スーツケース いっぱぁいに つめぇこぉんだぁ~
と、云うわけで、恒例の八戸行である。いつもなら一週間ほど滞在するので、これより一回り大きいスーツケース(キャリー・バッグ、と、云うのだろうか)に荷造りして、しかも、あらかじめ宿泊先に送っておくのだが、今回は3泊4日の予定なので、このケースを使って、しかも、現地まで引っ張っていくのである。
いささかかさばるが、金田一さんや寅さんのトランクを想えば、楽なものである。
もともとは、夏休みをめいっぱい使って、それこそ1週間くらい、滞在する予定であった。
それが、よんどころない事情によって夏休みを使い切ってしまい、3泊4日に旅程をつめざるを得なくなったのである
しかも、この3連休中に、台風が来日する予定だとか……。無事に旅程をこなして帰れるだろうか……。

 

新大阪駅の「みどりの窓口」で、新幹線の切符を買う。
新大阪発は30分後、東京での乗継に1時間半。充分な余裕である。
新大阪発8:20、東京着10:53、のぞみ216号。東京発12:20、八戸着15:04、はやぶさ19号である。

新大阪駅構内で、手拭いと本(『日本資本主義の没落』Ⅶ)を落としてしまった。トイレに入ろうとしたときに気づいた。キャリー・バッグの上に置いていたためである。
一旦改札まで引き返して、係員の女性に訊いてみたが、届けはない、と、云う。
やむなく歩いた道を引き返して、通路を見てみたが、落ちていない。
半ば諦めて、もう一度捜そう、と、引き返したところ、公衆電話の設置台に置いてあった。
助かった! どこのどなたかは存じませんが、ありがとうございましたm(__)m

 

ちなみに、これが今回の切符(往路)である。

 

そしてこれ↓が――

3.のぞみ216号

のぞみ216号である。
乗り場は27番線で、ご覧のとおり、一番端のホームである。
こんな季節に、こんな場所に、アゲハチョウが舞っていた。
写真を撮ろうか、とも思ったが、思っているうちに、姿を消してしまった。
こんな端のホームには、キヨスクはあるまいな、と、思っていたら、ちゃんとあった。
そこで、いつもお世話になっている八千代旅館へのお土産(「大阪の恋人」と「新大阪の恋人」)と、朝飯の弁当(サンドウィッチと近畿味めぐり弁当とアイス・コーヒー)を買う。

朝食、第1弾 プレミアムミックスサンドである。
ミックスサンドであることは確かだが、どこがプレミアムなのかは、いまいち、判然としない。見た目も具材も味も、さしてプレミアムでもなかった。
写真右上は、アロマEXブラックボトル缶である。
コーヒーはあまり飲まないほうがいい、と、諭されている(正確には、そう諭された同病の人の話を聞いた)ため、ふだんは1日1杯にとどめているのだが、旅の間は非日常、と、ばかりに、少々ハメを外すことにした。
やはり洋朝食には、コーヒー、で、ある

 

そして――

朝食、第2弾 近畿味めぐり弁当である。
この弁当を食すのは初めてである。
近畿各地のご当地名物食材を使用し、ヴァラエティーにとんだメニュウを揃えているらしい。
アイディア、宣伝効果、ともに優れた弁当である。

これがその中身である。一見幕の内弁当風の、いかにも日本の駅弁、と、云った感じの駅弁である。
個々のおかずそれ自体に新鮮味はないが、さすがに近畿各地の名産を使用しているだけあって、そのお味は、グ~ で、ある。
(陰の声:ふ、ふる~

ちなみに、箱の裏蓋には、こんな地図が印刷されている。
ヒマとカネがあれば、各地を経巡って、食べ歩くのも一興だろう。
定年退職後の愉しみにいいかもしれない。
そのときまで生きていて、経巡る元気と、食べ歩く食欲があれば、の、話であるが……

車中では『日本資本主義の没落』Ⅶを読んだり、SNSをチェックしたり、投稿したりして過ごす。

今回の滞在中に、『日本資本主義の没落』Ⅶ、Ⅷ、それに、『ツァラトゥストラはこう言った』(岩波文庫)の下巻を読了するつもりである。3泊4日ではムリかな?

