原題 Stagecoach １９３９年 アメリカ 監督 ジョン・フォード
出演 ジョン・ウェイン トーマス・ミッチェル クレア・トレバー ジョン・キャラダイン
「駅馬車に乗り合わせた９人はジェロニモに率いられたアパッチに襲われます。護衛の騎兵隊は途中で他の命令で、道を変えました。何としても自力で戦わなければなりません」
「映画史上最高のベストテン」（英国映画協会）などの評価で常に上位にランクされる名作
（有料配信されています。HD等も配信サイトで販売されています）
（概要）まだアパッチの襲撃があり、騎兵隊に守られながらでないと馬車の旅行ができない１８００年代後半の物語です。駅馬車がアパッチに襲撃されるだけの物語ではありません。その馬車には９人乗っていますが、９人それぞれに背景と人生があります。監督はそれを描きたかったのだと思いますが、あまりにもアパッチの襲撃のシーンが素晴らしく、そこが強調され過ぎたのではないかと思います。９人の人生を９０分で乗客同士の会話の中で説明していきます。どうしても字幕を読む日本人には名前と人物が一致しないうちに物語が進んでいくこともあるかもしれません。でも、ストーリーも映像も愛も戦いもとても丁寧に描かれています。
（物語）平原を騎兵隊が馬に乗って進みます。アパッチも旗を掲げてやってきます。軽快な音楽がバックに流れて映画は始まります。農民を背に２頭の馬が騎兵隊の屯所にやってきて「アパッチが牧場を焼き払っているようだ。頭領はジェロニモだ」と報告します。ニューメキシコ州のローズバーグからの緊急連絡で電信には「ジェロニモ」とだけあり、電信は切れます。「ジェロニモの襲撃」を伝える電信が故障で通じなくなったのです。
ロサンゼルスのあるカルフォルニア州の隣にあるアリゾナ州のトントの町です。そこから更に内陸を行き、隣りのニューメキシコ州の今電信のあったローズバーグへ行く駅馬車がありました。馬車がトントに着きました。「馬を交代するので、降りてゆっくりできますよ！」と馬車を運転をする御者が客を降ろします。
御者は保安官事務所へ行き「護衛を雇いたい」と申し出ます。３人いた保安官の一人、カーリー保安官が護衛の話とは別に「脱獄犯のリンゴを追いかけている」と言います。リンゴはリンゴ・キッド（ジョン・ウェイン）と言ってよく知られた銃の名人でした。刑務所に入れられていたリンゴ・キッドは脱獄し、リンゴの父と弟を殺したルーク・ブラマーとその弟アイクとハンクの３人に復讐するつもりです。リンゴはルーク達の証言で刑務所に入れられたのでした。他の保安官がカーリー保安官に「ルークには近づかん方がいい」と助言します。御者はルーク３兄弟は駅馬車の目的地のロースバーグにいる、ローズバーグの近くの牧場主を銃身で殴るのを目撃したと言います。酷い怪我だったと言います。リンゴはローズ３兄弟を追ってローズバーグに行くに違いないと思ったカーリー保安官は身を乗り出します。カーリー保安官が馬車の護衛として馬車に乗ることになります。
馬車の乗客は、５人です。1人目は町の婦人たちに嫌われている娼婦、ダラスです。2人目は酒ばかり飲んでいる医者のブーン先生、酒が原因で住居を追い出されます。産婦人科の名医です。３人目は酒の商人、気の弱いピーコックです。４人目はとても妊娠中とは思えない「天使」と呼ばれる女性で、騎兵隊の恋人の所へ行くのです。５人目は彼女を「天使」と呼ぶギャンブラーです。銃の腕に自信があり、この「天使」を守りたくて一緒に乗ります。
御者が「ドライフォークからアパッチ・ウエルズ、そしてローズバーグ行きだ」と出発の掛け声をかけます。騎兵隊が護衛としてやってきます。騎兵隊の隊長は「ドライフォークまでは我々が護衛する。その後は別の護衛がつくが、乗客には危険を承知させろ。ジェロニモが襲ってくるかもしれない」と言います。騎兵隊は今日、馬車を運行するのは危険だと言いますが、御者は「予定通り運行する。護衛は怖ければ来なくて結構」と言い放ちます。騎兵隊は命令だからドライフォークまでは護衛すると言います。保安官のカーリーはいつアパッチに襲われるかもしれないので、乗客に「馬車は行くが、降りたい方はどうぞ降りて下さい」と伝えます。誰も降りませんでした。
