9月20日金曜日

 

 

 

自問自答のようなものだ。

 

 

ここ数日、葛藤というか精神のアップダウンが激しい。

日銭稼ぎの配達をしながら洗車業の開業準備をする中で、理想と現実のギャップがよく見えるようになってきた。

 

 

今は総じて悪い気分ではないが、それは理想に進んでいるという実感があるからだろう。

大金ではないが若干の貯えもあり、今のところためらいなく道具を購入して試すことができる。

試した結果は、仕事上では身内と呼べるAさんという協力者がいて、ダメ出しや「やめておけ」というような雰囲気は、今のところどこにもない。

むしろ前に進んでいるという感覚しかない。

 

しかしながら今現在は運送会社の下請けで、十把一絡げの消耗品のような配達員という現実。

反して自分で練り上げた仕事で、自分で客を獲得し、規模にかかわらず他人がする無責任な判断に惑わされない自己完結の経済で生きていくという理想。

 

そうした理想に向かっていく高揚と、本当にこれでいいのだろうか?という【今はまだ自己満足にすぎない】という落胆があったりもして、これが理想と現実のギャップだ。

 

時折、結婚していた時のことを思い出す。

夫、親、比較的安定した会社員という立場で家族を中心に過ごす日々。

良し悪しではなく、過ごした14年分の記憶がある。

 

その全てを捨て、飛び出して失敗し、数々の闘争を経て10年後の今。


みっともなく生き残っての、今。

 

 

◇◇

 

 

現場では、数人に洗車業のことなどを話している。

それを聞いた人は基本的に私に対して【我関せず】なので、その反応で何かダメージを受ける事などはない。

マツヤマだけは夫婦そろって私の作る理想に賛同し、あくまで軌道に乗ったらだが

「一緒に仕事をしたいので呼んでくれ」

そう言ってくるが、おそらく本心では配送の仕事から足を洗いたいのであろう。

しかし、呼んでくれと言われれば身の立つよう準備をしてやらなければいけないと思ってしまう。

自分一人で食べていくカタチすらできていないのに、人の面倒など見れるのか?

そう思うとプレッシャーを感じるところではある。

 

 

本当はわかっている。

自分が何をすべきか。

 

深呼吸をする間もなく、決意の前に動きだした自分には途中からでも加速をするためのナニカが必要だ。

できればゼロダメージの𠮟咤というか、小舟で言うところのオール。

漕ぐ労力は自分自身の精神的エネルギーだ。

 

まぁ独りが長いので考え事をしている時間が長くなりがちなのだ。

こればかりは仕方ない。

 

ならば自分に語りかけよう。

 

 


おまえは今、ガタガタ言わずに技術を身に付けるしかない。

思い立ったことをまず試せ、そして早く仕事の形を完成させろ。

まだその先にも決めることはあるから。

少なくとも半年、長くて1年だ。

怠けるな。

お前にはもうあまり時間はない。

だが、失敗は気にするな。

元に戻るだけで失うものは無い。

ちっぽけなプライドなど、情けない現実の前では本当にくだらないし何の役にも立たない。

 

今何をするかが、来年のお前の状況を決めるぞ。

営業先を頭の中で整理しつつ、ブレずに芯のあるロードマップを持ち続けろ。

いつ何時、説明を求められても良いようにしておけ。

 

それに結果が出るのはまだまだ先だ。

 

だから焦るな。

 

 

 

9月17日(火)

 

 

 

Aさんとの再会は、私の中で止まっていた【想い】という血流を一気に放出させた。

 

もともと建物管理というジャンルの中で【清掃】を主体とした仕事を長年してきた私にとって、好きな事と組み合わせたことを仕事にすることは夢の一つだった。

 

 

 

 

配達を日銭稼ぎに選んだことも、【車に乗って行う】という部分のみがそれを選んだ理由のように思う。

その日銭稼ぎの配達をする中で知り合ったAさんとの付き合いも早5年。

最初に入手したアクティバンも、今のサンバーバンもAさんから購ったものだ。

 

 

 

 

今の現場も、配送会社の下について行う委託ではなく自分の看板だけで客を探して配送をしようとし、目も当てられないほど売り上げが低迷している時に、かなり強く推してくれたのがAさんだった。

 

 

 

 

それからは一年に数回ほど、互いに近況を報告しあう付き合いが続いていた。

 

 

◇◇

 

 

仕事は相変わらず毎日配達をしているが、向き合い方は相当に角度が変わった。

大事な日銭稼ぎという意識が湧き、暑さや重さなどで一喜一憂することが少なくなった。

もちろん相変わらず続く猛暑や、理不尽とも思える場面は相変わらずある。

そんな時にも 「これはあくまで日々の生活費の為だ」 とか 「本業のために必要なのだ」 とか考えると嫌悪感はほとんど無くなっている。

 

配達が 【私の本業ではない】 そういう意識が精神的な部分で非常に明るく過ごせる要因になっている。

 

さまざまに忌まわしいことがあったこの東京で、この地で「もう一度自分の足で立ちあがったのだ」と思いたい。

 

 

◇◇

 

 

先月のAさんとの再会後、私は試行錯誤を繰り返している。

 

まず最初に、私が必要だと思う洗車の道具を買い漁った。

まだ足りないと思うものはあるし、買い過ぎたものもある。

20万くらいかかっているだろうか。

さまざまな洗剤は業務用サイズだと数万円とか平気でする。

道具を置く棚や、小分けするカゴなどはタダみたいなものだ。

あれもこれもと買っている間に、物量がとんでもないことになっている。

 

 

配達のない日には買ったそれらの道具を試す日々、だ。

思ったより使えると思ったモノもあれば、要らなかったと思うものもある。

やりながら、取捨選択を繰り返していくしかないだろう。

 

休みの日というものは無くなったがそれはあまり問題ではない。

精神的な充実は今までの比ではないのだから。

カラダは確かに大変なので油断せずにいきたい。

それは【今必要な産みの苦しみ】というヤツだと思っている。

 

すでに基本的な有料での洗車を請ける体制は出来ているが、それだけでは不十分だ。

私の環境を【強み】に変えるにはあと数段階の【気づき】が必要だと感じている。

 

技術、理論武装、価格、機動力、意外性など、さまざまな部分で【煮詰め】が必要だ。

 

今は私自身の軽バンとAさんの所有する複数台の車両のみが教材になっている。

「ここに置いてある車には何をしてもよい」 そう言ってくれるAさんには改めて感謝だ。

ただ、Aさんは洗車自体に興味がないのでタイヤワックスの状態でしか良し悪しが判断できない。

そもそもクルマの汚れに目が行かないので気にならない。

そういう人なので、客目線の話は出来ない。

 

私は同じメニューを同一基準で仕上げ、価格を設定する作業を淡々と続けるだけ。

配達は日銭稼ぎとしてこのまま続け、今まではオフと呼んでいた日に洗車に関わることをする。

今年いっぱいはそうした日々になるだろう。

 

もしも、の話ではあるが来春に正式に開業、ということになれば嬉しい。

夢というものは淡々とした日々に光を与えてくれるものだと実感する。

 

 

◇◇

 

 

Aさんが所有していた在庫車の中で、軽ではあるがパネルバンというものがあった。

しかも特別に高さが構造変更されていて、積載重量は変わらないが私のサンバーバンとは比べ物にならないほどに収納力がある。

大袈裟に言えば2倍近いのではないだろうか。

YOUTUBEでは、このタイプを軽キャンパーに改造する動画をよく見かける。

 

