「初めて」は、

いつだって、

好きな人と優しく甘美な世界に堕ちて行きたい・・・

（いったい何のことだよ！）

事の始めは必ず大好きな人に関連したもの。と、決めている。

例えば、初めて本格的芝居観劇は、ニッキ主演の「イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー」だった。

幕が上がった瞬間、舞台上の冷たい空気がふわっと足元に降りてきたあの感覚、一生忘れないと思う。ニッキは顔が小さくて身体が華奢で、目がキラキラしていてとっても素敵だった。長い睫がスポットライトに照らされ影となり、横顔が際立っているのがとにかく美しくて美しくて。

更には、初めての寄席に行った日もやはり、大好きなあの人がトリを務めた浅草演芸ホール。出囃子を聴いた瞬間に全身の血がきゅーっと熱くなった高揚感もまた、とても心地のよいものだったと思い出す。

そして先日！

私は懐かしく遠い日に胸をきゅんとさせた15歳の冬をふと思い出してしまった。

（そういえば私、染五郎好きだったのよね・・・！）

当時中学3年生だった私は、「父子鷹」というドラマを見て、すっかり七代目市川染五郎にハマっていたのだった。染五郎が演じるのは勝麟太郎で後の勝海舟。若き日の海舟であるその人のキラキラしたまなざしと姿勢の良さ、雰囲気にすぅかりトキメキを感じていて毎週火曜日20時が楽しみで仕方なかった。

麟太郎の父、勝小吉役は九代目松本幸四郎。リアルお父さん。

だが、15歳の田舎の世間知らずな生意気子供には、歌舞伎にまで目を向ける余裕は持ち合わせていなかったのである。

しかし最近、小説「きのね」にどハマりしてしまい、海老蔵さんの舞台を観たい！と、思って悶々としていた最中。

奇しくも歌舞伎座では現在、テレビでも話題になっている「高麗屋三代同時襲名興行」が絶賛開催中。これはもう、行くしかないでしょ！と、いう訳で・・・・

思いついたらすぐに行動に起こす性分

歌舞伎ファン歴僅か1ヶ月。行ってきました（爆）

東銀座に降り立ってまず感じたことは・・・

やばい！楽しい・・・。まるでテーマパークだ！！！！！

歌舞伎座は日比谷線及び都営浅草線東銀座駅と直結していて、3番出口を出るとすぐに、地下二階の「木挽町広場」が目の前に出現。

こちらではおみやげ物やお弁当を購入したり、軽食を採ったりすることが可能で、ターリーズコーヒーとミニセブンイレブンも入店している。お弁当は今回、高麗屋襲名記念の限定モノが人気らしい。しかし私は白飯食べない生活を既に5年も続けているので、残念ながら弁当類は食べられない・・・

向かい側にあった店で、毎日焼いているというやきたてパンを昼食用として2個購入。クリームパンとほうじ茶あんぱんをチョイスして、エスカレーターを登ると現れるのは歌舞伎稲荷神社。

以前の歌舞伎座では入場券がないと（観劇した人でないと）参拝することができなかったそうだが、現在は3番出口直結エスカレーター入口すぐに鎮座している。

本当は夜の部を観たかったのだが、思い立って入手するものだから、プレイガイド及び松竹のサイトでは当然のことながら売り切れ。やっとのことでリセール流れした昼の部3階A席が取れた。

入場前に「イヤホンガイド」を借りる。保証金千円+レンタル料700円で、演劇の解説をしてくれる端末を貸し出してくれる制度。これは本当にありがたかった。

歌舞伎の演目というのはダイジェスト版の集合体のようなものである。本来そのお話を語るには舞台にすると何時間もかかるところを、主要部分だけ選んで1時間～2時間程度に収めて演じるというのが常。

故に、イヤホンガイドがあるのと無いのでは楽しさがまるで違う。

歌舞伎稲荷にもお参りしたし、イヤホンガイド借りたし、昼飯も用意したのでいざ観劇！

舞台はカラフルで、その鮮やかさ、衣装の豪華さを観ているだけでもふわっとした楽しい居感覚に包まれる。お目当ての染五郎改め新幸四郎も、海老様も、ニッキに負けないくらい私の中で素適度が急上昇！

