FP(ファイナンシャルプランナー)を取得されている方は、多いと思います。日常の業務で活用されている方や一念発起して、事務所を構え、独立しようと準備していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そこで、「シニア世代会員向けFPキャリアセミナー」へ参加したので、内容をレポートしたいと思います。
セミナー名のタイトルどおり、定年退職された方が、ご自身の経験を元に新たにFP業界へ進出された際の体験談を講演して頂くセミナーでした。シニアの方のセカンドライフとしての開業に特化しておらず、これから開業しようと考えている方にも十分に生かせる内容でした。
FP業界に限らず、どこの業界も1万円を稼ぐのに四苦八苦しております。FP業界も資格を取得し、即、相談料で・・・というのはかなり厳しいようです。今回、講演されたお二方も大変、ご苦労されたという印象でした。
相談料で生活できるのか!?
結論は、人により様々とのことです。
当たり前の話になりますが開業当初はかなり、厳しい印象です。
相談料の占める割合が低い段階で、いかに他の収入源を確保できるかがFP事業の成否を分ける印象を持ちました。
具体的には以下の業務を兼業する方が多いそうです。
⑴保険代理業を営み、その収入の他に相談業務を行う。
⑵士業を営み、その収入の他に相談業務を行う。
⑶講演会や執筆業を営み、その収入の他に相談業務を行う。
⑷マスメディアに出演し、その収入の他に相談業務を行う。
⑸大学等へ売り込み、金融セミナーやFP受験の講師等を行う。
上記、⑴、⑵は安定した収入源になるでしょう。
⑶は、最初から大人数を集客することは困難でしょうが、区民センターや新聞社へ企画を売り込み、その後、相談へつなげていくという感じです。今回、講演された方は新聞販売店で集客して頂いたそうですが、残念ながらその後、相談へは発展しなかったそうです。
⑷は、マスメディアを活用し、名前を売り、講演会や相談業務へつなげていくという方も多いそうです。
⑸は、大学等で新社会人向け奨学金等返済の金融セミナーやFP資格の短期受験講座などで収入を確保するという方も増えているそうです。
参考になりますが、相談業の占める割合は、全体の1割との厳しい現実のお話もありました。
得意分野で勝負すべきか!?
FPの試験範囲は、金融資産運用設計、不動産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング、リスクと保険、タックスプランニング、相続・事業承継設計の6課目と多岐にわたります。
全般をそつなくこなせる方もいらっしゃるでしょうが、ほとんどの方は難しいと思われます。
世間一般のお話では、得意分野をさらに深く極め・・・というお話もありますが、今回の講師の方は、発想を転換し、できることを明確にするのではなく、これだけはやりたくないということを明確にするという基準を設けていたそうです。受けたくない仕事以外は、何でも引き受け、そこから新たに人脈を広げる新たな起点を作り、さらに同様のことを何度も繰り返したそうです。
FP業界の将来性は!?
お話を聞く限りでは、厳しい現実をつきつけられたかなという印象ですが、生活とお金に関する分野は流行り廃れのない普遍のテーマあり、分野が幅広いが故に差別化しやすいというメリットがあるとのことです。
一昔前に、
「税理士資格は“足の裏にくっついたご飯粒”だ。」
その心は?
と問われると、
「取らないと食べられないけど、取っても食べられません。」
という税理士業界の自虐的な謎かけがインターネットで記事にされておりました。どこの業界も厳しい環境だからこそ、まずは自分自身を情報源の価値として認めてもらう必要性があるのでしょう。
こんなお話もされました。
⑴昔は、家具に合わせてスリムな掃除機が販売された。今は、ルンバに合わせて家具が製作されないと売れない。
⑵食洗器で洗えない食器は今は売るのに苦労する。
つまり、消費者が良いと思われるものには、たとえ高くともお金を支払ってくれる。
自分で情報を集めて苦労されている方は、情報に対して対価を支払ってくれやすいという言葉を信じて活動されてみるのはいかがでしょうか?
最後に世の中の動きが速く、何が当たるかわからないので、小さく活動し、いろいろと試してみる。小さな失敗であれば、たとえ失敗しても何度でも再チャレンジできるので、怖がらずに何度の再チャレンジしてほしいとお話されておりました。
質疑応答では、なかなか鋭い質問があり、回答に困っておりました。それだけ万民共通の公式的な正解を導き出すのが困難であり、かつ、手さぐりで正解を求めて探している状態というのがホンネなのでしょうね。
今、チャレンジされている方、これからチャレンジされる方は、地道にコツコツと実績を積み上げ、成果が出なくても途中でめげずに頑張ってください。