仕事で、安田林業の安田社長のお話を聞く機会がありました。


安田社長のお話を聞くのは実は初めてで、テーマは労働安全でした。



印象に残っているのは、
「『林業は危険な仕事ではない』と言えなければ、林業に未来はない」という言葉。

危険だと感じるならばそれへの対策をしなければならず、対策をしていないから危険だという話になるのではないかという趣旨だったと思います。



さらに、安全対策には組織が対応する安全対策と個人が対応する安全対策があって、それぞれ分けて考えなければならないこと。

組織が対応するのは、①現場のリスクアセスメント、②安全教育、③安全装備対策 で、個人が対応するのは、①個人のリスクマネジメント②安全への意識改変(自分の身は自分で守る意識) と仰っていました。



特に個人でできるリスクマネジメントは重要で、危険を察知できる技能や、周囲にそれを伝えられるコミュニケーションの取りやすい環境を作ることが挙げられるそうです。このことは、県内の別の講師からも同じことを聞きました。

コミュニケーションの取りやすい職場環境は、人材不足に直面している今の時代では、特に大切かと思います。






安田社長、貴重なお話ありがとうございました😊







前の記事で書いた天竜の山では、林業家のみなさんとの意見交換もありました。

その時印象に残っているのは、

「このところ沢(小さな川のこと)の雨の次の日の濁りの色が変わった」

という言葉です。

 

 

以前は地面の上の方の土の色だったのが、地面の下の方の土の色になっているそうです。

 

 

「天竜に道が多く入ったという印だから、一概に悪いとはいえないけど・・・」

と遠慮がちでしたが、天竜で暮らす人の中には山の水を使っている人もいます。そうした人からすると、沢の濁りは気になってしかたないでしょう。

そうした生活に直結した感覚は、木材生産の増産を決める東京にいる役人はもちろん、静岡市の街中に住んでいる私にもわからないことです。

 

そういえば、枝打ち(節のない木を育てるために若い木の枝を切ること)をしてある木は、「薪を取るために枝打ちをした『薪枝打ち』だ」と仰っていました。

「木を倒すぞー」という近所の人からの声を聞くと、みんなが寄ってきて、枝や葉っぱを持って帰っていたということも聞いたことがあります。

 

 

昔の林業は暮らしの中に溶け込んだものでしたが、最近は、木材といえば建築材料で、遠い存在になってしまっているのも事実です。林業は「木を伐る産業」とイメージする人も多いかもしれませんが、それは正解であって正解ではない。

林業の目指す場所は、「暮らしを豊かにする産業」じゃないでしょうか。

その「豊か」が色んな意味を持つためにうまくいくこともいかないこともあるのですが・・・

 

その話はまた別の機会に。






そうは言ってもこういう太陽光パネルの設置もあったりして……



 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

先日、仕事で天竜の山に行きました。

 

5年ほど前までは、林業女子会で一緒に活動していた子が天竜の山で仕事をしていたので行く機会も多かったのですが、

彼女が天竜から離れてからはなかなか行けずにいました。

 

 

その日は、2人の天竜の林業家(自伐林家)の山を見せていただきました。

2つの年代の木が一つのエリアに一緒に立っている「複層林」と呼ばれる育て方をした山や、手入れの行き届いた、愛されている山を見せてもらい、歩いていて、とても気持ちが良かったです。

 

 


一方で、なかなか育たない木の場所も見せてもらいました。林業家の頭を悩ませているのは、シカの食害です。

シカよけのネットをしてもすぐ倒れてしまったり、他の動物が侵入して通り抜ける場所を作ってしまったり・・・

林業が持続可能な産業であるために不可欠なのは、苗を植えて育てることです。でも植える先からシカに食べられてしまうのでは、こんなに悲しいことはありません。

このことは、仕事でも情報収集しているつもりですが、いろんな業種の人たちと話してみたいです。

 

 

あー

なんかこんなに林業っぽいこと書くの久しぶりだなぁ…汗