そうこうしているうちに、東京に着く。

 

かっけぇ~がえのぉ~ ない~人にぃ~ 会ぁ~えた!

で、ある。

 

さて、先述したように、東京では、約1時間半ばかりの待ち時間がある。
その時間をどうしようか。最初はどこかの喫茶店で本でも読んで過ごそうと思ったが、折角だから上野のお山でも散策しよう、と、思い直し、山手線のホームに向かう。

 

駅のホームのKIOSKである。
どこにでもあるような風景のようでいて、やはりどこかビミョ~にちがっている。
大阪の駅のホームにある売店とは、どこかちがうのである。

なんだ

云っても、東京である。

 

ぼぉ~くは、いささか

……とは、まだいかない。

ハッキリ云って、AKBはDKR(大キライ)だが、この町は好きである
以前にも一遍、来たことがある。
そのときは、上京している高校時代の友人の案内で、通りを一渡り歩き回った。
そのとき、件の友人お薦めのメイド喫茶に案内してくれたのだが、待ち時間が4時間と聞いて、即座に断念した。
結局、アキバらしいグッズも買わず、何軒かのメイド喫茶のチラシをもらっただけに終わった。

もし二度とこの地を踏むことがなかったら、このときもらったチラシ類が、いわゆるひとつの、“メイドの土産”となるであろう。

そんなことにならぬよう、この次東京に来たときには、ぜひこの駅で降りて、もう一度界隈を歩きまわってみよう

 

オフィスの かわいい娘~ は、どうやら、いないようである。

わたいの自論であるが、東京や大阪など、都会と呼ばれる地域には、いわゆる“自然美人”はいない。
手を加え、技術を施され、人工で作り上げられた、いわゆる“工芸美人”がいるだけである。なにしろ、高校生はおろか、中学生で化粧をしている娘がいるのだから、何をか謂わんや、で、ある。


さて、これ以上、女性を敵に回すような危険は避けて……

外に出てみると、まるで夏のようである。何年か前に来たときもそうだったよな、と、あの頃の暑さを思い出す。
あいにくコイン・ロッカーが空いてなかったので、やむなくキャリー・バッグを引っ張って、上野公園にむかう。

 

 

以前に来たときには気付かなかったのだが、かの名高き“アメ横”こと、“アメヤ横丁”は、ここにあったのか
今度ゆっくり、この横丁を探索してみたいものである。大阪の横丁と、どのへんがどう違っているのか、あるいは大阪の横丁と変わりないところが、どのへんにか、あるのだろうか……。なかなかに興味深いところである。

 

さてさて、上野公園にきてみたが、夏のような好天に、キャリー・バッグを引っ張っている身としては、階段は使いたくないし、なだらかではあっても、坂道もけっこう堪える……。

そんなわけで、西郷ドンの銅像や不忍池はパスして

ここにくる。

そう、

で、ある。

漱石ファンとしては、西郷ドンの銅像や不忍池よりも、やはり、静養軒である。

今年は、漱石生誕150年である。と、なれば、漱石ファンたるもの、『三四郎』や『それから』に登場するこの場所を訪れたくなるのも、無理からぬことではあるまいか!?

 

これが、上野精養軒である!

