特別な意味
友人Oさんは最近、重い心臓病で入院しました。
昼夜を問わず大勢の看護師が、Oさんの世話をしてくれました。
彼女たちが体温計を頭にかざすとき、脈をとってくれるとき、やさしく声をかけてくれるとき、背中をさすってくれるとき。
その行動のすべてが、Oさんにとって特別な意味をもっていました。
生きる力は、自分の内側から出てくるものです。
ですが、人から伝わるぬくもりは、生きる力を生み出す助けになります。
Oさんは、彼の部屋を埋めていた花や観葉植物を、病棟中に配っていました。
そうすることによって、ほかの患者たちと友だちになれることがうれしかったのです。
「私にですか?」
どの顔も、さっそくぱっと輝きました。
Oさんは、ほとんどすべての患者と仲良くなりました。
医者が午前中に医療回診を、その後、Oさんが愛の回診をしました。
Oさんの健康は、驚くほどのはやさで回復していきました。
そして、毎日のように大勢の患者の態度が変わっていくのを感じました。
ある男性は、Oさんが最初にたずねたとき、「かまわないでくれよ。死んだほうがましさ」と減らず口をたたきました。
ですが、Oさんが退院するころには、一緒に病棟を歩きまわっていました。
行動であらわすこと
言葉であらわすことは、すばらしいです。
ですが、行動であらわすことは、それ以上に大きな力をもっています。
素晴らしいリーダーたちは具体的に、一体何をしているのでしょうか。
最も多く共通していた回答は以下の通りでした:
- 良く話を聞いてくれる
- 時間をくれる
- 励ましてくれる
- チャレンジをさせてくれる
- フィードバックと批判、賞賛を伝えてくれる
- 自分のためにリスクを取ってくれる
- チャンスをくれる
- 情熱を表現している
- 自分のビジョンを体現して生きている
ただ大切なのは、こういった態度をただ取るということだけでは不十分だということです。
これはこういった素晴らしいリーダーたちに象徴された行動のリストであって、みんながみんな、チェックリストのようにこういった行動をこなすのではわけが違います。
彼らが何者で、何をしているのかということと、どのような行動を取っているのか、ということの間に歪みがないのです。
これらは同じ延長線上にあるのです。
こういったリーダーは3つの特徴でよく語られます。
- 「自分らしく」
- 「自信に満ちていて」
- 「信頼できる」
数年前、私は仏教の僧侶からこう教えられました。
「知っていても、行動しなければ知らないのと同じです」
自分らしい
多くのリーダーは「タフさ」や「威勢の良さ」といった本来の自分とは違うマスクを付け、誰よりもわかっている、という行動をすることに、重圧を感じています。
ですが、みなさんの心が脆かったとしたらどうなるでしょう?
自分が間違っていることを認めたり、先に進んでいくための最善な方法に自信が持てない場合には、どうなるでしょう?
ありのままの姿が信頼を生み、つながりを促進し、それが従業員の関与と生産を促進するのです。
自信に満ちている
真の自信とは、自分の言動の持つ本来の理由がわかっていることに由来します。
みなさんは、ご自身の言動の背景にある理由を明確にすることができるでしょうか?
みなさんの人生の大きな目的、生き方、あり方を表すような目標は何でしょうか?
言動の理由を認識し、明確にすることが最優先です。
信頼できる
信頼を築くことは非常にチャレンジングですが、同時にその分返ってくるものも多くあります。
信頼を築くプロセスを開始するには、次の4Cが肝心です。
信頼の4C:
- コミットメント/Commitment = 一貫して専念する姿勢
- ケアリング/Caring = 気にかけているということを示す
- コンシステンシー/Consistency = 想定できるような一貫した反応をする
- コンピテンス/Competence = タスクに応じた能力があることを示す