あぁ、仕事の予定後回ししてでも来て、本当に良かったーーーー！！！！

と、大声で叫びたいくらい楽しかった。

（本当はその日、業務上の都合で裁判所へ行くはずだったwwww）

しかしながら！楽しいことは楽しいだけで終わらないというのが私の人生（笑）

2幕目が終わって30分の休憩中、名物の「めでたい焼き」を購入しようと張り切って売り場に行ったところ・・・運の良いことに売り切れ大行列必須と予備知識を入れていたのに、並んでいるのは5人程度で今なら焼きたてを食べられるという。

なんてラッキーなんだ！と、並びかけたところ目に飛び込んできたワードは

紅白餅入り

なんだって？！？！

私は餅が大っ嫌いなんだよーーー。なんてこったい！ショック。

食えないものは食えない。あんこは大好きだけど潔く諦めた。

気を取り直して、買ってきたパンを食べる。クリームパン。美味しゅうございます。しっとり甘さ控えめ。隈取のワンポイントはホワイトチョコ。

さぁ、次はほうじ茶あんぱんだ。「パンはちぎって食べましょう」と、小学1年生のときに教わった言いつけを守ること32年（笑）何も考えずよく見ず、一口分をちぎって口に放り込んだ。

え？！？！？！

なんじゃこりゃ！！！！！！！

餅入ってる（ー＿ー）

餅入りとは書いてなかった。でも、思い起こせば「もちのような」だったか「モチ風」って、書いてあった気がする。モチの様なモチ風ではなく、私にとっては立派なモチだ。すっかり「モチモチしたパン」と、間違ってしまったぜ！！！

あーーーー、コーフンして朝飯食べてこなかったものだから、クリームパン1個では物足りない。でも、周囲を見渡しても売ってるものは大福とか、私が食えないものばっかり。

食欲が満たされないと、どんどん気になるあのことが。

（夜の部がどうしても、観たい。）

ちょっと悩んで、そして決めた。

昼の部終わったら幕見席の列に並ぼう！！！！

まる1日観劇（笑）

幕見席という、見たい演目だけ見られるという「当日券」があるということは事前に調べて知っていたが、並んでまで観る自信がなかったので幕見席購入という選択肢は無かったけど・・・

こうなっやたもーいいや！1日歌舞伎座に居座ってやる！！！

昼の部が終わって出口の扉が開いた瞬間、ダッシュで外へ（笑）

夜の部1幕目の販売入場は既に始まっていた時間で、高麗屋の半纏を着た係のお兄様が

「今なら熊谷陣屋も座って観られますよ」

と、進めてくれた。

しかしながら、2幕目からの購入順が2番だし、昼の部の余韻にも浸りたかったので2幕目から観る事にする。トイレにも行きたかったし腹も減ってたし！

幕見席にいる係の方は実に親切丁寧である。並んだ瞬間、何人なのか、どの演目を見たいのか、座れるか座れないか、どのくらい待たなくてはならないかまできちんと説明してくれる。

トイレで離席する際のことまで教えてくれた。初心者だと伝えたら尚更優しい。故に、「案ずるより産むが易し」の精神で、見ようと決めたら先ず並び、係員の説明に沿って、どれを観るか決めるのもいいな。というのが超初心者の感想。

夜の部2幕目3幕目の幕見席も無事に購入して、あとは集合時間に４階に遅れずに行けばいいだけ。１時間近く合ったので木挽町広場でうどんを食べる。

「モチ、入ってないですよね・・・？」

恐る恐る一応聞いてみたら入ってないというお返事（笑）

待つこと速攻２分程度で念願のお食事、うどんが来たーーーー！！！お腹空いたいただきます。おいしそー。

一口食べる。うん。おいしい。江戸風のビリッと濃い目の醤油が利いたお味。美味しい・・・

うどんの傍らに小鉢がついている。

ん？？？？おや？？？？？

？！

モチはうどんに入ってないけど、デザートに「きなこもち」が付いてる！！！！！！

歌舞伎座グルメ、モチ出現率高し（苦笑）

夜の部襲名口上。新染五郎はウワサ以上に美少年だった・・・。将来が楽しみ。きっと、美しく成長するであろう。

新・幸四郎さんも海老蔵さんも、とっても素敵で大満足。また歌舞伎座に行きたい。と、まるで、

さっき抱かれて別れたばかりなのに

あなたにもう会いたくて仕方ない･･･

状態wwwwww

でも、モチがなぁ。次回は他所から食品モチ込もう。

それではオチが付いたところで今日はこれまで！