726未来日記
第726話「土岐峠」
~俺の中での第1話~725話までのあらすじ~
「静かに暮らしたい」
そう言い残しパチスロオリンピック世界世覇大会金メダリストの栄光を捨て世間の目から逃れるように上京したレオだったが・・・その世界レベルの立ち回りはいつまでも隠し通せるモノでは無かった。
『そして今夜も1人、レオの後をつけるお客様の姿が。オーホッホッホッホッ・・・』
ド------------------------------ン!!
~「レオさん!!明日はどうするんスか?!」。閉店後、交換所から出た俺の肩を気軽に叩く山佐田の姿。またかよ。懐くなよ。始まりはモンスターハンター。隣り合わせや背中合わせで座る内に俺のワールドクラスの立ち回りに気付き、飲み物を差し入れて来た1人だった。
「スゴいっスね。ひょっとしてあのレオさん?ジュースどうぞ。オリンピアピック決勝戦!ずっと余裕でスゲーカッコ良かったです!!オレも目指してます」。
「アハハ。内心は厳しかったよ、決勝の黒ヒゲ。・・・プレッシャーに押し潰される。ジュースごち!」
それだけ。たったそれだけの触れ合いで簡単に懐いたあげく、今では毎日のように餌のありかをピーチクパーチクカボチャくれと求めてきやがる。
「イイ加減、自分で考えなよ・・・山佐田。38+なら適当に座ってもさ。モンハンだけでも5台はあんじゃん?」
「適当じゃダメなんスよ。・・・俺は勝たなきゃ。絶対勝って、オカンにタオルをプレゼントして元気になって貰わなきゃ。・・・だからライバルの多いバジやモンハンじゃなく人気薄の中から本物を」
山佐田の甘ったれた考え。オカンの首に似合うタオルをプレゼントしたい?!なおさら自分で考えろよ。しかし山佐田の要求はそれだけでは留まらない。
「ナイっすかね・・・レオさん。それこそ、どこ座っても・・・ザ・ワールド!!みたいな」(ニヤニヤ)
腐ってやがる。こいつにオリンピック無理。只のオヒキだ。静かに引き寄せるゴルフクラブ。こいつの頭にたんこぶを作って反省・・・えっ!
突如ボロボロと涙を雷雲のように流し始めた山佐田。
「ウチのオカン。もう長く無いんスよ。・・・後50年は難しいってムム先生が。だから俺、だから俺っ!!」
ドラゴーーーーン!!
俺は胸をうたれた。この親孝行者め。しょうがないな。
「どこ座っても?それはもう答えが出てるんじゃないか?・・・『山佐田』の中に」
メダリストに似つかわしくない甘さ。俺はまだまだ未熟者だ。
・・・でも、そんな甘ちゃんな俺を実は嫌いじゃなかったりもする。甘いスペシャルコードな一面を魅せる自分も気にいってたりするんだ。うん。
「飯行くぞ?!山佐田!!」
「押忍!!どこまでもついて行きまっせ!!レオ番長!!」
「こいつめっ」
「テヘケロ☆」
こうしてレオと山佐田、二人の師弟関係は芽生えた。夜の闇に肩を組んで溶ける二人の姿。優しい夜風がゆったりと吹いて二人を祝福する。この絆ポイントよ、永遠に。
オーホッホッホッホッ・・・
~ fin~
(かしこ)
第726話「土岐峠」
~俺の中での第1話~725話までのあらすじ~
「静かに暮らしたい」
そう言い残しパチスロオリンピック世界世覇大会金メダリストの栄光を捨て世間の目から逃れるように上京したレオだったが・・・その世界レベルの立ち回りはいつまでも隠し通せるモノでは無かった。
『そして今夜も1人、レオの後をつけるお客様の姿が。オーホッホッホッホッ・・・』
ド------------------------------ン!!
~「レオさん!!明日はどうするんスか?!」。閉店後、交換所から出た俺の肩を気軽に叩く山佐田の姿。またかよ。懐くなよ。始まりはモンスターハンター。隣り合わせや背中合わせで座る内に俺のワールドクラスの立ち回りに気付き、飲み物を差し入れて来た1人だった。
「スゴいっスね。ひょっとしてあのレオさん?ジュースどうぞ。オリンピアピック決勝戦!ずっと余裕でスゲーカッコ良かったです!!オレも目指してます」。
「アハハ。内心は厳しかったよ、決勝の黒ヒゲ。・・・プレッシャーに押し潰される。ジュースごち!」
それだけ。たったそれだけの触れ合いで簡単に懐いたあげく、今では毎日のように餌のありかをピーチクパーチクカボチャくれと求めてきやがる。
「イイ加減、自分で考えなよ・・・山佐田。38+なら適当に座ってもさ。モンハンだけでも5台はあんじゃん?」
「適当じゃダメなんスよ。・・・俺は勝たなきゃ。絶対勝って、オカンにタオルをプレゼントして元気になって貰わなきゃ。・・・だからライバルの多いバジやモンハンじゃなく人気薄の中から本物を」
山佐田の甘ったれた考え。オカンの首に似合うタオルをプレゼントしたい?!なおさら自分で考えろよ。しかし山佐田の要求はそれだけでは留まらない。
「ナイっすかね・・・レオさん。それこそ、どこ座っても・・・ザ・ワールド!!みたいな」(ニヤニヤ)
腐ってやがる。こいつにオリンピック無理。只のオヒキだ。静かに引き寄せるゴルフクラブ。こいつの頭にたんこぶを作って反省・・・えっ!
突如ボロボロと涙を雷雲のように流し始めた山佐田。
「ウチのオカン。もう長く無いんスよ。・・・後50年は難しいってムム先生が。だから俺、だから俺っ!!」
ドラゴーーーーン!!
俺は胸をうたれた。この親孝行者め。しょうがないな。
「どこ座っても?それはもう答えが出てるんじゃないか?・・・『山佐田』の中に」
メダリストに似つかわしくない甘さ。俺はまだまだ未熟者だ。
・・・でも、そんな甘ちゃんな俺を実は嫌いじゃなかったりもする。甘いスペシャルコードな一面を魅せる自分も気にいってたりするんだ。うん。
「飯行くぞ?!山佐田!!」
「押忍!!どこまでもついて行きまっせ!!レオ番長!!」
「こいつめっ」
「テヘケロ☆」
こうしてレオと山佐田、二人の師弟関係は芽生えた。夜の闇に肩を組んで溶ける二人の姿。優しい夜風がゆったりと吹いて二人を祝福する。この絆ポイントよ、永遠に。
オーホッホッホッホッ・・・
~ fin~
(かしこ)