信頼を勝ち取る
オンラインサロンで研修をしていると、言葉遣いについて、「謙虚に話せば謙虚に話すほどよい」と思っている事業家の方が多いなと感じました。
一般的なマナーブックにはそう書かれているので、そう心得ちがいされても止むを得ないのです。
ですが、プレゼンテーションや商談など、相手に何らかの決断をうながしたい場面では特に、謙虚に話せば話すほどいいかと言われると、行き違いがあります。
どうしてかと言うと、自信がないように聞こえかねないからです。
商談を円滑に運べる
たとえば、多くの事業家の方が商品や企画の説明をされる際、「きっと人気が出るのではないかと思います」「こちらはきっと効果があると思いますよ」というような話し方をされます。
自分としては、相手に過大な期待をさせてはいけないと、謙虚なつもりでいるのかもしれません。
ですが、その考えは、ほんとうの意味で相手の立場に立っているのでしょうか?
客観的に、相手の立場になって聞いてみると、「効果があると思うか。思う程度ですすめられても」と、出まかせに感じないでしょうか?
こういう場面では、はっきりといい切っていただいたほうが実直なのです。
「〜と思います」「そうなるといいなと思っています」「たぶん〜」「考えています」といわれると、この人、自信ないのかなと思って、だんだんお客様が不安になってしまいます。
商品の契約にも、売り上げにもつながっていきません。
「ですが、いい切るほど、ほかにはない約束ができません。『考えています』という口調で話してしまいます」
「いい切ってしまって、そういう結果にならなかったら、うそをついてだましたみたいで申し訳ないです」という相談を受けたこともあります。
それは言葉の引き出しが少ないから、そう思うのです。
自分の引き出しを増やしたり、自社商品のセールスポイントを掘り下げることで、言い切り口調であっても、妥当な内容で話せます。
いい切り口調でも、笑顔と笑声は忘れません。
緊張対策になる
第一印象で笑顔と笑声であいさつをし、アイスブレイクすれば、緊張感のある商談の場を和ませて、商談を円滑に運ぶことも可能です。
笑声とは、声を聴くだけで相手が笑顔でいることが想像できる声のことです。
コールセンターやコンタクトセンターのオペレーター、ニュースなどのアナウンサーやキャスターなど、声を伝える仕事において実践されています。
声の話し方やトーンで、第一印象というものは変わるので、笑声はとても大切なものです。
笑声とは、声を聴くだけで相手が笑顔でいることが想像できるような、明るくてハキハキとしたような声のことです。
同じ言葉を話すにも、話し方や声のトーンによって印象は大きく変わります。
笑声は、そんな話し方の中でも、相手が笑顔であることが伝わる声のことを指しています。
同じ書き方で「笑声(しょうせい)」という言葉もありますが、これはその文字の通り、笑い声のことです。
「笑声(えごえ)」はコールセンターやコンタクトセンターのオペレーターなど、相手の声を聴くだけでも相手が笑顔で応対していることが想像できるような声のことで、そういったコールセンター業界や、航空業界のコンタクトセンター、アナウンサー業界などでも導入されています。
また、就活生などの面接対策にも笑声はとても有効として教えられているようです。
元テレビキャスターの成田万寿美さんが、ご自身の経験から培った相手に伝える力を内容に含む「一瞬で心をつかむ笑声力(えごえりょく)」という著書を出版されたことから、この言葉は業界などで広く指導などでも使われるようになりました。
いつも言葉遣いや接し方がきちんとしていて、親切で誠意のある立ち振る舞いができている方は、自信を持って話をすることができるのです。
習慣が人を作る、というのは本当によくある話です。
たとえば、毎日お風呂に入る人が多いと思いますが、お風呂に入るのを苦痛に思う人は少ないのではないでしょうか。
「毎日お風呂に入れて偉い!」なんてことはなかなか聞かないセリフですよね。
ですがよく考えると、お風呂に入るのってものすごい重労働ですよね。
お風呂を掃除して、湯を張って、衣服を脱いで、シャンプーを使って……非常に色々な行動をしなければならないはずです。
しかしそれにもかかわらず、お風呂場に行って「さあまずは何をしようか」といちいち考えて身体を洗っているという人はいないのではないでしょうか。
お風呂に入るとき、行動することはほとんど意識されることなく、自然にお風呂で身体を洗っていることと思います。
なぜそんなことができるかというと、それは「何度もそういう行動をしていて、自分の身体に染みついているから」です。
何度も何度も繰り返している行為で、習慣化されているから、ほとんど無意識的にそういう行動をとることができるのです。
笑声とは、声を聴くだけで相手が笑顔であることが伝わることでした。
人の印象は3割が声で決まるとも言われています。
笑声を意識するだけでも、周りから明るく見えるかもしれないので、ぜひ実践してみましょう。