皆さんは高専と聞くと何をイメージしますか?

理系・工業高校っぽいと感じる方や、人気アニメ「呪術廻戦」を連想する方がいるかと思います。実際に理系科目がほとんどであることに加え、実験や実習もたくさん行うので、工業高校と似ている部分もあります。しかし、生活面や進路面などで違った部分が存在します。

その点も含めて下記にて詳しく解説していきます!

 

高専について

高専の正式名称は「高等専門学校」。全国に国公私立合わせて57校あります。各都道府県に少なくとも1校はある、といった感じです。技術者の育成を目的としており、おもに工業系の分野に特化しています。

また、一般的な高校と違って高専は5年制です。この5年間を通して専門の勉強ができるところが高専生の強みです。低学年のうちは一般科目が多いですが、学年が上がるにつれて専門科目の割合が増えていきます。徐々に難易度も上がり、より密度が高い技術や知識を身に着けていきます。卒業すれば、短大・専門卒(準学士)の称号が得られます。

学科はおもに機械、電気、情報、化学、建築系の学科です。数は少ないですが船舶について学べる高専もあります。最近創設された、「神山まるごと高専」では起業家の養成を行うなど、高専の学科は多種多様になりつつあります。

 

高専は一言でいうと「自由」

高専は非常に自由な学校です。

服装に関しては基本的に自由です。一応低学年で式典等の公な場で着用する制服の代わりの標準服がありますが、普段は私服登校が可能です。(普段の着用可)

髪色・髪型もインターンや就活以外では自由です。茶髪・金髪はもちろん、青・ピンク・赤など、かなりバリエーションが豊富です。長期休暇明けに髪を染めてきて別人状態になっている子もいます。

他にもピアス・メイク・ネイル等、基本的に何でもokです。

スマホやタブレット、パソコンの持ち込みも可能です。授業中にスマホをいじったりゲームをしたりしている学生もいます。しかし、ほどほどにしておかなければ授業についていけなくなったり、成績の危機に瀕していることも。

またアルバイトも許可されています。私の周りでは飲食店やアパレルで働く子が多数です。とはいってもレポートや課題等でバイトの時間が限られているため、シフトを入れる際には注意が必要です。

 

高専ならではの特殊な授業内容

先程にもいったように高専の授業は一般科目と専門科目で構成されており、学年が上がるにつれて専門科目の割合が増えていく形になります。

一般科目は理数系が多めです。数学だけでも数1,数2、数3、線形代数、応用数学、統計学などと、とにかく多いです。数学に加え物理も5年まで付きまといます。それに加え、理由はわかりませんが高専の先生は癖が強めな先生が多いので、授業の内容が分かりにくいことも珍しくありません。

専門科目に関しては、余裕で単位が取れるものから簡単なものからクラスの半数ほどが単位を落とす難しいものがあります。要するに難易度の幅が広いです。一般科目と同様に癖が強い先生が多く、難易度が高い科目に関しては普段からそれなりに復習をすることで単位取得が確実になります。

 

高専生の成績事情

高専の試験での赤点は60点です。科目数に加えて難易度がそれなりに高く、普段から勉強をしておくのがマストです。(とはいっても前日一夜漬けで勉強する学生も多数)大学進学を目指すのであれば普段から勉強することをお勧めします。

また科目によっては課題やレポートが多い科目もあります。実験や実習の授業ではレポート課題が毎週出されるため、怠ってしまうとなかなか大変なことになります。各学校や学科には寄りますが、私の通っていた高専はレポートを手書きで提出しなければいけないので、割とつらかったです。腱鞘炎になることもしばしばありました(笑)

最終的な成績が60点以上でその科目を履修したことになります。もし60点を下回れば次の年度に再評価を受けて再履修しなければいけません。

大概の科目は試験の点数に加えて提出物の点数が加算されます。この提出物の点数も配点が大きいです。

1~3年生は三科目、4,5年生は5科目以上を落としてしまうと進級ができません。また、総合成績で30点以上の科目が1科目以上あれば即進級不可となります。つまり留年です。高専ではほかの学校と比べて留年率が高いので気を付けなければいけません。

 

卒業後の進路

基本的に、卒業後は就職か大学編入の二択となります。

就職先としては大手企業が大多数になります。ここで「なんで短大卒扱いなのに大手に就職できるの?」と思った方がいると思います。その理由として、高専生は実験や実習、レポート課題を多くこなしており、企業の即戦力になるからです。どの学科でも大手に就職することができます。また、初任給は違えど2年ほどで大卒と同じほどの給料がもらえます。また公務員就職も可能です。

といっても大学編入をする学生も少なくありません。編入先としては有名大学が多数です。通常は編入試験を通しての入学となりますが成績優秀者であれば推薦で大学に行くことも可能です。比較的偏差値の高い高専だと、ほとんどの学生が大学編入する、といったケースもあります。まだ学生の期間を満喫したい、入りたい研究室があるといった理由で編入する人が多いのだとか。

 

実はリーズナブルな学校!

あまり知られていませんが、高専は比較的学費が安くお財布にやさしい学校です。私立大学と比べると約1/4、国立大学と比べても安いです。高校の学費込みで計算するとさらに安くなります。また5年間を通して大学と同程度、もしくはそれ以上の実用的な専門科目を学ぶため、簡潔に言うとコスパがいいです。

また塾に通う必要もないので、さらに費用が浮きます。

 

これで高専の実態はある程度掴めたかと思います。

この記事を通して高専に興味を持っていただけたら幸いです!