石動葉流のブログ

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小説を随時UPさせていただきます。
どこかで誰かが楽しみにしてくれるとうれしいです。

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「あ、覚えててくれた?頑張ってるね、結衣ちゃん」

結衣にとっては新鮮だった。ここしばらく下の名前で、ましてやちゃん付けで呼ばれるなど全くと言っていいほど無い。特にここ二・三日は岡田に『本田!』と怒鳴られてばかり。しばし感動に打ち震える。

「誰が休んでいいと言った?あと四本」

岡田は容赦ない。岡田に見えないように結衣が舌を出す。向井はそんな二人のやり取りをおかしそうに眺めながら「オーバーワークになってない?お前の感覚で訓練したら、結衣ちゃんがかわいそうだよ」

文句を言いながらもロープを上る結衣を見上げながら、向井が岡田に視線をやる。岡田は結衣を厳しい目で見ながら「ついて来れなければ辞めてもらうだけだ。甘やかす気はない」

「だ・か・らっ!辞めませんって!」

しっかり聞き取っていた結衣が上から反論する。意地になってペースを上げる。それをまた向井が面白がる。