「研磨、外寒いですね」

「そうだね」

研磨の部活が終わるまで、私は図書室で勉強していた。
いつもの流れだ。

「自販機であったかい飲み物でも買う?」

「そうですね」

「雪穂は名前のわりに寒がりだよね」

数メートル先の自販機を指差して研磨が言った、もちろんオッケーだ。
今は1月。
冬休みが終わって毎朝早起きしないといけない。
朝に弱いうえ寒がりな私にはちょっと大変な時期。

「雪穂、なににする?」

「ええと、ココアにしようかなぁ...って、あ!私自分で買います!」

「いいよ別に」

がしゃん。
先に小銭を入れていた研磨がココアの缶のボタンを押す。

「ご、ごめんなさい」

「...」

「ありがとうございます?」

「どういたしまして」

ふふっと研磨が笑う。

「研磨は買わないんですか?」

「それちょっと分けてくれたらいいよ」

「甘いものすきでしたっけ」

「...うーん、そういうわけじゃ...まぁいいけど」

「? じゃあ、先にどうぞ」

「そうじゃないんだけどなぁ」

何やら不満気だけど研磨がココアを飲む。
熱いよ、と文句を言われる。

横にいた研磨が後ろに回り、ぎゅうと抱き締められる。

「ねーあったかい?」

「あ、あついくらい」

「そっか」