ORIGINAL*小説
Amebaでブログを始めよう!

二話   一目惚れ

 昨日、新しく友達ができた。

恥ずかしがり屋で、絵が大好きなモデル体系の篠部瑛汰。

自分としては、こんな友達ができるとは思ってなかったからちょとうれしいかもしれない。

やっぱり、高校の生活に期待する価値はあったのかもしれない。

私はもっともっと、楽しいことが起こってほしいと願った。


ピピピピピピピピピピピピ・・・・・・・・・・・・カシャッ


入学式翌日。今日から普通に学校が始まる。

といっても、まだ二日目だから、午前帰り。しかも、初日にやることなんて知れている。

私は、眠い目をこすり、母たちがいるリビングに降りて朝食を食べた。

母は、夜仕事をしていて普段昼間は家にいる。いわゆる水商売だ。

父の仕事は、いろんなところへ遠出したり、色々だから家にいるときは少ない。

だから、普段兄弟のいない私は夜は一人で食べている。料理が不得意だから、

コンビニ弁当とか、ゆでるだけで良いスパゲッティーとか・・・。

不健康なのは分かってるけど、やっぱり自分から料理する気もおきない。

「いってきます」


 いつもとちがう通学路。電車に乗って、バスに乗って・・・。学校に着く。

やっぱり、高校生って感じがする。

「おはよう藍沢!!」

後ろから、篠部くんが声をかけてきた。

私もおはようと明るい顔で返す。前に同じ学校だった子は、私のその様子をみて

口をあけていた。

私は、中学校の頃はもっと暗かったからね。

みんなにはかわいいとか、美人とかいわれてたけど・・・そんなことどうでもよかった。


二人で昇降口に向かっていると

「未那ぁ~~!!おっはよぉ~~☆」

輝だ。

毎朝私を見つけるとこんな感じに挨拶をする。でも、友達なのに挨拶されないよりかは

ずっといい。輝は篠部くんを見てから、わたしにコソッと問いかけた。

「み・・・未那・・・?だれ?このかっこいい子・・・。

すっごいモデルじゃん!?なんか見たことありそうな感じぃ・・・・。なんで未那が一緒にいんの?」

「昨日友達になったの。夕方までいたら篠部くんがいてね・・・。そしたら私の存在に気づいて

話してたら友達になっちゃった」

ニコッと微笑みながらいうと、輝はふ~んというような、ニヤニヤした表情を見せた。

「篠部くんっていうんだぁ!!ウチ輝っていうの!!

 未那がともだちなら、私も友達ってことでよろしくね!」

篠部くんはまた、昨日みたいに笑ってよろしくと言った。

『あれ?胸がきりきりする・・・。なんだろう』

輝が篠部くんと話すのを見て胸が痛んだ。

でもそのときは何も気にせず、教室に入る。


「今日は新入テストをするぞーー」

教室に入ってきた先生が前に立つなりそういった。

生徒たちから不満の声が漏れる。今騒いでも何も変わらないのに。

『話に聞いてたとおりだなぁ・・・:』


キーンコーン・・・・・・・・・・・・・・・・

「未那ぁーー!!今日のテストびっくりしたよ!全然できなかった!

 あーあ!私も未那みたいな頭がほしいよ~~1それなら勉強なんてしなくてもスイスイとけちゃうのに」

気楽そうな声だった

「別に、私はそんなに頭よくないよ。偏差値下げたからトップで受かったんだよ。

 それに勉強しないで頭良い人なんているわけないでしょ。私だってそれなりにやってるよ」

「あっ・・・・ごめん・・・・・・・・・・・・そうだ・・ね・・・」

強く言い過ぎたか?

