ビジネスの世界では、ときとして「いいにくいこと」を伝えなければならないシーンが存在します。
いっても伝わらないときには
「いつでもとおっしゃっていたお言葉に甘えてしまいました。出直します」
「アドバイス通りにやったつもりなのですが、間違って理解していたかもしれません」
お互いに同質性を押し付け合う関係になりやすい
最初の主語を「あなた」にしないことです。
会社というのは、ゴールやビジョンが常に共有され続け、みんなが同じ方向を向いて進んでいくもの。
であれば、対話というものは、その中で、スピードがおかしいとか、違う方向を向いているときに、はじめて生まれるべきです。
目指すべきゴールを示してから対話することです。
きちんと伝えるためには、成果が出ていないのはなぜか、チームとして責任を果たすためにどうすればいいか、といったことを言語化していく必要があります。
内容に納得できても、「言い方に傷ついた」と言われてしまうこともあります。
相手が傷ついたということは、伝える内容が「サプライズ」になっちゃっているということです。
本当の原因は「まったく予想していないことを言われた」ことにあります。
それまでの言語化が不十分で、前提知識の共有ができていなかったということ。
そうならないためには、段階を追って話し、その都度、相手の理解度をチェックしていかなければなりません。
軍隊で最もつらい訓練は、「ゴールを指定されないまま、上官が『もういいぞ』と言うまで走らされる」ものだそうです。
鍛え抜かれた軍人でさえそうなのですから、ビジネスパーソンが「いつまで」「どこまで」といったゴールがないまま走らされると、ペース配分もできずに、疲れだけが溜まっていくのでものすごくつらい。
ある日突然心が折れてしまうこともあります。
よく鬱になる人は「心が弱いから」と表現されます
ですが、そうではなく、だれであっても疲れが原因で心が折れることもあるんですよ。
核心は、「言ってることとやっていることが違う!」と責めて上司を冷や汗をかかせるのではなく、上司を頼りにしているというポジティブな感情を乗せることです。
相手が「いや、自分のいい方も悪かった。ごめんね」と逃げられる隙を残してあげれば、心にひっかかっている点が残らないでしょう。