昨晩目覚ましをかけずに寝た

自然に目を覚ませば全て夢になると思って。





西野[飛鳥?今日一限からやで?寝坊?]


仲のいい西野七瀬からのLINEで目が覚める

齋藤[ごめん、今起きた、ノート取っといて]

白石[学食のうどんで手を打とう!]

桜井[まいやん、いらない事言わない方が……]

齋藤[七瀬、よろしくね。]

桜井[ほら見ろ]

西野[了解]

白石[あーー冷たい(´;ω;`)]

若月[麻衣ちゃん、授業中!うるさいよ!]




その後もグループLINEは忙しなく動き
通知だけがどんどん溜まる


朝から元気だなぁ。

朝と言ってももう10時まわってるんだけど…。



やっとベッドから体を動かし
パジャマから着替え顔を洗う


台所に向かっても朝ごはんは用意されていない



夢じゃない。



包丁を動かしながら

「飛鳥、起きるの遅いよ」
と叱る彼女の後ろ姿はもうそこにはない



学校行きたくないな
なんて思ったところで変わらないので


鞄、携帯、財布、家の鍵
最低限必要なものだけを用意して
のそのそと家を出る



行ってきますも行ってらっしゃいもない

ただただ玄関の扉をしめるだけの行為は
久しぶりで違和感に襲われた


それでも見ないふりをして足を進める




数分歩くと人混みに巻き込まれた


歩きたい方向に歩けない。
流されるまま進んでいく




あの店のパスタ好きだったよなぁ…




なんてまだ君の事を考えてる


忘れよう忘れようと思う度
頭は君のことでいっぱいになる




自分から君の香りがするだけで
君の笑い声が聞こえてくる




なんでだよ…。

もう解放してくれてもいいじゃないか


人混みからそれ裏路地に入る


携帯を開き
彼女とのトークを見直す



橋本[ごめんね飛鳥]


齋藤[なに?朝ごはんなら気にしてないってば]


橋本[違う、もっと重要なこと]


齋藤[重要なこと?]


橋本[私はもう飛鳥の隣にいる資格はないから]


齋藤[え?なに急に…なんの冗談?]


橋本[ごめん、別れよう]


齋藤[嫌だ!なに?私何かした?]


橋本[ううん、違う、でもごめん]

橋本[飛鳥なら私よりいい人を探せるから]

橋本[ごめんね、さよなら。]




携帯にひとつ、ふたつと水滴が落ちる



彼女はもう私の元には戻らない



もう半年も前の記憶なのに
なんで消えてくれないかな


その場でしゃがみ込めば
あなたは私を迎えに来てくれるの?



齋藤[会いたいよバカ。]