でも、輝は、昔からそうだった。何か言うとすぐに下を向く。弱い子なんだ。

だけど、教室から出て帰ってく篠部くんを見て輝は顔を赤くしてホンワカ笑う。

「私、篠部くん好きになっちゃった。」


胸がキリキリした

1話   一人目の

 3月15日   第一中学校卒業式。

「――――女子1番藍沢未那。」     「はい」

最高気温6℃。関東地方にしては、季節外れの寒い日。私は卒業した。




 4月9日   波妻高校入学式。

思えば中学校の3年間は早かったと思う。毎日朝学校へ行き、放課後は部活して、帰ったら

布団に入って仮眠。それからご飯に起こされ、風呂に入って勉強もせずに寝る。

それが当たり前になっていた。私はそんな生活がとてもつまらなく思っていて、人生にも

少し疲れていた。

だから、今日からの高校生活には少し期待をいている。

何か特別なことが起こるかもしれない。

今までと違った、充実した人生を送れるかもしれない。そんな気持ちだった。

「未那!おはよう!」

「おはよう・・・・・・・・」


声をかけてきたのは、私の小学校のころから、親友みたいな存在の笹井輝(あきら)性別女。

いつも私にくっついている。別に私はいやではなかった。

むしろ友達のいない私にとっては望ましいことだったのかもしれない。

「未那、そんな所で突っ立ってたら入学式遅れちゃうよ?早く行こう!」

なんだかとても嬉しそう。

まぁ、私と違って輝は頭があんまりよくなくて、一生懸命勉強してたらしい。

だから合格できたことがよっぽど嬉しかったのだろう。

私も輝と一緒に喜んであげた。そのときはとてもかわいいと思った。



 ――――――――『ああ・・・つかれた。入学式っていうのは新入生は何にもしないんだな・・・・・・

座ってるだっけてのはやっぱつらいや・・・・・・・・』

入学式が終わってそんなことを考えていた。輝は親と一緒に食事に行くといって

とっくに帰ってしまった。

『食事・・・か・・・・・・私もお腹減ったな』


ふと、正門の桜並木に目をやる。

『・・・・・・・・・・・?木の下に誰かいる・・・・・・・・・・・』

時間は5時。昼前に終わった入学式の参列者、在校生、新入生はとっくに帰っている。

いるのは職員室でデータの処理等をしてる先生たちだけだ。

こんな時間に何してるんだろうと、未那は思った。

未那は近くに寄ってみた。その人に気づかれないように。

『・・・・・・・・・・男?』

その瞬間足元の小枝を踏んだ。              パキ

男ははっとして未那を見る。それから、顔を真っ赤にして持っていたものを隠す。

「き・・・・・・・・君は・・・・・・っ。いつからいたの・・・・・・・?」

「えっ・・・・・あの、その・・・・いや、いまここに来たばっかりだよ・・・?何にも見てないよ?

 何隠したのかなーーーーーーーー・・・・なんて・・・」

未那は苦笑いして問いかけた。

男は真っ赤になったままだった。

「別に・・・・・何も隠してないよ!ところで何で今までここにいたの?君、俺と同じ1年だよね?

 とっくに式なんて終わってるのに、一人でいるなんておかしくないか?」

『そんなの、桜をずっと見つめて立ってるあなたもおなじじゃない』

未那はそう思った。

「いや、なんとなく何か起こるかなって。」

変な答え。こんなこという人普通いない。少し恥ずかしくなった。

「あはは!おもしろいこというね。何か起こるってどういう意味だよ、はは」

「うるさいなぁ!!」

照れ笑いしながら未那はそういって男をたたく。           バサッ  何か落ちた

目をやるとスケッチブックだった。

「・・・・・・・・え?」

「うわああああああああああああああああああああああああ!!」

男はさらに赤くなり、急いで拾った。そして、下をむいたまま

「――――――――みたよね・・・・・・・・・・・・?

 はは、へんだよね、こんな俺が絵描いてるなんてさ・・・中学校のころから馬鹿にされてたんだ。

 男が何かいてるんだって、俺にはスポーツのが似合うって。でも、小さいころから父さん見ててずっと絵

 描いてたからさ。やめられないんだよね」

と、震えた声で言う。

――――ここで笑ったらいけない。

「そんなことない。誰が何しようといいと思うよ。私はうまく絵なんか描けないから、とても

 すごいとおもうよ!うらやましいくらい・・・。私なんて特技もなんもないから・・・・」

微笑して言う。すると男は顔をぱっとあかるくさせ

「ほんと!?そうおもう!?」

子供のようにそう言った。ルックスも顔もモデル並みの彼が

「ねぇ、名前教えてよ。俺篠部瑛汰。」

「私は藍沢未那・・・。」

「藍沢か・・・・・・・。よろしく!

 はは、俺、初めて友達できたかも」

「え?友達いなかったの?・・・・私も人の事いえないけどね。輝しかいないし」

「俺にとって一人目の友達だ。きみはとくべつかもいれない」

『・・・・・・・・・・1人目も2人目も変わらないと思うけどな・・・・・・・・・・・』

そう思い、その言葉がどんな意味をしていたか、まだ知るわけもなかった。