突然ですが,私の好きな管楽器は,第1位:クラリネット,第2位:フルート,第3位:ホルン・・・という順位になります。理由は音色もさることながら,いかに様々なジャンルの音楽に順応するかという,私の極めて私的な観点からの順位です。特に第1位と第2位の差はそこまで大きくなく,クラリネットはかつて自分も吹奏楽で演奏し,楽器を所有しているので第1位にせざるを得ない・・・という程度です。
しかし,服部克久先生の『音楽畑』シリーズでは,特定のクラリネティストやフルーティストをフィーチャーした楽曲は意外に少なく,この《アマデウス通り》はその例外の1曲です。(サックスの平原まことさんや金城寛文さん,トランペットの数原晋さんなどは多いですが・・・)
フルーティストの圓城三花さんの音色は『ル・ブーケ』というアルバムの服部先生のライナー・ノーツの言葉を参照すると「音が明るい,よく伸びて,おおらか」ということになり,それはこの《アマデウス通り》でも活かされています。
楽曲はタイトル通りモーツァルトっぽくコード進行も柔らかで,Cメジャー→A♭メジャーと進行し,古典派の曲よろしく予備無く長三度下に転調します。そしてここからメロディーがストリングスに変わりフルートはオブリガードを担当,エンディングではメロディー・ラインとベース・ラインが反進行しながら盛り上がり,最後はフルートもメロディーに加わって主和音3連発(3発目は伸ばし)で「ぽく」終わります。
なお,前述の圓城三花さんのアルバム《ル・ブーケ》では服部克久先生とご子息の服部隆之先生がクラシックの名曲のアレンジを手掛けておられます。それまで私はクラシカルな楽曲にシンセサイザー等を用いるのは邪道だと思っていましたが,服部先生の「ドビュッシーやラヴェルの時代にシンセサイザーがもし有ったら,彼らも絶対に使用していただろうと確信する」という編曲哲学に接し考えを改めました。確かに音楽の歴史は停滞することなく前を向いて,より新しいことに挑戦してきましたから。
