自己肯定感が高い低いと、最近はよく聞くようになりました。
小さい頃幸せな家庭で育って、沢山愛された子は自己肯定感が高く、親から自立した後も人生がうまくいくと聞きます。そしてよくアドバイスで、「自己肯定感を高めよう」という言葉も聞きます。
私も自己肯定感が低く、高めたら上手くいく!と思っていたのですが、じゃあ自己肯定感ってどうやって高めるの?って思いますよね。
自分で自分を認めるとか褒めるって聞きますが、何だか私にとってはそういう行為と自己肯定感ってあまり直結していない気がしました。
その部分に関して、ずっとモヤモヤしていたのですが、最近岡田尊司さんの著書「死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威」を読んでいて、そのモヤモヤの正体が分かった気がしました。以下、抜粋です。
「自己肯定感を持ちなさい、などと、いい年になった人たちに臆面もなく言う専門家がいる。が、それは、育ち盛りのときに栄養が足らずに大きくなれなかった人に、背を伸ばしなさいと言っているようなものだ。自己肯定感は、これまでの人生の結果であり、原因ではない。それを高めなさいなどと簡単に言うのは、本当に苦しんだことなどない人が、口先の理屈で言う言葉に思える。」
自己肯定感は原因ではなく、人生の結果というところを見て、なるほど、とモヤモヤの正体が分かりました。
自己肯定感というのは、これまでの人生で親や周囲の人から褒められたり、認められたり、沢山愛された人に、結果として育まれたものであり、そもそも自己肯定感が育まれる環境にいなかった人に自己肯定感を持てと言ったところで、そんなものは知らないのにどうやって?と違和感を感じますよね。
続けて、その著書では、
「(中略)そんな彼らに言うべきことがあるとしたら、『あなたが自己肯定感を持てないのも、無理はない。それは当然なことで、あなたが悪いのではない。そんな中で、あなたはよく生きてきた。自分を肯定できている方だ』と、その人のことをありのままに肯定することではないのか。
自己肯定感という言葉自体が、その人を否定するために使われているのだとしたら、そんな言葉はいらない。
自分のことを何よりも大切にしてくれる存在を持てないことほど、悲しい事はない。大人であっても、それは悲しいことだ。だが、幼いときに、子どものときに、そんな思いを味わったら、その思いをぬぐい去ることは容易ではない。」
岡田尊司さんの著書は、読んでいると、なぜだか自分自身の存在が受け入れられている気になれます。
またとても有名ですが、スーザン・フォワードさんやダン・ニューハースさんの本も沢山の気づきがある名著でした。
特にスーザン・フォワードさんの「毒になる親」はとても有名な本だと思うのですが、何よりも書かれたのが1989年ということに驚きました。
内容はまったく古い感じではなく、現代の話しかのように読めるのですが、親子関係ってもうずっと前から続く根深い問題なんですね。
もし親子関係で悩んでいる人がいるなら、上記3名の著書を読んでほしいなと思います。本を読んで、その内容を知るということは、自分の知識になり、いずれ自分の身を守るものの1つになってくれるのではないかと思います。
自己肯定感を持てるようになるにはどうしたら良いのか、そこははっきりとはまだ分かりませんが、少なくともそれが「原因」ではなく、「結果」であると知る事ができただけでも私の財産になりました。