看護師人生40年





子どもの高校受験。

 反抗期の真っ只中で、

気持ちも行動も落ち着かない時期だった。 中学時代にはいろいろなことがあり、進路の話もなかなか前に進まない。 そんな中、

担任の“熱血先生が根気強く向き合ってくださり、 ようやく「私立高校を受験してみよう」という方向が見えてきた。








勉強が得意なわけではないけれど、

元気だけは取り柄。 学校には通っていたし、呼び出されることも多かったが、 今となってはそれも懐かしい思い出になっている。








受験当日。 

片道車で2時間かかる高校へ、

「自転車で行く!」と言い出した。 

2月の寒い朝。言い出したら聞かない性格なのはわかっていたが、 まさか本当に出発するとは思わなかった。








おばあさんにカイロをたくさん貼ってもらい、 防寒して自転車で出発。 私は心配で車で伴走した。 車では気づかない道路のアップダウン、 暗いトンネル、狭い道、大型トラック。 決して安全とは言えない道のりだった。









追い越しては待ち、待っては追い越し、 どこまで頑張るのか、まるで子どもとの根比べのようだった。 2時間ほど走り、駅で休憩。 電車に乗るのか、車に乗るのか。 「自分で行く」と言うので、

その場を離れた。 

しばらくして電話があり、「乗せていってほしい」と。 素直じゃないけれど、そこがまた愛おしい。










車中は無言。 

カイロを貼っていたのに汗をかいて暑そうだった。 お腹がすくだろうと持ってきたおにぎりをそっと置くと、 黙って食べていた。








無事に試験には間に合い、受験を終えた。 ここまで来て受けなかったらどうしよう、 そんな不安もあったが、無事に終わってほっとした。








帰りも無言。 

でも、素直に車に乗っているだけで十分だった。








駅に置いた自転車は、後日おじさんが軽トラで回収。 子どもはおばあさんやおじさんには何事もなかったように話していた。 無事に行って帰ってきたのだから、それでいい。











結局

私立高校には合格したものの、半年で退学した。

 寮生活、部活、半年間の高校生活。 子どもにとってはきっと大切な経験だったのだろう。

 そして、私にとっても、なかなか味わえない貴重な経験だった。









とは、

子どもがいろいろな経験をさせてくれて、 そのたびに親として育てられていくのだと思う。







 反抗期は手がつけられないけれど、 

それは子どもが大人になるための葛藤なのかもしれない。






そっと見守れる親でありたい。 

親も揺れながら、それでも一緒に成長していくのだと思う。