こんにちは。
久しぶりの更新です。
ずっとさぼってました💧
昨日(11月23日)は「いい兄さんの日」だったそうです。
初めて聞きました(笑)
語呂合わせですよね。1123いいにいさん。
そんなわけで、ふと思いだしたのは、陳情令って兄弟愛がめっちゃ強く表現されてるドラマなんだって事。
藍氏双璧の藍曦臣と藍忘機、温氏の姉弟温情と温寧、江氏の厭離と江澄と魏嬰、極め付けは清河聶氏の聶明玦と聶懐桑。五大世家のうち四家の兄弟たちは形は違えど強い絆で結ばれています。
唯一金氏、、、ここは父親が違う兄弟が沢山いるにも関わらず仲良い兄弟ほぼ皆無。まぁ父親がアレですから仕方ないかも、、、。
唯一金子軒はまともでしたね。
ちょっと性格がひねくれてた時期ありましたが(笑)
あ、あと温氏。ここの温晁と温旭兄弟はよくわからない💧
ここはもう捨て置き、せっかくいい兄さんの日だから兄弟の話でも、、と思って短い話書いてみました。
聶兄弟考えたけど、長くなりそうだったのでやめ🤣
今回は藍曦臣と藍忘機の子どもの頃のちょっとしたエピソードです☺️
こんな兄弟良いな〜と思っていただけたら幸いです💕
「忘機!どうした?!」
曦臣はうずくまる忘機の元へ駆け寄ると、顔を覗き込んだ。
今にも泣きそうな表情をしているものの、必死に涙を堪えている様子だ。
痛みからか、小さな唇からは吐息が吐き出される。
見れば、白衣の膝の辺りに血が滲んでいる。まだ小さい忘機には、石段の一段は高かったようで踏み外した拍子に膝を打ちつけたようだ。
「忘機、見せてごらん」
曦臣はそっと裾をめくり、靴から血に染まった下衣を引き出す。膝小僧を見ると、全体が擦過傷で深い部分からは血が流れていた。
かなり痛い筈だが、忘機は堪えている。
顔を見れば、血の気が失せていた。
「こんなにすりむいて、、いたいだろう?ほら、ここにすわって足のばして」
曦臣は、忘機を石段に座らせ、下段にしゃがむと忘機の足を自分の膝に乗せる。胸元から手巾を取り出すと、広げて忘機の膝に巻きつけた。忘機は布を結んだ時に、わずかなうめき声を上げただけで、ずっと泣かずに堪えていた。
曦臣は、膝から忘機の足を下ろし、ぐるりと回って背中を向ける。
「ほらのって。おぶってあげるから」
「あ、あにうえ、、だいじょうぶです!あるけます!」
「むりだよ。そんなにすりむいてたら。ほら、はやく。家にもどってくすりをぬらないと」
「でも、、、」
「わたしは力もちだから、お前のひとりやふたりは、かるがるだよ!さあ」
忘機から見れば、子どもとはいえ自分より大きな兄の背中である。恐る恐る手を伸ばし、肩に手をかける。
曦臣はその手を前から両手で掴み、自分の胸元に引き寄せる。
背中に忘機の体温を感じて、そのままゆっくりと立ち上がる。痛くないように膝に気をつけながら手を回した。
「うん、おもいね忘機」
曦臣は微笑みながら、肩越しに忘機に顔を向ける。
「やっぱりおります、あにうえ!」
「じょうだんだよ。さあかえろう」
「おじうえにおこられますね、、」
石段を一段一段ゆっくりと上がっていく。
「どうして?わるいことをしたわけじゃないだろう?家訓にけがをしてはならないなんて書いてなかったと思うけど」
「でもでも、、」
心配なのか前に回る手に力が入る。
曦臣はもう一度微笑むと、
「だいじょうぶ。おこられる時はわたしもいっしょだよ。忘機だけおこられる事はないから安心していい」
「ありがとう、、ございます、あにうえ」
肩越しに、忘機の安堵の吐息を感じて、曦臣は胸が温かくなるのを感じていた。
「わたしはお前の兄だから。弟を守るのはあたりまえなんだよ」
まだ小さくて、うまく気持ちを伝えられない弟を守らなければならない。
それは弟が大好きだからだが、母上との約束でもあったから。
「お前はね、大事なわたしの弟なんだからね」
わずかに汗の滲む額が夕陽に照らされ光っている。
そこには誇らしい兄の顔があった。
藍曦臣八歳の秋ーーー。