私のおじいちゃんは、戦争の話をしてくれる。
おじいちゃんとの時間はとても楽しい時間だった。
携帯が普及して、私も携帯を持ちおじいちゃんに電話だよと渡すと。
一瞬にして優しいおじいちゃんの姿が変わった。
敬礼し、手を挙げ、こちら何班、衛生兵浦山です。
凍りついた。
おじいちゃんごめん。無線じゃなく電話。
ごめん。
間があった。
ふーっと一息
戦争が終わっても、まだ戦争が続いているんだと思った。
おじいちゃんの世界はどんななんだろう。
おじいちゃんに、戦争の話を聞きたいと、ねぇねえとおじいちゃんの膝の中で話を聞いた。
おじいちゃんの心は痛かったのかもしれない。
その時の事を思い出さなければいけない。
今、すまなかったと思う。でも、その時の話は、学校の授業より何倍も興味のある内容だった。
おじいちゃんは亡くなった。
なくなる前に、病院へお見舞いに行った時、私、マッサージ師になる。
意識の混濁があるおじいちゃんに、腰を痛めた人や、体に不調のある人のために私はマッサージ師なるんだよ。
聴こえているのか、わからない。
後日、病院へ
看護師さんが言う。
おじいちゃんが、俺の孫が医者になるって、すごく喜んでいた。と
聴こえてたんだ。
私、マッサージ師なんだけど。
おじいちゃんの一生はもうすぐ終わる。
優しい嘘をついた。
おじいちゃん、頑張るから見ててね。