2015.3.6
te'
『或る選択がもたらす重層的決定は、それぞれの軌跡が交差する一点で、眩い明滅をもって磁場を焦がし、純然たる現象として後来の盟約へと昇華する。』
@渋谷CLUB QUATTRO
ドラマーtachibanaの(一時的)脱退が発表されたte’のワンマンライヴツアーが開催された。
そのファイナル、渋谷クラブクアトロ公演が、tachibanaのラストライヴとなった。
少し神妙な表情でステージに現れたように見えたメンバーだが、楽器を構えると、いつもの音圧ですぐにte’の世界が構築されていく。
2012年リリースの「ゆえに、密度の幻想は~」から、4人の生音にデジタル要素を取り入れてより広がった世界観が、言葉という手法を使わずとも確かに伝わってくる。
4人の生み出す独特のグル―ヴを支えているのは、ヘッドを叩き破らんばかりのパワーでバンドを引っ張るtachibanaと、いまやその鮮やかなフレーズワークでte’サウンドの核となったベースmatsudaのリズム隊だろう。
matsudaが加入した際のインタビューで「男臭く、硬派になった」と語っていたtachibanaの言う通り、がっちりと固められた土台の上でkonoとhiroのギターが自由自在に歌うというバランスは、ライヴを重ねてさらに磨き上げられてきている。
特にこの日はtachibanaのラストライヴということもあり、曲の合間に挟まれるドラムソロが多くフィーチャーされ、「筋肉ドラマー」とネタにされることも多いそのパワフルなリズムを堪能することができた。
手数の割にシンプルなドラムセットから生みだされる、躍動感あふれるリズムは、爽やかに聴き流されがちなインスト曲をしっかり生身のロックとして響かせる。
全身を使い、巧みな力加減で繰り出される音は、tachibanaの鼓動、息吹そのものが表現されているようだ。
単独のドラムソロタイムでは、海外に発注したという肩から下げるタイプの和太鼓を持ち、自らオーディエンスの最前に赴いて煽るというパフォーマンスを披露。
後のMCで「ギターソロみたいに前に出てみたかった(笑)」と語っていたが、その雄姿は魅力的な人柄とともに、オーディエンスの心に刻みつけられたことだろう。
リーダーkonoは「(一時脱退を受けて)te’の活動をやめて待とうかって話も出た。でも、トオルが戻ってくる場所を作っておきたいと思って、続けることにしました」と語り、hiroはtachibanaの写真がプリントされた限定Tシャツを身に付け、matsudaは身体ごとドラムセットに向け、向かい合うように弾いていた。
一時脱退の正式な理由は明言されなかったものの、「必ず帰ってくるのだ」と信じられる、バンドの絆が見えた。
そして、tachibanaが参加しているニューアルバムのレコーディング中であること、サポートには初代メンバーであり、ブンブンサテライツでの活動で知られるyokoが決定していることが発表された。
さらに、ライヴも決まっているとのこと。
te’の音楽はこれからも止むことはない。
その先に、また彼の姿が見られることを願いながら、ドラマーが変わることで生まれるであろう新たなグル―ヴが、今から楽しみだ。
