É divertimento cada dia? ~Loin d'ici~ -5ページ目





5月22日付

日本経済新聞 文化欄より
木内昇さんの文章より抜粋
『その本当は本当か』

抜き身の自分で
世の中を渡るのは覚悟がいる。

なぜならその道程は
どうしたって恥ずかしいこと
情けないこと格好悪いことで
埋め尽くされてしまうからだ。

思い起こして
惚れ惚れする事柄など皆無、
『なぜああしたのか』
『なんということを
言ってしまったのか』と
浮かんでくるのは後悔ばかりで
うんざりする。

けれど存外、
その失敗にこそ
自分らしさが宿っていて、
過ぎてみれば
妙に愛おしく感じられるのは
不思議である。

もしかするとそれは、
仕事であれ恋愛であれ、
体裁も外聞もお構いなしに、
体当たりでなにかに取り組んだ
瞬間だったからかもしれない。

もちろん傷を負うこともある。
が、それものちのち
自らを成長させる糧になったりして、
長い目で見れば無駄なことなど
ひとつもないと心から思えるのだ。

(中略)

生きている限り
理想の在り方を求め、
そこへ向けて
努める甲斐があるように思う。

抜き身の自分で世と接しながら。

ほうぼうで恥をさらして、
あちこちに傷を作りながら。

...心に染みました