静子さん、こんにちは(´;ω;`)




先生の新連載、読まれましたでしょうか(;^_^A今度はネコのミツが大暴れするお話です。ネコ社会を斬新に描ければ良いなと考えています。




それでささやかなお祝いとして…『静子さん』と『二人っきり』『割烹ロマン』でお食事をしたいのですが(/_\;)




お…めでたい男。




静子は赤ペンのお返事を読み終えると、赤ペンの作品が掲載されている雑誌を見て鼻で笑う。




連載って、赤ペンの話また第1話で第一部完になってるじゃない。赤ペンは知らないんだ、この事実を。文末に書かれた編集からのメッセージ見てないんだ。前作までは次回作にご期待下さいって、まだ編集に使う意志が見えたけど、今回は赤ペン先生の冒険はまだまだ終わらない。




他人事。まるで他人事のように、仕事を干されたのよ。終わり、あなたの冒険はもう終わったの赤ペン、うざい男。見栄を張って、いっつもロマングループのお店を指定してくるのもキザったらしいんだから、赤ペンなんて…大嫌い、でもわたしは辰郎太の元へもあの日からドリンクを買いに行っていないんだ。




自動販売機ホスト、赤ペンからそう言われて少し目が覚めた事だけは確かなんだぁ。




~オフィス街




自動販売機「辰郎太」。本日も絶賛稼働中であーる。



うまくいかない、販売機稼業。「?」ボックスを☆や十字架にして見てもまるで売れ無い飲料水。悔しかった、隣の「コカ・コーラ」が今もジョージアを手渡しながら、OLさんと世間話に花を咲かせていやがる。花を咲かせた所に営業課長がアクエリを買いに来て、それを見た社長が何だここでさぼっていたのかと笑顔で塩キャラメル珈琲を購入する。コカ・コーラの周りは今日もオフィスの皆さんに囲まれ賑やかに華やいでいた。




辰郎太は悲しくなる。




俺が夢見た光景が手の届く距離にあるのにそれは果てしなく遠い。




…静子。辰郎太は寂しく呟いた。静子。無茶な営業をかけて以来、現れなくなった昔の彼女に思いを馳せる。男は未練垂らしい生き物。分かってる、分かっているけど辰郎太は日長お客の訪れ無い自動販売機の孤独を紛らわすには過去にしがみつくしかなかった。



ひゅう。その時コカ・コーラの自動販売機が大袈裟に口笛を鳴らした。




「?」ボックスから視線を移した辰郎太はその光景に目を見開く。




そこには静子がコカ・コーラからカフェオレを手渡されていた。し、静子、俺のつぶつぶオレンジは。指名を奪われた。俺はコカ・コーラに完膚無きまでに叩きのめされようとしている。



自動販売機「辰郎太」は放心のあまり硬貨も投入されていないのに呪咀のように何度も呟いた。




「商品を選んで下さい、商品を選んで下さい、商品を」




そんな辰郎太を静子はカフェオレを飲みながら見つめる。復讐したはずだったのに、自分を弄んだ酷い男にきっぱり意思表示したはずだったのに。なのに心はロマンで締め付けられるようにきりきりと切なかった。




好きなの、わたし、やっぱり辰郎太を愛してる。わたしはあなたからドリンクを手渡されたい…でもそれじゃまたダメになるのかな。教えて下さい、赤ペン先生。。。


[赤ペン先生のお返事]


静子さん、こんにちは(^ε^)-☆Chu!
静子さんは悪い夢を見ているのです。(p>∧辰郎太さんをここで甘やかす事はお互いの未来に役立ちませんよ。我慢ですp(^^)q…それより、先生の連載がまた打ち切りの憂き目に。静子さん、先生ロマン海岸で石を投げてます。待ってます、あなたを!!


(おしまい)