昨年、ある勉強会で知り合った鈴木さんっておっさんがいてね。

おっさんと言っても私と同じ年なんだけど、見た目がおっさんなのよ(笑)。


彼は北海道の出身でずーーーっとそこから出たことがなかった。

最近まで、北海道にあるIT系企業で働いていたらしいけど、詳しい仕事内容を聞いてもなかなか教えてくれない。

ていうか、何を言ってるか不明瞭、と言うのが率直な感想。


その鈴木さんからある日長文のメールが届いたの。要約すると、



「晴れて会社を辞めて独立することになりました。事業は◎◎で、ぜひあなたに業務委託として働いてもらいたい」



事業内容を聞いた瞬間に「これはポシャるわ」と感じたけれど、すぐに断るのも気が引けたので(と言うほどの利害はないんだが)、2週間ほど寝かせた後に体よく断ったのね。


そもそも彼が私に声をかけてきた理由は、彼が独立して特許まで取ったその事業界隈の最大手企業で私が長年働いてきたから。

特許を取ったと聞いて、さらに「こりゃあかんわ」と感じたけれど、経験上、アイデア段階で特許を取る人って自分に酔ってるのよ。

普通の暮らしなら「どうぞお好きなだけ自分に酔ってください」で済ませるんだけど、事業を興すなら最低でもやらないといけない複数のハードルがある。

彼はそこをまるっと無視してここまできちゃったんだよね。

これはもう、残念な人としか言いようがない。


でもさ、袖振り合うも多生の縁じゃん。

だから遠回しにどれだけ危険なのかを伝えようと思って、「どう考えてもそのビジネスは、最低でもAやBなどの大手と組まないと成り立たないと思うのですが」と質問したところ、すんごい返事が返ってきたの。



「◎◎(彼がやりたい事業)についてはググってください(笑)」



もーこれだけで「あーこの人……………」ってなるよね。

そりゃあね、超えなければならない複数のハードルを見ないふりして突っ走り数百万を注ぎ込んで今に至るわけだから、質問にも答えられないし、私の言ってることは耳が痛むから無視するしかない(笑)。

おまけに、なぜか夜中にメールが届き(これまた長文)、なぜ私が専業主婦なのか、なぜ思う通りの人生を歩めてないのかなんでだと思います?って聞いてくるのよ笑い泣き笑い泣き笑い泣き



いやいや、あなたよりずっと良い暮らししてますから(夫のおかげで!)。 私が働かなくても子どもは2人とも有名私立の一貫校に行き、毎年冬と夏は海外に留学させられるだけの世帯年収ですから!



住んでる場所だって超高級住宅地の広めの戸建てだし。

そう思ったけど、返すのが面倒で放置。専業主婦って忙しいのよ、案外。

そしたら、続いてこれまた長文のメールが来る。

「僕が答えを教えるより、あなたが自分で気づいたほうが良いと思って」とかなんとか上から目線で言ってくるから(私の方が身長も世帯年収も高いのに)、「うぜー」となって無視。


結局、彼の事業は暗礁に乗り上げています。

大体ね、彼は事業アイデアが世界初で画期的だと盲信しているけど、あのアイデアは実は業界では出し尽くされてるのよ。

私がいた会社では、新卒採用時の最終選考に残った学生に宿題として企画案を出すんだけど、6.7名いたら1人はそのアイデアを出してきてた。

つまり、誰もが思い浮かぶ案なわけ。

じゃあ、なんでそれが現実化していないのか?

なぜ大手がそれを事業化しないのか?



法規制が最も重くてビジネスにならないからですよ。



少し調べたらわかることなのに、彼はそれすらやらなかった。

でも世間はそんなこと知ってるわけです。

だから、金融機関から見向きもされないし、クラファンでは永遠の0なわけ。

そもそも2回もクラファンやって、2回とも0円で未達な時点で、なぜニーズがないことに気づかないんだろうね。


年齢的にも能力的にも人柄的にも、私は定年までサラリーマンでいれば良かったのに、と思わずにいられない。


挑戦したことは讃えるけどな。