「観客でしかなかった私の推薦する100本の名画」の一つ

原題 Midnight Cowboy 1969年 アメリカ 監督 ジョン・シュレジンジャー

出演 ジョン・ボイト ダステイン・ホフマン 

「ニューヨークの片隅でひっそりと暮らすラッツォの人生はショックです。鼠のような生活で、それでも必死に生きています。ジョーがニューヨークでできた友人です」

第42回アカデミー賞 作品賞 監督賞 脚色賞

1994年にアメリカ議会図書館がアメリカ国立フィルム登録簿に新規登録

(配信されています。DVDは販売されています。値段はご自分でお調べ下さい)

 

 

 

 

(概要)青年の頃は自分の人生に夢を描いています。ジョーは自分の容姿に自信があります。どこで仕入れたか、ニューヨークではゲイが多く、女性はお金を払って男と遊ぶと思っています。女性は得意です。彼は自分を女性に買ってもらい一儲けしようとニューヨークへやってきます。果たして、そんな良い職業があったら、その仕事が一生できるのなら、やってみようと思う男性はきっとたくさんいると思います。

(物語)テキサス。平原が広がる大地の中のドライブインのシャワー室でジョー(ジョン・ボイト)が体に石鹸を泡立てながら鼻歌です。シャワー室から出てきて、体に香水スプレーをかけて、カーボーイ姿の衣装を着て大変身です。軽快なこの映画のテーマ音楽が流れてきます。ジョーが働いていたレストランの従業員たちのジョーを叱る声が聞こえてきます。「ジョーはどこだ?」「ジョーは?この溜まった皿を見な」「どこにいた!?遅刻だぞ!」「早く皿を洗え!」ジョーは口答えの練習をします。「皿ぐらい自分で洗え!」とジョーは大声を出して、鏡の中のカーボーイ姿のタバコをくわえた自分に大満足です。

 ジョーは決心してこれからニューヨークへ行って新しい仕事を始めるのです。だから、活気とやる気に満ちています。大きな旅行用のスーツケースを提げて、レストランへ退職の挨拶に行きます。毎日同じことをやっているレストランの従業員の目は生気がないと思っています。

 レストランへ入って今初めて『辞める!』と言います。誰も怒りません。

「給料をもらいに来た。東部へ行く。みんなに『さよなら』を言わないとな」

店長はジョーに聞きます。「東部で何をするんだ?」

ジョーは目を輝かせて答えます。「金持ちの女どもは金を払って男を買うんだぜ。東部の男はゲイばかりだからさ」

「ひどいところだな。そんなに甘くないと思うが」

「稼いでみせるさ。田舎にいたくはないさ。あちこち行きたい」

 ジョーはまだとても若いです。小さい頃に、おばあちゃんの肩をもみました。「かわいい子ね」とほおずりされたことを思い出し、これからもそうなると夢を見ているのです。「かわいいよ、素敵なカーボーイになる。町で一番ハンサムなカーボーイだよ」とのその時にかけられた言葉を思い出し、顔がほころびます。

 ニューヨーク行の長距離バスに乗り込みます。ガムを噛んで鼻歌混じりで上機嫌です。バスの中でも女性と見れば笑顔を振りまき、ブーツの埃をふき取り、カーボーイハットを被り直します。昔つき合った女性の言葉が頭の中で反響します。

「私を愛してくれてる?あなたがすべてよ、ジョー。あなただけ。ほかの誰よりも優しいあなた。あなたは最高よ、ジョー。私を愛してる?ジョー、愛しているの?」その女性は、空想の中で秋の草原を駆け抜けていきます。庇の下でキスし、ベッドで愛を確かめあったその女性。良い思い出です。

 ラジオのインタビュー番組で女性たちが「理想の男性とは?」の質問に答えています。「ゲーリー・クーパーよ。死んだわ」「外見に自信のある人」「優しい人」「背が高くないとだめ」「ベッドで話せる人」「楽しい人」「絶倫な男性」「あなたよ」―――みんな自分に当てはまるような気がして、ますます上機嫌で気持ちがハイになります。

 ニューヨークへ到着するとホテルのボーイはチップを待ってるし、テレビは小銭を入れないとつきません。それでもジョーはニューヨークの町を獲物を求めて歩きます。ショーウインドウを覗いている女性に近づけばすぐに逃げられます。多くの女性は目さえ合うことはありません。女性へのきっかけの決まり文句は「『自由の女神』にはどうやっていくんですか?」です。会話に乗ってくれた女性に

「奥さんは可愛くて、素敵だ」と言います。するとその奥さんに

「『自由の女神』は口実だったの?自分のことを恥じなさい」と言われてしまいます。

 うまくいった女性がいましたが、その女性も売春を職業としている人で、結局ジョーがお金を払う羽目になりました。上手くいくわけです。

 ジョーは入ったバーでラッツォ(ダスティン・ホフマン)と席が隣になります。ラッツォはお金に不自由していて、ジョーの財布の中ばかり見ます。ラッツォは男にも女にも詳しく「そういう商売なら、良い奴がいる。道で声かけるんじゃだめだ。もっと賢くやらないと。この街で一番でかい売春組織の元締めを紹介してやる」というのです。ジョーはうれしくてたまりません。すぐにその話に乗り、その元締めと会う約束をラッツォに作ってもらい会いに行きます。しかし元締めと言うのは真っ赤な嘘で、年配の同性愛者でした。ジョーはその元締めの待つ部屋で「男同士で楽しもう」と言われるのです。ジョーはラッツォに騙されたのです。

 

(放映時間のお知らせ)(「再掲載予定」は良い映画が見つかれば掲載しないこともあります)
紹介作品 放送日 曜日 チャンネル 放映時間 ブログ掲載日
「野球少女」 9月2日 WOWOWシネマ 13:00-15:00 2021/8/28
「きみの瞳が問いかけている」 9月2日 WOWOWシネマ 21:00-23:00 2021/8/29
「パレートの誤算」 WOWOWオンデマンドでいつでも見れます 2021/8/30
「ゴッドファーザーPart1」 9月5日 WOWOWプラス 9:15-12:30 2021/8/31
名作「真夜中のカーボーイ」 放送予定はありません。配信、DVD等はあります 2021/9/1
「ゴッドファーザーPart2」 9月5日 WOWOWプラス 12:30-16:00 未掲載