昼夜働き出すと当たり前だけど疲れる。
平日フルで働いて、土日は引きこもり。
そんな生活を続けてた。
何ヶ月か経ってまた体に異変が…。
引きこもる土曜日。
テレビみてたかなー。
なんせ、ぼーっとしてた。
そしたらなんか下半身に違和感。
フローリングに座布団みたいなの引いて座ってたんだけど、その座布団が血まみれだった。
生理でもきた?
先月も先々月もきたから不思議ではない。
着替えてナプキンして新しい座布団の上に座ってまた、ぼー。
10分か20分か…分からんけど、気がついたらまた血まみれ。
んー?
今回量が多いのか?
また、同じ作業を繰り返す。
座る座布団がないからバスタオルの上に座った。
結果は同じ。
これはいくらなんでも、出過ぎ。
とりあえず出血を止めたい。
土曜日でも、午前中なら病院やってるかもと探して行ってみた。
「流産かもね?」
「あ。そういう類のことしてませんから違います。」
「じゃあとりあえず検査しとくね」
なんか検査して止血剤を貰って帰った。
出血が、止まったのでもうそれでOKだった。
でも何日かしたら病院から電話がかかってきた。
平日は夜中まで家にいないから留守電。
「○○病院です。検査の結果が出ましたので、早急に来院お願いします」
いや。
結果聞くだけに病院とか正直めんどくさいし、時間ない。
と、言うことで放置。
放置しても電話がまたかかってくる。
あまりにもしつこいので、休みをもらって病院に行った。
「この前の出血の時した検査の結果、子宮頸癌の可能性が高いです。」
え…。
ガン?
「手術の日取りを決めて…」
なんか話が進んでるけど、ちょっとついていけない。
私22歳でまだ結婚もしてないんだけど…。
病気に対する知識がないって怖い。
漠然とした不安しかないから。
でも、怖いって感情より、バチがあたったって感情がでかかった。
命を大事にしなかった私への罰。
先生の説明は聞いてなかったけど終わった。
病院から出て、上司へ連絡。
上司には検査結果を聞きに行くと報告してたのでそのまま報告。
「すいません。検査の結果があまり良くなかったので、明日も休ませてもらいたいんてすが…」
「なに?ガンやったとか?(笑)」
うわー。
なんちゅータイミングで冗談ほりこんできてんねん。
笑えねー。
「あ…。そうみたいです。」
「え…。ごめん…。」
「いえいえ…」
「とりあえず、親に連絡し。ホンマごめん。」
「はい…では、お疲れさまです。」
そして親に連絡。
なんて言えば…。
電話に出たのはオカン。
電話なんて一人暮らししてから滅多にしない。
ホントなんて言えばいいやら…。
「もしもし。NAOやけど…」
「うん。どないしたん?珍しい(笑)」
「あのさ。なんかさ。ガンらしい」
「は?誰が?」
「…私」
「はぁ?なにが?」
「だからー。検査で子宮頸癌って言われたん。」
「なんでよ!」
なんでって言われても…。
しらんがな。
「とりあえず、今から家帰ってき!すぐにやで!どないかするから!」
いやいや(笑)
どないかするってなんじゃそれ。
でも、心強かった。
必死さが伝わってきて、やっぱオカンって凄いなって思った。
気持ちが落ち着いた。
実家に帰ると、オカンネットワークで色々調べたらしく、セカンドオピニオンや!と騒いでいた。
ええ病院あるって和田さんが言うとった!
和田さんって誰やねん(笑)
松本さんとこの奥さんもそこ行って治ったらしい!
松本さんも誰やねん(笑)
斎藤さんは他でも看てもらったらよかったって言うてた!
斎藤さんはなんとなくわかった(笑)
いっぱい電話しまくった結果を必死に喋りたおすオカン。
私が不安がってるやろうと、大丈夫や!を連発してくれる。
ありがたい。
ありがたいけど…やかましい(笑)
人の話を聞かん、典型的な関西のおばちゃん丸出し。
でも、そんなオカンのパワーで次の日には癌専門の病院へ行くことになった。
でっかい病院で、検査だけで1日仕事。
2週間後に、結果を聞きに行くことに。
最初の病院では子宮頸癌と告知されたけど、詳しいことはほぼ聞いてなかった。
と、言うより耳に入ってなかった。
詳しく説明してくれた。
癌になるまでにステージがある。
段階があって、最初は0期。
0期にも12345の段階があり、その中にも段階があるらしい。
私は0期の3のB。
12は正常。
3から怪しくなる。
進めば癌。
戻れば正常。
ただ進むことの方が多い。
しかもちょっと進行してるB。
年齢的にも、細胞が若い分進むと早い。
あー。
やっぱり自業自得ってことか。
命大事にしなかった私は、これから先、赤ちゃんとか望んじゃいけないって神様が言うてるんやなって思った。
一緒に聞いていたオカンが
「先生。うちの子まだ結婚もしてないし、子供もこれからなんです!どうにかなりません?」
と言い出した。
「そやねー。若いからなー。ちょっと様子みよか?月に一回検査でしばらく様子みて、進むようやったら考えよう」
毎月の検査は最初に受けたものと違った。
最初のは綿棒の細いヤツみたいなので、子宮の入り口付近の細胞を擦り取る感じで、多少の痛みと違和感ぐらいだった。
私が毎月受けたのは、先端が小さいハサミみたいになってる器具で子宮の入り口付近の細胞を切り取るものだった。
痛みも増し、違和感もかなりあった。
毎月の結果は変わらず3のB。
そんな検査を繰り返しているときに、元旦那と出会った。
はっきり言って、相手にもしてなかったし、そもそも男なんていらなかった。
どうせやりたいだけでしょ。
なにが楽しいのかわからん。
何言われても、何されても付き合う気はなかった。
でも、めげずにずっと「付き合って」って言ってきた。
どうやったら諦めるか考えた。
私の嫌なとこみせばいい。
「私、会社行きながら水商売してんねんだから他いき」
「え!そうなん?…でも、そんなん関係ない」
関係あるやろ。
「私去年、子供おろしてんねん。だからやめとき」
「え…。でも、今はちゃうんやしいい!」
意味がわからん。
「私病気持ちなんよ。だからもう諦めてくれへん?」
「え!どんな病気なん?死ぬやつちゃうやろ?」
「子宮頸癌」
「…オレも病院いくから大丈夫!」
どう大丈夫やねん。
どれも、納得させられるような返事じゃなかった。
ありえんぐらいしつこい。
断るのも疲れてた。
付き合って1ヶ月くらいしたら別れればいいや。
そんなテキトーな感じで渋々つきあうことにした。
別れるつもりで付き合った私は、ありえないくらい素だった。
今まで付き合った人には、多少なりとも気を使ったり、可愛く見せようと努力したりしてたけど、まさにありのまま。
嫌なことは嫌。
別にワガママは言わないけど、合わせない。
私の何がよくてこの人は私と一緒にいるんだろう?
凄い疑問だった。
それと同時に一切無理をしてないので、居心地は悪くはなかった。