著者の山中浩之さんは、介護を他人に任せる=親不孝だという思い込みから、
公的サービスを受けずに介護を抱え込み、
虐待につながていった方の本を出版された事で、
自分の親の介護では、
「親不孝介護ぐらいがお互い幸せ!」と気づき、
その母親の介護の顛末を本にされました。
著書では、新潟で一人暮らしするお母様との関わりを時系列に追い、
合間に「NPO法人となりのかいご」の川内潤さんとの対談を交えながらまとめられ、介護について何も知らない方にもとてもわかりやすい本となっています。
こんな、足が悪い自分が介護なんて…。
って股関節変形症を抱えていれば思いますよね。
でも、公的サービスを使って親の介護を自分でしなくても、親不孝なわけではない。
実際に、どこでどのような介護を受けたいかという調査では、
「自宅で家族中心で介護を受けたい」人が18.6%なのに対し
「家族に依存せずに生活ができるような介護 サービスがあれば自宅で介護を受けたい」という人が37.4%と、
倍の数字となっています。
親の側でも、何も子どもに面倒を見てもらいたいと思っているわけでもない。
介護する側の立場でいうと
「当の本人が望む人生終盤の生活」に近づけられたらいいなと思うし、
子も「自分で面倒を見なければ親不孝だ」と自分を追い込む必要もないし、
でも関わりたいのであればうまく公的サービスを利用しながら、
親も子もストレスがたまらない、その家庭ごとのWin-Winにたどり着けたらいいんじゃないかなと思います。