隈なく、あらゆる場所から北極星を見て参れ、半月後に出立せよ」と言うのです。これは幕府の命令でした。算哲は保科正之に見込まれ、大切な役目を仰せつかったのでした。

 その後、算哲はえんの兄、村瀬塾の塾長の村瀬義益(佐藤隆太)から、関孝和の書いた書物を借りて算術の技能を磨きます。神社の関孝和の設問に答を書き、そこに「安井算哲」と名を書き、今度は自分の名前で関に設問を出します。2人はこの設問の絵馬を通してすでに互いの名を知り、友人、あるいは師弟関係を築いています。そして、二人は設問の中に描かれる円や弧と線分が、天を表し壮大で、お互いに天体、星に興味があると知るのです。

 算哲はえんと夜空を見ながら「北斗七星は一年をかけて北極星の周りを一周します。天に回る大きな暦です」とえんに教えます。そして、えんに頼みます。「もし、関孝和様が私の設問にお答えいただけたら、再び北斗七星が今のあの位置へ戻るまでの1年の間、預かっておいていただけますか?」

 えんはもちろん「はい、御無事を祈っております」と答えます。

 

これからご覧になれる「ブログで紹介した作品」(ブログは20年12月10日から2つになり、掲載日が記事によってずれたり、ない場合もあります。ない場合は題名で検索して下さい)放映時間は必ずご確認下さい。
お勧め度 放映日 曜日 開始時間 映画の題名 放映チャンネル ブログ掲載日
11月3日 17:00 「E.T.」 ムービープラス 2021 2月21日
11月3日 19:15 「ランボー」 ムービープラス 2021 5月27日
11月4日 4:30 「ブラックサイト」 WOWOWプラス 2021 9月22日
11月4日 9:00 「未知との遭遇」 ムービープラス 2021 7月29日
11月4日 18:30 「未知との遭遇」 ムービープラス 2021 7月29日
11月5日 18:30 「レイジング・ブル」 ザ・シネマ 2021 3月4日
11月5日 2:15 「野性の叫び声」 WOWOWシネマ 2021 2月1日
11月5日 9:45 「喜劇 愛妻物語」 WOWOWシネマ 2021 10月28日
11月6日 3:30 「最高の人生のはじめ方」 ザ・シネマ 2021 8月17日
11月6日 21:00 「日本沈没1973年版」 日本映画専門チャ 2021 11月2日
11月6日 21:00 「箱入り息子の恋」 WOWOWプライム 2021 8月23日
11月7日 4:25 「愛のタリオ」 WOWOWプラス 2021 6月15日
11月7日 12:30 「推定無罪」 WOWOWプラス 2021 1月29日
11月7日 14:45 「フランテイック」 WOWOWプラス 2021 1月24日
11月7日 21:00 「天地明察」 時代劇 2021 11月3日
11月7日 23:30 「武士の献立」(「さくらのブログ」のみ) 時代劇 2020 10月30日
11月7日 16:00 「プライベートライアン」 WOWOWプライム 2021 3月30日