今現在、部屋の中に所狭しと置いてある洗車の資器材の殆どを、このパネルバンならある程度の資器材を積んだまま配達業務を行える。

休みの日に全ての資器材をエッチラオッチラと上げ下げしないで済む。

私の部屋は3階なので、階段を往復して地味に大変だった。

 

Aさんからの勧めもあり、私も収納問題の解決策と思ってこのパネルバンを購入した。

このパネルバンはおそらく、積載空間だけでなく様々な私のアイデアを実現に向けてくれるような気がする。

 

来月はこのパネルバンで高笑いしていられたら良いのだが。

 

 

◇◇

 

 

洗車業を画策し、準備を整えつつ過ごしている中での変化は、環境はおろか人付き合いにもある。

 

Aさんの本業は【運送会社の社長】なので配送ドライバーを募集している。

メインは企業配送なのだが、依頼は軽バンでの配送もあるようだ。

私が軽バンでの配送をしているので時々、私にも条件を提示して「出来る人がいないか?」という質問が

くる。

私は、自分の現場にいる【良さげな人】を紹介したりもした。

 

Aさんの所にあるパネルバンの在庫は2台あった。

1台は私が購入して、もう1台は現場にいるドライバーに私が売った。

配達先の客が洗車などをしているところに話しかけて、名刺をせびられたこともある。

 

新しく始めたことがある中で、今までの人間関係によってさまざまに新たな話題というか動きがある。

これらの新しい動きは 【波】 として感じる。

 

幸運なことにチョイチョイその波に乗れているという気がする。

洗車業の看板を出すのは滅多に来ない大波だ。

それには慎重になって乗らなければ。

油断せず、積み上げをおろそかにせず行かなければ。

イメージとしては【上昇気流】であり、【風を受けた帆】のようでもある。

 

 

◇◇

 

 

弊害というほどでもないが、今までの【オフは体力の維持に】というような暮らしは壊れた。

というか壊した。

 

帰宅後のゆっくりした晩酌や、【オフにのんびり】ということもなくなった。

食事は少し乱暴なものになっている。

こういう時にはカラダを壊さないように過ごさねばいけないが、そこの改善はこれからのテーマである。

 

そして、Aさんに頼りすぎるということもあってはならない。

経済的な独立を保ったまま、プライドを保持したまま、己の矜持を貫きながらうまく協力し合える関係でありたい。

 

今、52歳。

見た目はアレでも、心の内はまだまだ老け込むトシではない。

 

70歳を過ぎても現役で、現場で汗を流す男でいたいものだ。

 

 

 

私は基本的に布袋サウンドが好きだ

 

彼の全ての楽曲を知っているわけではないが、弾きたくなるのは布袋さんの曲が多い

 

先日、といっても5月のことだがコンプレックスはライブを行った

 

前回は2011年で、その再結成ですら20年ぶり

 

YOUTUBEで2011年のライブの模様が視聴出来たのだが、今は見られないようで残念

 

 

吉川晃司も、布袋さんも今でもずっとかっこいい

2人とも憧れの存在だ

 

そのコンプレックスの曲で最もカッコいいと思う1曲

 

【1990】

 

 

 

 

 

すでにリリースから30年以上を経過しているが、私にとってまったく古さを感じることはない

 

いつ聴いても良いものは良く、廃れることなどはない

 

 

◇◇

 

 

後で見直せば赤面でしかないが、気持ちよくイントロを

 

 

同じく赤面もののギターソロ

 

コンプレックスが好きな人には私のギターは【噴飯もの】であろうが、どうかご容赦を

 

 

 

先日、電話が鳴った。

Aさんからだった。

 

Aさんは50前で私よりも年齢は下だが、話すとそれを意識させない。

学生時代に車の専門知識を学び、バイクや車などは基本的に自分で修理や改造をしたりする。

軽自動車の事を 「安いし金も稼ぐし部品も高くない。最高のオモチャだよ!」 と評価している。

 

私にこの現場を紹介してくれた人で、当時は大手の運送会社で課長職に就いていた。

100人以上の部下を抱えながら定時上がりの環境を利用して夜に配達のアルバイトをしつつ、そこで知り合ったドライバーに自社のリースアップとかの軽バンを売ったり、月に20万程の小遣い稼ぎをしていた。

私はそこで彼と出会った。

今乗っているサンバーも、その前のアクティバンも彼から入手したものだ。

 

その後彼は、仲間のドライバーに無理ばかり強いる会社に我慢が出来なくなり、20年近く勤めた会社を飛び出す。

その後は個人事業主として様々な仕事をしながら生計を立てていた。

私とは、時々話す電話で【配送業界に対する悲観】と【何か面白いことをいつか一緒にやろう】という話ばかりをしていた。

曰く 「当時は仕事も収入も本当にキツかった」

似たような環境だったこともあり、どこか 盟友 という感情を持たせてくれる人だ。

 

Aさんは後に個人事業主から足を洗い、以前に付き合いのあった運送会社の管理者兼ドライバーとして社員になった。

安定はしたけれど 「毎日がクソつまんない」 話すたびにそう言っていた。

 

そんな中、ほどなくしてその会社の社長が金銭トラブルから不祥事を起こして税理士によって追放され、他の役員は逃げ出し、残った有望な人材がAさんしかおらず、あれよあれよと社長になってしまった。

 

そして潤沢になった自分の時間を活用し、趣味の車の売買に力を入れ始めた。

彼の頭の中での在庫になりそうな車を持つ知人リストの中で、私の事が浮かんだ。

 

 

◇◇

 

 

「サンバーの調子はどう?売らねえか?」 と聞かれて私はそれに答えつつ、互いの近況を話す。

 

前に話した時には「社長が不在になって会社がてんてこ舞いだ」と言っていたAさんが、なんと社長になっているではないか。

いくつか質問をして、借金などを抱え込まされたわけではない事を確認して祝いの言葉を延べた。

 

近況として私が引越しできなかった話をすると、Aさんは「部屋ならある」という。

誰も住んでいないマンションの一室を会社で管理していて、そこにどうか?という話だった。

しかし場所が遠いので即答など出来ないし、そもそもそこに住むならAさんの会社に入ることが前提だ。

つまり 「移住してこい」 ということだ。

 

Aさんは私の環境を知っているので、【仕事も部屋もあるから来い】そう言っているのだ。

だが2つ返事というわけにはいかない。

私の夢と親の事などが即座に頭に浮かんだ。

 

同時に今まで 【がんばっているのだから、きっと報われる】 そういう趣旨の言葉で元気づけ続けてくれた人のことも頭に浮かんだ。

 

 

 

Aさんは今、もともと勤めていた安定している運送会社の中で社長として好きに動けるポジションにいる。

自動車の販売なども会社に対して利益になるようにすることで、まさに【水を得た魚】のように手を広げているようだ。

トラックまでもが商材になっていると楽しそうに話している。

まさに趣味が実益に、というやつだ。

「今、自分に追い風が吹いていると感じている」 と。

 

私はもう一度、「本当に良かったね」 と彼に言った。

 

 

◇◇

 

 

まずは会っておこう、と考えた。

大きな変化を伴う可能性のある話は、直接会ってするべきだと思ったからだ。

移住を伴うお誘いともなれば、こちらも真摯に向き合わなければいけない。

 

およそ3年ぶりに会ったAさんは、白髪が増えているようだった。

そして私には 「・・・太ったね!!!」

否定はしない。

 

