頻脈・徐脈


安静時の心拍数


100回以上/min・・・・・・・頻脈

50~70回/min・・・・・・正常範囲

30~40回/min・・・・・・徐脈。不整脈のひとつ








<頻脈>





1)上室性頻脈




①洞性頻脈

不足を補うために心臓を早く動かす必要性が生じたとき、また心拍亢進性の疾患において生じる。

例)甲状腺機能亢進症、発熱、脱水、不安、褐色細胞腫、敗血症、貧血、ショック、心不全、慢性肺疾患、低酸素など




②心房細動、心房粗動




2)心室性頻脈 →危険な場合あり。要注意



①心室細動、心室頻拍






<徐脈>

脳に必要な血液量が不足→めまい、失神、ふらつき。

記憶力低下、ボケに似た症状がでる場合もある。




①洞機能不全症候群

洞結節の異常


②房室ブロック

刺激伝道系の障害


③薬物性

抗不整脈薬、抗うつ薬、降圧薬、狭心症治療薬など


④一過性の副交感Nの興奮

高カリウム血症

血清K濃度5.5mEq/L≦

細胞膜の脱分極↑

膜透過性↑


<病因>

K摂取過剰に発症はまれ

主因はK排泄の減少または細胞内Kの血中漏出


慢性・急性腎不全

低アルドステロン症

アジソン病(副腎皮質機能↓症)

横紋筋壊死


<症状>

不整脈

全身倦怠感

意識障害

消化管障害

悪心、嘔吐、イレウス)

筋力低下


<治療>

・アルドステロン欠乏症→全身性ステロイド(コートリルなど)

・慢性高K血症→大量のイオン交換樹脂(カリメートなど)


基本は食事療法。生での摂取は避けること。





低カリウム血症

血清K濃度3mEq/L≧

過分極↑による興奮性の減少、筋力低下、神経麻痺


<病因>

K欠乏由来が多い。

アルドステロン症

利尿薬、ステロイド剤(鉱質コルチコイド)の併用

嘔吐・下痢による体外流出


※K分布異常によるもの

アルカローシス

インスリン注射


<症状>

軽度~中程度

骨格筋弛緩による症状

筋力低下

全身倦怠感

平滑筋弛緩による症状

食欲不振、悪心、嘔吐

腹部膨慢感、腸閉塞

心血管症状

不整脈


○腎での症状

多尿、糖尿。ADH(バゾプレッシン)感受性の低下による。


○代謝における症状

ジギタリス中毒の誘発


重度

○精神症状

精神障害、意識障害


<治療>

・K剤(KCl、アスパラK)

・アルドステロン↑の場合は抗アルドステロン作用のあるK保持性スピロノラクトン


食事療法も重要。野菜・果物をできるだけ生で食べる。

リチウム中毒

早期発見し中止(減量)すれば重症化を回避できる。

治療域と中毒域が近く、長期服用により中毒症状が出やすい。

リチウムはNaやK等の体内の電解質に作用し、神経細胞間の興奮伝導に影響を及ぼす。


<症状>


軽症


①胃腸症状

  食欲不振、悪心、嘔吐、下痢

②精神症状

  無気力、記銘力障害、振戦、脱力


重症


白血球↑、徐脈、低血圧、甲状腺腫(機能亢進症は伴わない)

運動失調、けいれん、錯乱、昏睡

死に至ることもある


 
<薬物治療>

  1. 活性炭の投与
  2. 腎機能が正常ならば、生理食塩+5%ブドウ糖を補給して尿量を保持
  3. リチウム排泄を促進させる薬物の投与→アミノフィリン、マンニトール、重曹、アセタゾラミド  
  4. 血液からのリチウム除去として透析

セロトニン症候群

抗うつ薬の投与中に発症する副作用
脳内のセロトニン活性↑で発症

①神経筋症状
  ミオクローヌス、眼振、振せん、末梢筋強剛、反射亢進

②自律神経症状
  高血圧、低血圧、頻脈、発汗、散瞳、腸雑音、下痢

③精神症状
  不安・焦燥感(アカシジア)落ち着きのなさ、錯乱、せん妄、軽い躁状態

④高熱
    筋肉の過度の緊張による。
重篤な患者にみられる

    ただし、他の原因(感染、代謝疾患、離脱症状など)が否定されること



  悪性症候群との鑑別

<原因薬剤>

セロトニン症候群=抗うつ薬   →運動亢進

悪性症候群=抗精神病薬    →運動抑制



<共通症状>

自律神経症状(頻脈、発汗、血圧変動) 高熱




<特異的症状>

セロトニン症候群:精神症状(不安・焦燥(アカシジア)・興奮)、ミオクローヌス
悪性症候群=錐体外路症状 、昏睡・意識障害

☆錐体外路症状はいずれも発現するが、悪性症候群はほぼ必発。




注)ミオクローヌス

突然生ずる筋肉のビクッとした収縮。


悪性症候群

クロルプロマジン投与中に見られる、錐体外路症状を主とした重大な副作用

「悪性」=放置すると時に死に至る

精神発達遅滞、慢性アルコ-ル症、脳器質疾患などの中枢神経系の脆弱な症例に発症しやすい


<症状>

①前駆症状


錐体外路症状筋固縮、無動、振せん)、発汗・頻脈、言語・嚥下障害、体温上昇


②症状進行


高熱、意識障害、急速な脱水症状、栄養障害、呼吸障害、循環虚脱

死に至ることもある