再デビュー
京都新聞
京都府宇治市在住の現役医師の男性が24日にプロボクシングに再デビューする。京都大医学部の学生の時に挑んだプロ初戦は黒星に終わったが、医師となった後も再びリングに上がることを決断した。激務の救急救命の現場に身を置きながらトレーニングを欠かさず、念願の初勝利を目指している。
宇治徳州会病院(宇治市)救急総合診療科で臨床研修中の自閑(じかん)昌彦さん(29)=同市小倉町。日本ボクシングコミッション(JBC)によると、医師のプロボクサーは過去にいたが、現役選手ではいないという。
ボクシングは浪人時代に始め、京大4年の2008年にプロテストに合格。翌09年にスーパーバンタム級4回戦でデビューしたが、レフェリーストップでTKO負けを喫した。その後は医師国家試験の勉強のためプロの世界を退いた。
しかし医師になった後も夢を諦めきれず、職場の協力を得られたことから再挑戦を決意した。昨夏にテストを受け直し、9月に合格。学生の時より1階級上のフェザー級で4回戦に臨む。
職場では急病や交通事故で搬送される患者の救命治療に当たる。重篤患者も多く緊張を強いられる上、週1回の当直勤務など多忙を極めるが、毎朝晩のランニングに加え、週4~5日は仕事を終えた後にジムでサンドバッグの打ち込みやスパーリングをこなす。
両立は過酷だが、「伸び伸び練習できて楽しい。とっさの判断や対応は救急救命もボクシングも同じ」と意に介さない。足を使って攻めるアウトボクシングを得意とし、所属ジムのチーフトレーナー松井克利さん(49)は「オーソドックスだが、まじめに努力してきたことが生きる」と期待する。
「医師になって修羅場を踏んだ経験が前回と違い、自信になる」と自閑さん。24日に大阪市内である試合では「ぶざまでもいい。絶対勝ちたい」と雪辱を誓う。
ドクターになったトッキー再デビューですか。
試合は今月24日。
頑張れ。