Aさんの会社の応接間で、私の思いの丈を全て話した。

特に【車に関わる仕事をして生きていきたい】ということを。

彼は時折相槌を打ちつつ黙って私の話を聞き、従業員としての誘い言葉は無くなったが 「いつ来ても大丈夫だからね」 とは言ってくれた。

 

4年前、この応接間で話した時には追放された社長と逃げ出した役員が目の前にいた。

その時は【しっかり日銭を稼ぐこと】が一番の目的だった。

紹介者であるAさんは、応接セットから離れたところで立ちながら話を聞いていた。

あれから4年以上経過している今、同じ場所で互いに顔を合わせながら夢を語ることになったのがとても感慨深い。

 

◇◇

 

その後、私に住まわせるつもりだった部屋に案内してもらった。

今の私の部屋よりも遥かに広く、住まいとして上等なものだった。

この部屋だけでも魅力的だったが、ここから今の配達の仕事に通うことは現実的ではなかった。

 

その他駐車場や倉庫など、いろいろと案内してもらっている中、車が一台入りそうな倉庫の一画でAさんは言った。

 

「ウチにあるものは、場所でも道具でも車でもなんでも好きに使っていいよ

もっと連絡を密に取りながらさ、協力するから○○さんの好きなようにやってみなよ

お互いに強みを生かして儲かれば、これ以上のことはないでしょ?」

 

 

そう言ってくれた。

優しい申し出がただただ有難く、その流れに乗らせてもらおうと決めた。

 

 

◇◇

 

 

このあと時間はあるか?

と聞かれたので「今日は休みなので問題ない」と返す。

事務の女性に「今度はケーキでも持ってきますね」と軽口を叩いて出発。

 

Aさんと二人、私の車で小一時間の移動。

この日は私の住む東京→千葉→埼玉と、長い距離の移動をしている。

だが不快さは全くない。

悪天候ではあったが、久しぶりの高速道路も悪くなかった。

 

車内でも様々な事を話したが、全てが大事な事のような気がした。

なぜか二人して幼少の頃からの車好きとしての成り立ちのことばかりだった。

クルマ好きには様々な種類がいて、趣向が合わないケースも多い。

だが私とAさんには割と共通点が多かった。

エアバッグが外されてスポーツハンドルが装着されている私の車は、Aさんにとって高評価だったようだ。

 

◇◇

 

到着したのは越谷市のとある【中古車店】

すでに夜も更けていて営業時間は終了しているが、社長だけが待っていた。

 

この販売店の社長がAさんの数十年来の知り合い。

年間30~40台のクルマをAさんはここで買う。

もちろん販売の為だ。

私が最初に買ったアクティバンもここに置いてあった。

だから初めて会うわけではないが、印象はお互い薄かったので改めて挨拶。

 

Aさんは私を、これから車の販売に関わる者として紹介した。

何ができるか一緒に考えて欲しい、と。

もともとビルメンテナンス業だった私が最も得意とするのは清掃で、それならば【洗車】であろう。

販売と清掃つまり洗車、付加価値の付与。

それなら今の配達をしながらでも出来ることだ、ということでどのようにそれをするかという話が2時間程度でポンポン決まる。

金の事も含め、話が非常に具体的で速い。

今時点で何もできない私に、厳しい言葉も投げかけられるが事実なので身に染みる。

 

すでに車で金を稼いでいる人間たちの輪の中で、唯一の素人である私に【出来る範囲で居場所を提供してやるからあとはお前次第だよ?】 そう言われているのだ。

 

私は久しぶりにAさんと会って、一緒に8時間程度を過ごしながらたくさんの話をした。

ウダウダ過ごす数か月、いや数年を過ごしてきたが、今日はたった1日で道具や車の置き場所、簡単な整備の環境と車を販売できるルートまで見つけてしまった。

 

まさに、あとは私次第だ。

 

 

◇◇

 

 

翌日に私は今まで購入を躊躇していた道具を、手当たり次第に注文した。

もちろんサイズなども考えながらだが、それでも買い過ぎた。

 

届いた道具を置く場所は、案の定すぐになくなった。

ただ置いてあっただけの物は、価値があろうとなかろうと捨てる。

飾りは今は不要だ。

棚があればそこは道具置き場へ変える。

そうやって今の私に必要なものを手元に置ける場所を作るしかない。

生活空間のゆとりより、今は自分の環境を整えることを優先にしたい気がする。

 

少し大きな機械などはAさんの所を納品場所にするしかない。

まずは自分で出来る準備を先に。

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

 

配達前の一服をしている時に、1年程前までこの現場で仲間だったヤツが声をかけてきた。

 

休みなので近所のパチンコ店で朝から勝負をかけるのだそうだ。

私がいつもここで一服しているのを知っているので、一緒に煙を吐こうとして寄ったらしい。

会話の中で、同じ会社の仲間の車がトラブって仕事が出来ないと聞いたので詳しく聞きなおした。

軽バンを使う仲間内では、車両トラブルなど割と日常茶飯事なのだ。

 

ソイツは探している車があって、それ以外は新車しか欲しくないのだそうだ。

ただ、今新車を注文しても2か月以上待たされる。

販売のチャンスがそこにあった。

 

 

それをAさんに伝える。

Aさんは越谷の中古車店にそれを伝える。

しばらくすると、私の携帯に写真が複数枚届く。

オークションで見つけた該当車種というヤツだ。

「落札は○○万ぐらいだろうから、○○万ぐらいで提示していいよ」と指示が来る。

 

私はすぐに写真をパチンコ中のヤツに送る。

「今、探しているのはコレだね?」と

そして相場的に店で買うよりも確実に安い金額を提示。

 

Aさんは「これは売れなくても在庫にするので入手する」という。

つまりオークションで競り落とす。

自分が売りたい車ではなく、人が欲しがっている車こそ仕入れなければいけない。

その時売れなくても、利があるところまで値段を落とせば確実に売れるならそれは【買い】だ。

好みがピンポイントならばなおさらだ。

 

 

◇◇

 

 

残念ながら今回は契約にならなかった。

理由は車の内容に譲れない条件があったのだが、本当のところはわからない。

印象としては断わる口実のような気もしたからだ。

 

しかし、交渉をしたことでこの仕事の面白さを思い出した。

営業はスリルがあり、狩猟的な喜びがある。

 

ひと言で言えば 【 楽しい 】

 

今の配達の仕事は日銭稼ぎで副業だと思えばいい。

週5の副業ということは、本業が儲かっていないということだ。

改善して改める必要がある。

 

そのためにはやらなければいけない準備はまだまだたくさんある。

モノだけではなく、技術も知識もだ。

許認可などもそうだろう。

車を継続的に売るなら古物商が必要だし、とりあえずの道具置き場として【レンタル倉庫】などもアリだ。

 

何を考えてもワクワクしかない。

 

ふとしたAさんからの連絡が、こんなにも広がりを見せるなんて自分でも驚く。

まるで、やりたい気持ちで膨らんだ風船が破裂して周囲の不安や鬱憤を吹き飛ばしたような、そんな感じだ。

 

 

 

裁判が終わってからというもの、今までの3年は【生活の立て直し】だったと言っていい。

ふとしたことで思い出し、ブルーになることは今でもあるのでよほどのトラウマなのだろう。

いくらか立て直しが出来たとはいえ、一人では引越しをしてもすぐに何かが動き出したかもわからない。

仲間というか、【複数の力】の素晴らしさというか、【その環境に身を置く】ことの大切さを改めて痛感している。

 