ここが、『三四郎』や『それから』などに登場する、上野精養軒かぁ~、と、思うと、感慨無量である。
3年程前にも1度来たが、やはり感慨は無量なのである。
なかには喫茶店やレストランなどもあるようだ。
今度来るときは、十分時間をとって、中に入ってみることにしよう。
もちろん事前に、十分な下調べをして……。

 

さて、感慨無量と云えば、この場所もである。

JR上野駅不忍口である。

以前来たときには、この場所で、かわいらしい女の子が、100回+1回ライブを敢行していた。
水越ユカchan、富山県は射出市出身のシンガーソングライターにしてアスリートの女性である。

 

あの時この場所で出逢った貴女
貴女は現在(いま)どこで どうしているのだろうか
あのときとおなじ ステキな笑顔で
あのときとおなじように 人生を耀かせているのだろうか

それとも人知れず 悲しみの涙に咽んでいるのだろうか
ぼくは現在(いま) あのときとおなじように

この場所にたたずんでいる

しかし 貴女の姿は ここにはない……

ちなみに水越ユカchanは、一児のママとなり、ママとなってますます元気、各地各所でご活躍されているようである。

 

さて、追憶懐旧に浸ってばかりもいられない。
現在を嘆いても 胸を痛めても ほんの 旅の途中~
なのである。

 

山手線でふたたび東京駅に戻ったが、これがなんと! とんでもないミス・テークであった

東京→上野は乗車券が使えるが、上野→東京は乗車券が使えず、切符を買わなくては不可ないのだった。そう云えば、以前に上野に来たときにそういわれたなぁ、と、記憶が甦ったが、これぞAfter Festival、いわゆるひとつの、後の祭り、で、ある。

 

さて、気を取り直して、東京駅から「はやぶさ19号」で、八戸に向かう。

毎回思うのだが、どこからどう見ても、「はやぶさ」と云うよりは、「ペリカン」か「カモノハシ」である。
“運ぶ”という観念からすると、「ペリカン」か……。

 

ゆっくりとその車体が動き出すと、昼食タイム、で、あるラブラブ

毎度おなじみ、「深川めし」である

仄聞するところによると、人気随一のお弁当なのだそうである。
「品川貝づくし」はないか訊くと、あれは管轄が違う、と、云う。そう云えば、品川は東京よりも、大阪寄りである。
売店の売り子さんが、「みなさん、よくお訊ねになるんですよ」と、笑っていたから、カン違いする人間は、わたいだけではないようだ。

これがその中味である音符

以前にも書いたが、この弁当を食べると、夏目漱石の『三四郎』を思い出す……と、云うよりは、『三四郎』の雰囲気に浸りたくて、この「深川めし」を食べている、と、云ってもいいくらいである。
もちろん、『三四郎』のなかで、三四郎が食べていた弁当は、「深川めし」ではなかったし、『三四郎』への思い入れを考慮しなくても、素晴らしい味わいであることは云うまでもない。

 

「あいつの昼飯が、弁当1個ですむはずがない」と思われたあなた、正解です 賞品は出ませんが

これがその第2弾音符 「鮭はらこ弁当」である。

そしてこれが──

その中身である。

「はらこ」とは、鮭の卵をイクラ、筋のつながっている卵を筋子(スジコ)と呼んでいるが、鮭の腹に入っている子=「腹の子(ハラノコ)」「腹子(ハラコ)」という語源からきているのではないか、と、云われている。
したがって、「はらこ弁当」とは、炊き込みご飯の一種で、醤油や味醂などと一緒に鮭を煮込んだ煮汁で炊き込んだご飯の上に、鮭の身とイクラ(はらこ)をのせた弁当のことであるらしい。
ちなみに、単に炊飯された白飯の上に鮭の身(湯掻いたものであろうが、刺身の場合であろうが)とイクラをのせたものは、「鮭イクラ丼」と云って、区別されているようである。

ところで、東北新幹線は、なぜかやたらに喉が渇く。いったいどう云うわけだろう。謎である。

 

そうこうしているうちに、八戸に着く。

東京を出てから、約2時間40分の旅程である。
東海道新幹線内には、狭いながらも、喫煙ルームがあるので助かるが、東北新幹線は、文字どおり、全面禁煙であるからツライ
さいわい、3時間にも満たない時間だから、我慢できないことはない。
とは云え、堪えることは堪える。
そんなわけで――

