摩訶不思議な運命 「ビフォア・ザ・レイン」
私の想像力や理解度に問題があるのか この作品はオムニバスでありながら、おやおや 不思議な繋がりが …。いつもながらその時系列に惑わされるのです。『三部構成の物語。登場人物の人種や年齢、それぞれ生きる背景が異なります。違う事情 , 違う視点の物語。でもそこには大いなる繋がりが有りました。逆に言えば、人の繋がりってこんなもの …。それぞれの粗筋はスルーして…キーワードは、タイトルにもある雨、それも“奇跡の雨”沢山の犠牲の上に、いずれ奇跡の雨は降るという。じゃあ暴力の雨はいつ止むの?流れた多くの血を流す奇跡の雨なんて、と思わずにはいられない。三部全てに描かれている “愛”芽生えたばかりのもの , 不安定で危ういもの ,胸の奥にずっとしまっておいたもの …ここではそれらが (結果として) 暴力によって奪われます。また写真が効果的に使われています。写し出された “戦い ,暴力 ,人の生死” が、見る者に問い掛けてくる。“流れた血と失われた命、雨の様に降り注ぐ暴力。それでも希望の雨が降るというのか …”止むのを待つ雨、降るのを待つ雨…マケドニアの荒涼とした乾いた大地に雨が降る』作品中に見たあの夜空は本物?星明かりしかない夜空の美しさと静寂に心惹かれて …。見る人を選ぶ作品かも知れません。初めて見聞きするマケドニアの歴史と現在は衝撃でした。