今は引越しよりも【Aさんとの協業】という流れに、お互い経済的に独立しながらそれに乗って行くことを大事にしたい。

 

きっと今はチャンスの波だ。

ぜひ掴みたい。

暑いとか重いとか、配達の仕事が嫌いだとか、それしか見えない視野角の狭い日々で目の前の辛さに一喜一憂していた。

そしてそれを日記と称してストレスの捌け口にして書き殴り、根本解決にならない上書きをしてトボトボと明日に向かって歩いていたのだ。

 

ただただ、今は波に乗りたい。

金儲けより、日々の満足度。

そういうことに目を向けていたい。

成功するとかしないとかそういうことではない、自分のアイデンティティの問題だ。

 

Aさんとの再会は、忘れていた感情をいくつも叩き起こされた。

自分で自分にフタをしていた何かを引っ張り出してくれた。

 

【心の潮目】が変わったと言えるのではないだろうか。

しばらくは勇気をもって、この感情のまま突き進んでいく日々を過ごしたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

8月20日(火) オフ

 

 

 

3連勤が終了した。

そして世間の盆休みも。

 

子供たちの夏休みはもう少し続くのだろうが、大人には日常が戻って来る。

8月もあと10日ほどで終わる。

 

私はとりあえず生き残れている。

 

◇◇

 

相変わらず暑さはキツイので「慣れた」とは思わないが、満身創痍となりながらも【いなし方】というものはわかってきたように思う。

ひとえに大体20分ごとに使う【冷えた濡れタオル】のおかげのような気もする。

 

先日近づいてきた台風は一過した。

大抵その後は気温が上がるもので、予報では38℃という「ふざけんな」としか思えないような気温。

湿気が少ないから大丈夫か?などと言う考えは甘かった。

日向に居るだけでみるみるうちに皮膚の温度上昇を感知でき、純粋な熱がシンプルに肌を刺激。

陽射しから逃げることに気を取られ、身の危険しか感じなかった。

 

だがそれも乗り切った。

 

まだ油断はできないが、おれの勝ちだ。

 

 

************

 

 

実家から梨が送られてきた。

 

毎年買いに行っている千葉の梨農家へ出向いて送ってくれたものだ。

それを嬉しそうに電話して来る母。

気遣いには感謝しかない。

ただ、そこへ連れて行ったのがどうやら姉のようだった。

 

姉と両親は疎遠になっていたはずだが、いつのまにか一緒に梨を買いに行く程度に関係が修復していたようだ。

親子の仲が良いのは悪いことではないので、それ自体は構わない。

私にとっては心に引っ掛かるものがあるというだけだ。

 

 

関係が修復したことを私に言わなかった母への不信感がフツフツ。

また内緒で何かやっているのか?と、そういう感覚が湧いてくる。

怒りは無い。

不信感でしかないのだ。

諦めに近い感覚でもある。

 

私と姉は合わない。

だから姉が近くにいると感じたら、私が離れるだけだ。

 

それだけだ。

 

 

************

 

 

配達も夕方を前にして、西日の中での休憩時。

公園脇の路肩に寄せ、濡れタオルで可能な限り露出している肌を冷やしていた。

 

そのとき、運転席側の窓をコンコンと叩く老人。

にこやかに軽く頭を下げている。

一目でわかるヨレたスエット上下にサンダル履き。

片手に何が入っているかはわからないがポカリのペットボトル。

歯は数本無いようでモゴモゴしている。

驚くことに汗だくになっている風でもない。

 

路駐だったので、この場所に私が停めていると都合の悪い人なのだろうかと思った。

窓の開閉ハンドルから手を離さずに5cmだけ開けて「なんですか?」と返事。

聞けば、「家に帰る電車賃が無い」とのこと。

話している途中、老人のツバが数滴飛んで窓ガラスに張り付く。

 

この老人は、見ず知らずの私から金を手に入れようとしていた。

「お仕事中にすみません」などと言い、悲壮感も感じない。

 

日本という国で、年金制度もきちんとあって、外国人にさえ生活的保護を手厚く施すこの国で、まさか日本の老人のこうした行為を間近に見たことでショックを感じてしまった。

自分もこうなる可能性があるのか?などと。

 

ホームレスとはまた別の問題だし、出来れば本当はお金を持っている寸借詐欺などであって欲しい、と思った。

 

私は 「 おれもお金は持ってないんだよ、悪いけど 」 と老人に返事をした。

貸すとか譲渡するとかそういうことはどうでもよく、いくらあれば今助かるのか?とかそういうことも聞きたくなかったので、出す出さないに関わらず話を切り上げた。

 

老人は何も言わずにラブホ街の方へと歩いて行った。

その背中をミラー越しにしばらく眺めた。

この気温の中で長袖を着ている割にしっかり歩いている。

目的の場所があるのか、交差点でウロウロする様子はなかった。

 

本当に家に帰る金がないなら、交番へ連れていった方が解決したのかもしれない。

想像でしかないが、きっと交番といえば拒絶しただろう。

 

この場所は駅から近い繁華街脇の公園。

パチンコ店・麻雀屋・場外馬券売り場とギャンブル場も多くある。

適法なのかどうか分からない店も多い。

夜になれば様々な人種がアチコチで呼び込みをする、いわゆるあまり治安の良いエリアではない。

時折、路上に血痕なども見かける。

 

私はあの老人が物乞いだとしか思えず、誰彼構わず声をかけては小銭を手に入れることを普段からしている人なのだろうと、勝手に解釈した。

 

逞しさを感じるともいえるし、自分ももしかしたら【似たような立場】になるかもしれないという恐怖も感じた。

いや、すでになっていたかもしれない。

もう何年も経つので忘れていた。

ポケットの数百円の小銭だけで深夜の国道をひたすら彷徨い歩いたことを。

そのとき私は 実家 という頼れる場所があり、そこへ辿り着いて引っ越し代を借りることにより今の暮らしを手に入れることが出来た。

 

私が完全に老人になる頃には両親はいないだろう。

そして、働けなくなって暮らしに必要な金がないという状況になったときに、私はどうするか。

 

福祉に保護してもらうことを先に考えて、行政に相談に行くだろう。

ただ私がそうなる頃は、色々と今より世の中の状況が悪化していそうだ。

もしも支援要請を断られたら、あの老人のように道行く人に声をかけたりすることができるようになるのだろうか。

などということを色々と考えて、悲しくなってしまったのだ。

 

 

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実家から送ってもらった梨は、秋の味覚というだけあってまだ少し早かったのかもしれない。

甘さは今一つかもしれないが、口いっぱいに広がる水分を充分に楽しめた。

 

中国語で果物を【水果】と書く。

まさにこの梨は水の果物であると言える。

 

 

たくさんあるので、タッパに入れて仕事にも持って行った。

 

冷えた梨は暑さの中では非常に良いオヤツだった。

凍らせてもシャーベットのようになって美味しい。

知覚過敏でちょっと大変だったけれども。

 

そして時間が経つと色が茶色くなって来るのが玉にキズではある。

 

 

 

 

 

************

 


前回のオフは、カタマリ肉でローストビーフを作った。

初めて中が赤い肉に仕上がった気がしたが、個人的にはもう少し【ナマ感】が欲しいと感じた。

カタマリ肉を切っては食い切っては食い、400g程度を完食。

 

それでも満腹にはならず、〆に色々乗せたパンで満腹にした。

翌日からの3連勤を思えば、食べ過ぎということもないだろう。

 

 

 

