『脱力・あきらめ から生まれる人生書』
五木 寛之 著
病院という場もあり、退院したい逸る心を抑えるために
この本を手にした。
五木作品としては『他力』も読んだことがあるが、彼の脱力的な思想は
現代社会を生き抜く中で大切な考え方だと思う。
彼の本は読んでいると1つの説法集のような、人生書のような。
先人でも多く語られているが
『人は大河の一滴』
という思想もステキだ。
寛容(トレランス)
免疫学でも非自己と何とか折り合って
拒絶せずに生きていこうとする活動があることが確認されているらしい。
この寛容という考え方も
今起きている戦争や国際的対立の解決するための考えとして必要な気がする。
病院にいると死を意識する場面が多々ある。
先日もロビーで泣き崩れるファミリーを見た。
死のことも生のことも時間があるから沢山考えてしまう。
「今の時代は戦争時と同じようなくらい死と隣り合わせにある時代なのかも」
と作者も語っている。
そんな時代に生きる我々に必要な考え方が幾つか詰まった本である。