Haruka Kanata

Haruka Kanata

人との出会い、別れの中で感じた 心の中の気持ち

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                     雪わりそう

覚えてるかな?


電話越しに「なごり雪を歌って」って強要したことを


何度断っても  あきらめてくれなくて


仕方なく  照れながら 歌ったんだ


「もっと感情を込めて」「もっと大きな声で」なんて


キミは好きなことばっかり 言ってくれたけど


笑っちゃって 途中で歌えなくなってしまったんだ



もしもう一度  キミにお願いされたら


今度は  絶対上手く歌える自信があるんだ


あれから随分 練習したよ


今じゃ僕の十八番になってるくらいさ



でも キミ以外の人の前じゃ 歌わないよ


だって  この歌と口ずさむと


なぜだか 泣いてしまうんだ


かっこ悪いだろ?



だけど 僕は一人で歌うよ


いつか キミの耳に届くまでの おまじないだから










               机



当たり前だと思ってた


毎日同じ部屋で 共に過ごす奇跡を


山頂の校舎から見える


息を飲むほどの夕焼けを



私の魂を半分持ったまま


あなたは行ってしまった


私は今もひとり


あの頃の少女のまま







                          携帯

携帯の 着信の音すら 忘れてしまった


それでも 折に触れて 見ずにはいられない



変わらない画面を見ながら  一人で考える


全てはこれで  よかったのだろうかと・・・

羽根と十字架

ハートのピアスが  ベッドの隅に


落ちてたよ ひとつだけ


寂しさに負けて 僕が選んだ


「サヨナラ」の


悲しい 忘れ物

haruka1

「もしもし?」


「寝てたの?」


「ううん。どうしたの。眠れないの?」


「そうなの。何かお話をして」


「そうだなあ・・・。昔、ある国の王子様がね・・・」



夜毎の御伽噺


白ワインとアイスキューブ


やりかけのジグソーパズル


半分だけ観たレンタルヴィデオの映画





君は今


誰の御伽噺を


聞いているんだろう


羽根

街灯もない 真っ暗な街の中を

僕は一人で彷徨っていたんだ


突然 君が舞い降りてきて

光のある場所へ連れて行ってあげる と言ったね

それはとても遠いような気がしたけれど

君の背中の翼があまりにも綺麗で

僕は君の手を握り締めて

絶対に離さないと誓ったんだ


君とつないだ手は

ひんやりとしていたけど とても力強くて

まるで 僕の魂の全てが

繋いだ手の平の間に集まってるように感じた


あれから 長い長い旅だったね

いくつ目かの曲がり角で

僕は君に聞いたね?

この道で合っているのかい?と

君は傷つき 怒り 嘆いたけれども

それでも 繋がった手はほどかれることはなく

僕たちは いつまでも一緒だと誓い合った

光に照らされた場所に着いても

ずっと ずっと 一緒に居ようと


突然に現れた君は

今度は少しずつ 消えていったね

繋いだ手がほどかれていたことにも

気付かないほどの 時間をかけて


手をほどいたのは 君だったのかい?

それとも それは僕だったのかな


それすらもわからないほど

僕は疲れてしまったんだね


君の背中からそっと引き抜いた 背中の羽根は

光の中で見ても 白く輝くのだろうか

僕は少し 怖いんだ

それでも 棄てることができないのは

僕の弱さなんだろうか


君がいなくなっても

二度と君に逢えなくても

この先の道がわからなくても


僕はひたすら歩いていくよ

僕の背中に翼はないから

この二本の脚で またいつか 倒れるまで


一人でも目指すよ

光の当たる場所を


例えそこに 君がいないと 

わかっていても

知っていたよ

君が嘘をついていたこと

本当のことなど

ひとつもなかったことも


信じていたかったんだ

いつか

本当のことに なるような気がして


君もきっと

知ってしまったんだね

僕が

君の嘘を赦していたことを


君は消えてしまった


僕はもう 待たない


果たされなかった

たくさんの約束を棄てて


僕は別の道を行くよ


僕だけの道を行くよ