◇◇

 

 

この3連勤は、この夏で一番の暑い日があった。

もしかすると、これ以上の暑さの日も来るかもしれない。

その夜はさすがに食欲不振のようなものを感じ、帰宅後にも何か作る気にならない。

ダルすぎた。

 

しかし、何か腹に入れなければ2日間の残りの日がモタナイ。

苦し紛れにナスを切ってレンチン。
白出汁と醤油とゴマ油で味だけを付けたナスで一杯。

 

 

このあとは冷凍庫にあったパンを焼き、バターだけ塗ってとりあえず満腹にするだけの食事。

残りの二日を憂えんでの就寝だった。

 

 

◇◇

 

 

2日目の夜。

 

やはりダルさがあるが、ガツンとしたものを食べていないことが気になっていた。

昼間に食べるコンビニメニューは空腹をしのぐためのもので、家でこそちゃんと食べなければいけない。

しかし、この日も少しボリュームのあるサラダと焼いたパンで済ませた。

 

白米をガッツリいきたいところではあったが、炊くのがどうしても面倒だった。

まあパンも主食なので良しとする。

米食でなければ、なんとなく物足りなさを感じてしまうけれども野菜を食べて満腹になってさえいれば、それでいいだろうという判断をした。

 

 

 

◇◇

 

 

3連勤3日目、体が重く感じる。

 

ガッツリしたものを食べたいと思っている時に、タイミングよく弁当屋の前で終えた配達。

 

アジフライと唐揚げの弁当を買った。

ガッツリメシに満足。

揚げ物のパンチ力って本当にすごい。

 

 

 

 

帰宅後、翌日がオフなのでホッとしている。

魚肉ソーセージと缶の酒でとりあえず落ち着きを取り戻し、生ハムをふんだんに使ったスパゲッティを作った。

 

塩気の多いものがとても美味しく感じる。

夏の疲れ特有の味覚とでもいうか、味の濃いものに惹かれるようだ。

 

サラダのドレッシングも、多くなりがち。

 

 

 
 
 
************
 
 
今日のオフは、長い睡眠時間となった。
 
きっと疲れが溜まっているのだろうと思う。
いくらでも寝られそうだったが、9時を過ぎてさすがに起きだした。
 
のんびりとコーヒーを飲みつつ、今日は猛暑の配達が無い事に安堵。
体のアチコチが痛いけれども今日をのんびり過ごすことで癒しを得よう。
 
 
◇◇
 
 
洗濯機は二回まわした。
シーツが柔軟剤の香りになればいい。
 
今日は布団も干してやった。
これを叩いている時に、下の階からガラス窓を乱暴に閉める音がしたのできっとうるさかったに違いない。
しかし、これは生活音であり非常識に長い時間でもなかったはずだ。
なので 「昼間に布団を干して叩いて何が悪い」 そんな気になった。
 
休み休みの家事は、昼過ぎまでかかった。
掃除機にブラシを付けて、壁面や高い所などのホコリも吸った。
 
ひとしきり落ち着いてからギターを手に取った。
弾きたい曲があったのだが、これは耳コピするしかないので面倒だと思った。
 
 
そういえば先日録音したカノンロック。
 
現役でギターをライブなどで弾いているドライバーが来ていたので聴かせてみた。
感想は一言 「一応聴けるね。。。」 と遠慮がちな顔でいい、お互い苦笑い。
遠慮なくヘタだと笑ってくれれば良かったのだが、気まずい微妙な空気感になってしまった。
 
 
◇◇
 
 
今日はどうしようかなと思っている時、部屋でかけていた音楽にふと耳が止まった。
 
アン・ルイス 六本木心中。
 
イントロが気持ちよさそうだったので、手を出した。
小一時間、TAB譜と格闘。
 
1番のサビまでカタチなったところで終了した。
覚えたかな、という程度。
 
仕上がりはあまり気にしないでいい、と思ってはいる。
自分が感じる気持ちよさこそ全てだ、と。
色々間違うし、若い時のようにすぐに覚えられない。
雰囲気がそれっぽければいいや、くらいの気持ちで手を止めて録音を。
 
聴き返したら、やはり赤面ものでしかなかった。
ピックスクラッチはほとんどやったことが無かったので、後で見返してこれほどカッコ悪いとは(笑)
 
ヘッドフォンをしながら弾いているときには、なぜかあまり気にならない。
 
改めて自分の音を聴き返すと、反省点ばかりだがそれは悪くないのかもしれない。
自分の音を俯瞰するのは、次に活きる気がする。
 
 

 

 
◇◇
 
 
本当に休みの日は時間が経つのは早い。
 
夕方6時はとっくに過ぎて、もう夜は始まっている。
 
今日はまだ梨を剥いて食べただけ。
 
何を作ろうか、まだ何も考えていない。
そういうときは、冷蔵庫にある早めに食べてしまいたい食材を基準にメニューを考えればいい。
 
酒もゆっくり飲みつつ夜を過ごそう。
 
昨年は、猛暑日だけなら10月まであったし、真夏日に限れば11月まで記録している。
暑さの先は長いのだ。
ワンパターンの過ごし方だろうとなんだろうと、今はこれで良いはずだ。
 
まだまだ夏は続くから。
 
 
 

 

 

 

8月16日(金) オフ

 

 

 

 

2連勤が完了した。

 

心境としては、「まだ生きてるぜ!」だ。

昨夜はなぜか寝入りばなに鼻血がドバドバ出たが、寝巻にしているTシャツが血で汚れただけで済んだ。

 

台風が近づいているが、そんな日に勤務ではないことがとにかくありがたい。

 

 

 

 

この現場は、曜日によって配車される台数が違う。

そして、この2日間は車両が最も少ない曜日になっていた。

 

おかげで私とマツヤマは常に約定一杯の件数フルMAXが続いて本当にキツかった。

荷物を積みに戻ってくるマツヤマの目が虚ろだ。

少し怖い。

 

これは台数が少なく配達能力が低くなっているせいで、車両を減らさなければもっとスーパーの売り上げは上がっただろうに、と思う。

 

私見だが、スーパーは配達にかかる固定費をケチり過ぎて損をしていると思う。

いつものペースで頼もうと思ったら注文できなくて、やむなく他の方法で入手するようになった常連がいる。

よほど気に入っていない限り、逃がした客は他所で満足すれば戻ってこない。

配達の手が減っているから早くに配達の枠が埋まってしまい、そうした人が増えていると肌で感じる。

配達時に 「最近時間が選べなくなったね」 と話しかけてくる客が多いことからも、それはたやすく想像がつく。

 

ある程度の余力を持たなければ、替えの効く購買は簡単に他所へ行く。

この現場、あと1年もつのか?などという考えが浮かぶ。

 

 

◇◇

 

 

【冷やし濡れタオル】が生命線だと言っていい。

エアコンは全開で点いていても、配達中は体が冷えない。

 

半分凍った濡れタオルで顔やら髪やら耳やら首筋やらを強制冷却すること数十回。

それでも一度外へ出たらば車内に戻った時にはその都度、汗だくになっている。

 

おでこ辺りの熱っぽさを危険度のバロメーターにしている。

熱くなってきていると感じたらその度に手を止める。

 

これがこの夏の乗り切り方、というやつになってきた。

 

 

◇◇

 

 

配達エリアの台風による影響は、思ったより大丈夫そうだ。

 