まずは一服( ´ー`)y-~~
なに、急ぐことはない。
シャワーを浴びて旅の塵労を洗い流し、6時の夕飯までに間に合えばいいのである。

 

のんびりと改札を出てユートリーに行き、榎本商店で土産を買う。
おばちゃんは憶えてくれていたようで、すっかり良くなりましたね、と、驚いたように云ってくれた。

 

お店のおばちゃんとわちゃわちゃしゃべりながら、日頃お世話になっているみなさんへの土産物を買い、発送の手続きをして駅に戻ってみると、久慈(本八戸)行は、50分後である。

1時間に1本しかないのである。
やむなくホームでmixiを開いたり、本を読んだりして過ごす。
八戸発は17:15、本八戸着は17:24である。

と、そうこうするうちに、やっと電車が来た。

高校生と思しき男女が降りてくる。
制服に身を包んだ中学生や高校生たちを見ると、なぜかホノボノとしてくる。あの頃の自分を思い出すからだろう。また八戸の中高生たちの制服は、大阪の中高生たちのそれとは違って、わたいが中高生だった頃のそれと似ている。
そんなこともあってか、わたいは、この八戸の中高生たちに、かぎりない親近感を抱くのである。もっとも、当の中高生男女にしてみれば、メイワクな話であろうが

 

昨今旅客を脅えさせている事故や事件もなく、無事平穏に、列車は本八戸駅に着く。

時刻は午後5時半。
ここから旅宿の八千代旅館まで、歩いて約30分であるから、ちょうど夕飯の6時に到着する計算である。
 

 

やって来ました八千代旅館
毎回お世話になっている、いつものお宿。謂わば、常宿である

着いたのは、17:45頃。
思ったより早かった。

宿帳に住所氏名を記入し、お土産を渡して、部屋の鍵を受け取ると、荷物とともに、2階ににのぼる。


部屋に入り、シャワーを浴びて、晩飯の膳に着く。

晩御飯である
東北の白米に、えのきと豆腐のお味噌汁、味噌も東北産のものと見えて、これがまた美味い
イワシの焼き魚(2尾)に、イカ刺し。このイカ刺しを、右下のサンジョウ漬に浸けて食べる。これがまた、美味いのである。わさび醤油、生姜醤油、いやいや、そんなものではない。これはとても大阪では味わえない。第一、サンジョウと云うものがない。山椒ではないのである。これはやはり、八戸ならでは、の、味であろう。
中央奥にあるのは、自家製のソースをかけた鶏のステーキである。
箸休めとして、生もずく、オクラととろろ、胡瓜の漬物とミョウガ、鮫の和え物。
箸休めだけで、ゆうに1~3膳いける。
いつもながら、豪勢な献立である
ところが、この豪勢な晩食の膳に着いたのは、わたい.ひとり。
他に客はいないのか訊くと、いることはいるが、晩御飯はいらない、と、云うのだとか。なんとも勿体ない話である。

さて、晩食後、町を散歩する。いつものパターンである。

近くのコンビニの喫煙所で、太目のおばちゃんと愉しい会話。一週間前までは、大阪の最低気温が、25℃。ここ八戸の最高気温が、26℃。

「下手したら、、八戸の最高気温より、大阪の最低気温のほうが高い」と、つねづね、冗談半分に云っているが、そのことを話すと、

「このへんの気温は、海側にある観測所で測ってるんですよ。だから、このへんよりは、ちょっと低いんです」

なるほど、ちょっと、安心した?

 

鷹匠小路からみろく横丁を覗いて旅宿に帰る。

この旅宿ではまだ、部屋で煙草が吸える。喜ばしいことである。
今日は、歩数、1万歩を越えた。今回の滞在中、毎日1万歩を越えられるだろうか? これがひとつの、目標である。