ゆき いつ以来だろう あの娘のあんな顔を見たのは。
美香 『なに見とれてんのよ。』
ゆき 『別に 自分の娘に見とれるわけないだろう。それよりなんか食べるか?』
美香 『そこのラーメン屋にしよう。』
ゆき 『わかった。』
ラーメン屋の暖簾をくぐった途端ゆきの眼鏡が曇った。
美香 だっせぇ
ゆき ポケットからハンカチを取りだし眼鏡を拭きながら早く 座れ。
美香 はい、はい。
ゆき はいは 一回でいい。
美香 相変わらず小うるさいんだから。娘に嫌われるよ。
ゆき だから出て行ったのか?
美香 まずは 注文して ここのとんこつラーメンめっちゃ美味しいんだから。
ゆき よく来るのか?
美香 お金ないから 外食はめったにしない。
ゆき いまどこに住んでるんだ?まさかさっきの緑頭と一緒なのか?
美香 まさかあの人はわたしのマネージャーだけど あれでも奥さんも子どももいるし、私なんてガキは相手になんかしないよ。
今は まゆみのとこに居候させてもらってる。
とんこつラーメンが運ばれてきて
美香 まずは食べよう。