天気予報は少しだけ大袈裟に脅すことにしているのだなと感じる。

それが悪いことだとは思わないが、これを繰り返すと仕事を振ってくる側が【どうせ今回も脅し】だと予報を過小評価して仕事がキツくなる。

心配事といえばそんなところだ。

 

私は今日がオフなので部屋で過ごすことが出来ている。

なのに台風を気にしている理由は、昨日マツヤマが【台風嫌だ嫌だビーム】を出していて、慰めたりしたからだ。

正直、彼は周りに感情をぶつけることで精神の均衡を保つ傾向があるので、そういうところがウザい。

いずれまたカミナリを落とした方が良いのかもしれない。

 

 

そんなことより、明日の土曜日は気温予想が私にとっては遥かにヤバい心配のタネになっている。

38℃ って何? 35℃でも人がバタバタ倒れているのにさらに3℃上がるらしい。

ここまで上がるのはちょっと記憶に無い。

体温どころではないではないか。

台風も危険だが、高すぎる気温も災害である。

こうなるともう【個人の体調管理】では済まないのではないだろうか。

 

とは言いつつ、愚痴をこぼしたところで倒れたらそれまで。

誰も助けてはくれないし、暑さ一撃必殺の冷やし濡れタオルで乗り切るしかない。

 

 

 

******

 

 

先日、本来は配達できない公園にある仮設テントに配達させられた件には、進捗があった。

結果で言えば私のひとり勝ち。

 

昨日、嬉々とした表情の現場責任者に呼び止められた。

聞けば【本部】と呼ばれる、私の仕事の元請けなどよりはるかに上の、客先でも上流にいるセクションの偉い人が私に謝罪したとのこと。

スーパーの現場責任者を通じ、「やはり○○さん(私のこと)が正しかったよ! 無理な配達をさせて申し訳なかったと、ネットスーパーの管理本部からカスタマーセンターに謝罪させたからそれを伝えてくれってさ!」と言われたので内心でガッツポーズ。

 

この件の当日、私は3人の人間に正当性を主張したがそれは通らなかった。

そのうち2名はカスタマーセンターの担当とその上司なのでもう済んでいる。

もう1人はこの2名に何も言い返せず私に丸投げした元請けのヘタレ管理者。

 

その彼に対しては、直接文句の電話でも入れればスッキリしたのだろうが、私はそれをしなかった。

 

かわりに所属している下請け会社の社長に電話をした。

顛末を説明して、このことをキチンと知っておいてもらおうと思った。

ここ最近の理不尽な条件悪化に対し、会社同士の窓口である社長の交渉ごとがあれば(苦情でもいい)少しでもその材料になれば、と思ったからだ。

 

話を聞いた社長は、【何かする】というわけではないがとりあえず文句の電話を入れると言っていた。

電話に出た若い担当者ではなく、その上司に向かって言うとのことだった。

 

私は 「それはお任せしますよ」 とだけ言っておいた。

話を蒸し返してやり込めたいわけではない。

私を含め、少なくともこの現場で働く配達員に対し、どんな形であれ少しでも還元されるようになればいいと願うだけだ。

 

 

******

 

 

とある朝、起きて恐ろしいものを見てしまった。

 

コーヒーに牛乳を入れようと冷蔵庫に手をかけた時、少しだけ開いていることに気付いた。

顔を洗う前なのに、一瞬で目が覚める。

 

開けると中は全体的に温い温度になっていて、綺麗に並んだタマゴが大汗をかいているのが痛々しかった。

缶の飲料もタッパーの蓋も水滴だらけ。

 

とりあえず卵と牛乳の無事を確認せねば。

臭っていれば、もったいないが即廃棄だ。

しかし、臭いなどない。

が、怖いので生食はしないでおこう。

牛乳も、火を通せば何とかなるかもしれない。

早いうちに食べ切ってしまおう。

そう思いながら、庫内の水滴を拭き掃除。

 

 

 

その後タマゴは大きな玉子焼きに。

牛乳はシチューになった。

 

臭わないので大丈夫だろうと思ったが、不安が全く無いわけではない。

 

どちらも食べてから既に一晩以上経過していて、なにも体調の異変は無い。

野菜の鮮度についてはいくらか悪くなっているだろうが、食中毒などを怖がるほどでもないだろう。

 

肉だったら捨てていたかもしれないが、全て冷凍してあるので大丈夫だろう。

 

危ない橋を渡ってしまったかもしれないが、たまにはこういうスリルも悪くないような気がする。

 

 

******

 

 

 

前回のオフは、夕方を過ぎてから最初の食事となった。

 

モーニングサーブを夜に食べるなんて、まるで反抗期。

タマゴは黄身が割れてしまったので両面焼きに。

 

 
 
◇◇
 
新しいトースターは、熱効率が良い。
そこで、初めて肉を焼いてみた。
 
鶏もも肉。
 
前のトースターの3分の1の時間で出来た。
しかも皮が結構パリッとしている。
 
パンではよくわからなかったが、これで実感できた。
新しいトースター、すごい。

 

この鶏はおろしポン酢で美味しく食べた。

 

 

 

◇◇

 

 

冷蔵庫の扉が開いていた日。

 

タマゴと牛乳の確認をした後の食事。

牛乳はとりあえず一晩置いて様子見。

 

タマゴは玉子焼きに。

早く使い切ってしまいたい野菜と共に。

 

ナスはレンチン。

ピーマンとキャベツは塩焼きソバにした。

 

 

 

◇◇

 

 

最近、よく食べる菓子パンがある。

 

あんぱんにコーヒークリームが入ったものだ。

 

これは、美味い。

もちろん本格的なパン屋のそれに比べるようなものではないが。

 

ただ、150円くらいの割には圧倒的にコストパフォーマンスが高い。

 

そしてローソンでしか売っていない。

 

 

 

◇◇

 

汗かきタマゴの消費、パート2。

再びの玉子焼き。

 

 

 

からの。。。

 

 

牛乳を消費するために作ったシチュー。

もちろん使う前に入念にオイニーはチェックしてある。

 

魚介とキノコのシチューは美味しかった。

 

 

母へ

40を過ぎても何も家事が出来なかったあなたの息子は、50を過ぎてから牛乳と小麦粉を使ったシチューをサクッと作れるようになりました。

 

 

◇◇

 

 

常温放置の冷蔵庫にあった野菜は早めに使い切りたい。

 

ナスやらネギやらニンジンやらを入れて作った塩焼きソバ。

焼きソバは使い勝手がいい。

 

 

 

 

************

 

 

今日はオフ。

 

外出しなくても良いように、昨夜のうちに買い物は済ませてある。

 

いくらか手を抜きつつ家事を終わらせた。

実家の母が送ってくれた梨も午前中に届いた。

ヤマトさん、雨の中ありがとう。

 

梨は冷やしておいて夜に食えばいい。

冷蔵庫にとりあえず3個。

 

 

台風は、ウチの近辺での話になるが昼の内は思ったより悪天候ではなかった。

風も強いがまあそれなり。

 

夕方からだろうか?