軽快な音楽と共に馬車が進んで行くと町はずれで銀行の頭取が待っていて、乗り込みます。彼は銀行の多額のお金を横領していました。これで乗客は６人です。
相当に走った後で、ライフルを持ったリンゴ・キッドが現われます。保安官とリンゴは知り合いです。リンゴは御者とも知り合いです。御者の家族のこともよく知っていて、御者は彼が現われたことがうれしいのでした。リンゴは自分が脱走して乗って逃げた馬が怪我をして走れなくなったので、この馬車の通り道で待っていたのでした。リンゴの父と弟はルーク３兄弟に殺されました。復讐のために脱獄したリンゴはルーク３兄弟を追ってローズバーグへ行くのです。「俺の銃が必要になるさ。昨夜、牧場の火事を見た」とリンゴが言うと、護衛のカーリー保安官は「わかってないようだ。お前を逮捕する」と銃を突きつけます。脱獄囚のリンゴを放っておくことはできません。保安官はリンゴの持っている銃を預かります。リンゴも駅馬車に乗り込みます。これで、御者と保安官も含めて駅馬車は９人になりました。馬車の中は会話が弾みます。リンゴはかなり社交的で、医者のブーンには弟を診てもらったことがあり、彼を名医とほめます。ブーンはもう、誰も褒めてくれる人がいないのに、彼が褒めてくれたのでうれしくて仕方ありません。リンゴが「弟は今どうしている？」と尋ねると、医師のブーンは「弟は殺されたよ」とポツリと答えます。
ドライフォークへ到着しますが、そこに駐屯している交代の騎兵隊がいません。騎兵隊にはそれぞれに命令が下っています。ここにいた騎兵隊にも他の命令が出たということです。送ってきてくれた騎兵隊もここまでが任務です。これから先は戻るか、行くかですが、御者は戻りたいと言いますが多数決で決めることになります。リンゴはアパッチが襲ってきても大丈夫だと言いますが、御者は不安です。戻りたいと言ったのは酒売りの気の小さなピーコックだけでした。彼は家族に会いたい、これから先は命の危険があると言います。結局、多数決に従って進むことになります。
| （放映時間のお知らせ）(一週間以内に放映される未推薦の映画で、推薦したいと思う映画を見つけることが難しくなってきました。１日１作品推薦は継続しますが、「放送予定はありません」が多くなります。ご勘弁下さい。） | |||||
| 紹介作品 | 放送日 | 曜日 | チャンネル | 放映時間 | ブログ掲載日 |
| 名作「ある剣豪の生涯」 | 放送予定はありません。配信、DVD等はあります | 2021/9/21 | |||
| 「神の手（wowowドラマ第１回）」 | 9月29日 | 水 | ＷＯＷＯＷプライム | ０：０４－１：００ | 2021/9/25 |
| 「あなたへ」 | 9月29日 | 水 | WOWOWシネマ | 6：05－８：００ | 2021/9/26 |
| 「ジャック・サマースビー」 | 10月1日 | 金 | ＷＯＷＯＷプライム | １：４０－３：４５ | 2021/9/27 |
| 「駅馬車「 | 10月1日 | 金 | NHKBSプレミアム | １３：００－１４：３７ | 2021/9/28 |
| 「羅生門」 | 10月2日 | 土 | WOWOWシネマ | １０：１５－１１：４５ | 未掲載 |
| 名作「無法松の一生 | 10月7日 | 木 | NHKBSプレミアム | １３：００－１４：２１ | 2021/10/1 |
| 名作「陽のあたる場所」 | 放送予定はありません。配信、DVD等はあります | 掲載日変更 | |||
