現在、司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」がNHKで放送されており、何かと話題になっていますが、その日露戦争でロシア軍のバルチック艦隊を打ち破った舞台、「対馬」についてお話したいと思います。
対馬
総人口は、約3万8千人。1960年には7万人程度であったが、その後現在に至るまで人口減少傾向が続いている。島民の高齢化率(65歳以上の比率)は25%を超え、全国や長崎県の平均を上回っている。
島内の地勢をみると、山林が9割近くを占め、耕作に適する平地は少ない。このため、農業には不向きな島で、米や野菜の多くは島外からの供給に頼っている。一方、四方を海に囲まれ、漁業が盛んである。とくにイカ釣り漁が有名だ。もっとも、高齢化で漁業従事者が減っていることなどから、水揚げは減少傾向にある。最近では、漁船の燃料となる油の高騰もダメージとなっている。真珠養殖も行われてきたが、このところ廃業が増えているという。林業やしいたけ栽培も盛んながら、近年はこれらも中国など海外産に押され気味だ。しかし、観光産業に至っては、地理的に朝鮮半島に近く、韓国からの観光客が増加している。10年程前までは島を訪れる韓国人はごくわずかで、1999年の来島者数は1600人程度であった。対馬と韓国を結ぶ直行の定期交通がなく、福岡を経由するなど遠回りをせざるをえなかったためである。
しかし、2000年に対馬と釜山を往復する定期路線が開かれて、状況は一変した。2002年には、早くも来島する韓国人観光客が1万人を突破した。その後も増加傾向が続き、2006年には約4万2千人に達して、対馬市の住民人口規模を初めて上回った。今では、対馬歴史民俗資料館の入館数も、外国人(その大部分が韓国人)が5割を超えるまでになっている。こうした状況を受け、島内には観光資本のホテルも開業している。
このように、非常に近い朝鮮半島とは古代から貿易が盛んであり、文化においても日本と朝鮮の影響を受けており、このようなエッセンスが観光客を惹きつける魅力になっているのではないかと考える。