それとも予想コースを逸れているのか。

 

 

いつものようにギターを引っ張り出し、ちょいちょい練習してきたカノンロックを。

まだスウィープ奏法をマスターするには遥か彼方で、そこまで到達する技術すらない。

やっとこさ覚えたメロディーでさえも、覚束ない。

 

 

サビの前にあるスウィープ奏法の高い壁が、遥か彼方に見えている感じ。

そこまでも辿り着けていない。

とてもじゃないが今日はこれ以上、もう上手にはならない。

 

曲の途中で投げ出して、今日の練習は終わり。

 

 

と、いうことで記録しておこう。

 

 

 

 

******

 

 

先ほど焼きそばを食べた。

今日最初の食事だ。

 

 

まだ空は暗くなっていない。

だが、台風らしい風が吹くようになってきた。

雨も降っているが量はさほどでもない。

 

もう出かけることもないし、ジーパン脱いで短パンに履き替えよう。

楽にしてのんびり過ごそう。

明日から3連勤で、しかも38度まで気温が上がるというフザけた状況が待っている。

 

 

 

今は、昨夜買ったカタマリ肉を新しいトースターで焼いている。

うまくいけば切り口の赤色も鮮やかなローストビーフが出来上がる。

 

今夜はそれで赤ワインなんぞ呷ってやろうと思っている。

 

肉とワイン。

甘美な響きだ。

 

そして完成。

 

 

 

 

1人の寂しさを酒と肉とギターで埋める。

それはそれで悪くないが、根本的なところで違う気もする。

 

 

 

 

だが今夜もまた、懲りずに貪って眠りにつく。

 

 

 

 

8月13日(火) オフ

 

 

 

 

大変な3連勤だった。

 

盆休前だという重要の多い時期に加え、地震に台風。

そしてマスコミによる買い溜め需要の喚起。

 

過去最大の飲料発注記録を日を追うごとに更新した。

酒屋も真っ青になるのではないかという量の配達と言って良いだろう。

水など銘柄によっては品切れも続出したようだ。

 

 

◇◇

 

 

何度も冷えた濡れタオルで頭部や脇の下を冷やしながらでも、睡眠は摂っているはずなのに生あくびが止まらなくなり、確認したはずの荷物が前後で番号違いで積んでしまったり、最後にはアクセルとブレーキを踏む足の裏が攣ってしばし配達を休止せざるをえなかったり。

とりあえず無事に終わったという印象。

 

他の現場では何人も、熱中症で配達ができなくなったドライバーが続出。

元請けのドライバーが交代で出動するという事態が多発しているようだ。

 

私も制限時間をフルに使い、小休止を繰り返しながらの配達をしてなんとか乗り切った。

 

まさに【サバイバル】

 

今のところ、生き残れている。

 

 

そして今日はオフなので、昨夜の開放感がハンパではなかった。

過酷さを免れること、それのみを考えて祝したいという気分だった。

今日までの自分の頑張りに祝杯を。

オフの日は減り過ぎたHPゲージを、満タンにまではならなくとも少しでもそうなるように過ごしたいと願うのみだった。

 

もうこうなると体力勝負でしかない。

 

実にシンプル。

どのくらい続くのか、まったく定かではないが目の前に存在する大きな壁として、【夏の配送業務】があるだけだ。

 

 

◇◇

 

 

時期的に夏の祭りがそこかしこで行われている。

 

あたかも子供たちのためにあるような町内会レベルのものもあれば、プロというか神輿を担ぐ専門の集団が揃う本格的な伝統行事っぽいものまで、配達エリアでは散見されている。

 

そんな中、宛先の住所には建物など何もない公園で、【神酒所】といういかにも配達先がありそうな、間違いなく【祭りの会場】であろうという注文が私の伝票に記載されていた。

 

数年間この現場で仕事をしている中で、この発注は受けられないと確信。

ホテルの一室や、住民票の取れない場所への発注は基本的にNGというルールで運用されていたはずだ。

そもそも不在票を投函するポストすらない場所への配達など、不確定要素の多い注文は受けて来なかったはず。

公園ならいわずもがな、だ。

 

何年もの間そのような配達は全てスーパー側が弾くことでキャンセル扱いになってきた。

これがOKならば仮設テントさえあればどこでも良いということになり、イベント会場などにも届けることが出来るようになる。

時間指定だったり生鮮食品を中心に台車で運ぶことが前提のネットスーパー配送は、どこへでも運ぶというルールは成り立たない。

そもそも勝手なルール変更は、社員ではない我々個人ドライバーに対しての信義則に違反するし、大げさに言えば下請け法違反に抵触するはず。

 


スーパーのカスタマーサービスの若者と思しき声が言う。

 

おっしゃる通りですね、などと理解している風でいるものの 「何かあれば私たちが対応します。何かしら建物があるはずですので行ってください。」 と。

客に強制キャンセルの連絡をすることを避けたいという気持ちはわからないでもないが、それとこれは別な問題だ。

 

私は抵抗した。

 

一度やってしまえば 【前例がある】 となる。

そうすれば今後も請けなければいけないことになる。

今回だけで済むはずはないので、他のドライバーに迷惑がかかってしまう。

「テントが建物であるはずがない。 こういう配達は事前に止めなければ悪しき前例になる。 完了の実績を作ってはいけない。」 と。

 

すると、カスタマーサービスは上司に確認すると言ったあと、「ルール上できるので行ってください。」と返してきた。

私は、「そんなルールは無いはず、曲解しているだけだ。」 と主張したが黙られたので仕方なく電話を切った。


すかさず元請けの担当に電話する。

無駄かもしれないと思ったが、覆したかった。

そして同じ会話の後、大して時間もかからず「ルール上配達出来るらしいので、お願いします」 と、にべもなく返してきたのでこちらも電話を切る。

予想通りだった。

現場を守る、ということを彼らがした事は無いのでおそらくは【配達員にやらせればいい】という思惑が一致したのだろう。

 

 

普段はこんなやり取りなどほとんどない。

スーパーにいる現場責任者が事前にチェックして弾いてキャンセル扱いにしているからだ。

現場の人たちは、配達員側ではないものの最低限度の傘になってくれていた。

不幸にもその日は現場責任者も副責任者も休みで、善悪の判断をしないパートさんがスルーして荷物を用意してしまっていたのだ。

 

もう取り付く島は無い。

配達時間は刻々と迫るだけだ。

 

私は納得ができないまま、結局その配達を完了させた。

到着後、いくつかある仮設テントのうちのそれらしい所まで台車で運び、そこから誰かもわからない人たちに「あっちや」「こっちや」と、さらに2回ほど公園内を移動した。

 

 


後日スーパーの現場責任者に顛末を話すと憤慨していたので、請けるべきではない内容だったのだと確信した。

数刻を過ぎてから、その人に呼び止められた。

曰く、カスタマーセンターを管轄する偉い人が「そんなのあったの?すぐ確認する!」と言っていたそうなのできっと弾くべき案件だったのだろう。

電話に出た者の名前を聞かれたが、それは忘れたことにしておいた。

私はこのあと似たような注文があっても弾いてくれればいいだけで、電話の対応をした若者たちを糾弾したいわけではない。

 

売上至上主義に走るならば 【済んだこと】 として、このあと何も言って来ないだろう。

期待のしすぎは良くないことだ。

 

 

◇◇

 


私が思うに【物流問題】とは、今回のような管理者たちが現場に押し付けて【その場だけを乗り切る】という行為を繰り返してきたことで生まれた、自滅だと思っている。

自分の手足を食うタコのようなもの。

人手不足然り、条件悪化然り、その場しのぎで築いてきた長年のツケが火を噴いたに過ぎない。

毅然とした態度で主張して解決したり、出すものをきちんと出していれば労働環境に対する苦情など出なかったはずだからだ。

 

交渉力の低さを棚に上げ、価格転換できないからと言いつつ現場に押し付けて放置してきただけのこと。

仕事が無くなる、という恐怖感からくる腰砕けが全ての元凶だ。

 

不手際が幾重にも重なって出来上がった悪しき習慣のミルフィーユ。

そういう体質がそこかしこで産まれ続け、習慣化してそれが常識になって業界を作り上げ、たまらず噴出した最下層の悲鳴をやっと問題として掬い上げた、それが物流問題の本質ではないだろうか。

 

 


************

 

 

 

今日はオフだが、何もやる気が起きない。

 

一度、座ってしまうとなかなた立ち上がるまでがとてもしんどい。

 

癒しが必要なのだと、痛切に感じている。

 

 

 

◇◇

 

 

カレーをやっと、作ることが出来た。

満を持して、といった所で非常に満足だった。

 

出来上がりを、かけつけ2杯。

 

 

 

◇◇

 

 

配達中に体内を冷却するため、コンビニでアイスを買うことが多い。

 

だが、パピコを1人で食べるのは今回で終わりにしようと思った。

あれはシェアをすることで誰かと一緒にアイスを楽しむ、そういうものだ。

 

少しだけ、一人で両方食べるのが虚しかった。

 

 

◇◇

 

 

家での食事は自分のために、自分で作る。

 

ストレスの発散と残り物の処理ではあっても少しでもテンションが上がるように。

 

そう考えている。

 

 

 

 

◇◇

 

 

3連勤の中日の食事は、栄養というか色んな意味でパワーを補給するという意味合いが強い。

 

まだ勤務日を残している中での食事は、チカラが漲る肉を欲することもある。

食べたい料理というより、食材を先に決めてから何を作ろうかと考えて。

食べ切れないかな?と思うくらいの肉を、食いだめよろしく腹に放り込む。

 

そうやって、プラシーボでもいいから「おれは大丈夫だ」 と言い聞かせている。

 

 

 

 

◇◇

 

 

残り物も、【時短の晩酌】と考えればいい。

 

ただ酒を流し込むだけよりも遥かに良いのだ。

 

 

 

◇◇

 

 

残り物は冷蔵庫の中だけではない。

 

中途半端に残って持ち帰ったペットボトルのレモンジュースも、ビールで割ることによって【さわやかなカクテル】の体を醸し出すことが出来る。

 

魚肉ソーセージがお供では、ジャンクフード感は否めないけれど。

 

 

 

◇◇

 

 

そして待ち遠しかったオフの前日。

 

サラダと野菜の炒め物、そしてニンニクとゴマ油を大量にまぶしたカツオ。

 

私にとってのリセット飯。

 

初めて買った銘柄のドイツワインも、想像を超えて飲み口が良かった。

 

いつ寝ても良いのだ、という開放感の中で酒が進む。

 

 

 

残っていたカツオは、翌日に丼モノでも作ろうかなと思っていたが結局食い切ってしまった。

残っていた日本酒はカラになり、フワフワと気持ちの良いまま布団へ入ることが出来た。

 

 

 

 

 

************

 

 

そして今日。

 

朝の起床の時点で、出かける気はさらさら無し。

睡眠もしっかり摂れたが、多少の腰の張りは仕方が無いだろう。

 

空調を利かせた部屋でストレスなく過ごす。

今日がどんなに高温であろうとどこ吹く風、そういった状況に身を置くと決めていた。

 

布団だけは干したかったがそれもやめた。

ベランダが暑そうだったからだ。

今日は汗をかきたくない。

 

 

 

家事をゆっくりと済ませ、ダラダラと動画を見ていたがギターを弾きたくなった。

 

激しい曲はやめておこう、とは思った。

 

そう思って頭に浮かんだのは、なぜかサンタナの【哀愁のヨーロッパ】。

実はタイトルを知らなかった。

イントロフレーズしか知らない曲だったが、何度も聴いたあとにいつものようにTAB譜動画を見つつ数小節だけちょろっと練習。

 

チョーキングが気持ちよかったが、1弦がはじけ飛ぶように切れたので張替え。

予備があって良かった。

 

新しい弦は良く滑って良いものだったが、だからといって私の技術に残念ながら変化は無い。

 

 

 

 

************

 

 

 

知人の出身高校が甲子園に出ているようだ。

興奮気味に報告してきたので、応援しているよと言っておいた。

 

 

◇◇

 

 

今日はまだ何も食べていない。

 

すでに18:30を回っているが、全く空腹感を感じない。

 

しかし食べなければ明日からの体力維持に差し障る。

 

晩酌を兼ねた食事を、これからのんびり作ろうと思う。

 

 

 

8月9日(金) オフ

 

 

 

配達のない日が待ち遠しくなっている。

今日はオフなので、ホッとしている。

 

2連勤という短めの連勤でさえ、体がキツくて辟易だ。

暑さがツラい。

3連勤は言わずもがな。

どうしても弱音のようなものが出てくる。


 

 

 

8月になってから一段と負荷が増えたせいもあるが、それを作り出した元請けやスーパーの人たちが12時間の長丁場を外で過ごす我々配達ドライバーに対しての「きちんと暑さ対策を」だの「気を付けて」という言葉には次元の違いというか、暑さというものに対する認識の差がとても大きいと感じる。

 

自分の身は自分で守るしかない、と思うのみだ。

 

配達ドライバー同士は同じ仕事をしているので慰め合うことがあるものの、少しでも自分の方が負荷が高いと感じると不機嫌をあらわにしてくる者がいる。

伝票を見た後、やおら黙り込んで会話をしなくなったりするからわかるのだ。

そういう状態になった者を慰める余裕が私には無い。

 

空調も効かず空気も流れない構内は、陽が当たらないというだけで外気温よりも暑い。

何もせずそこにいるだけでも危険な温度だ。

そんな中で、ほぼ毎便が満載に近い積み込みを行う。

5分もいれば汗だくになる中、ヘタすると20分以上も積み込み作業に時間が取られる。

控室などの無い我々配達員は、早く積み込みを終えて出庫して車のエンジンをかけてクーラーを点けたいのだ。

 

なので、コミュニケーションもうまく取れない環境が出来上がっていて現場が殺伐としてきた。

 

そういう環境の中、「早くこの仕事から足を洗いたい」という気持ちが強い。

暑さ対策の新兵器である【冷えた濡れタオル】に縋る日々といったところだ。

 

 

◇◇

 

 

車両のメンテナンスは、欠かすわけにはいかない。

先日はサーモスタットを一式で交換したが、エンジンの挙動が若干安定したように感じる。

夏に安心感が増すのは良い事だ。

 

しかしそれ以外の、仕事に関することや日々の健康維持以外の多くが億劫で仕方がない。

 

情けないがこれが今の私の日常だ。

 

 

************

 


休みの日には睡眠時間を多めに取って回復に努め、食事もある程度自分を甘やかす。

かかる光熱費より快適さを優先させ、心の思うままに過ごす。

 

この夏はそういう過ごし方をするしかないと、今は思っている。

 

家事は溜め込まないようにしたいが、台所の洗い物は少し溜めがちになっている。

いつもスッキリした状態ではない。

先ほど、使う皿を流しから洗って用意してトーストだけを齧った。

 

今日のオフは、何をするにもなかなか腰が上がらない。

 

掃除と洗濯はやらないと後で大変なことになるので、昼過ぎまでかけて済ませた。

そして夕方前までコーヒーを飲みながらギターを弾いて過ごした。

ヘッドフォンをかけて自分の音だけを聞いていると、頭が空っぽになっていくので気持ちが良い。

 

 

 
 
 
 
************

 

 

 

癒しである食事や晩酌も、なるべく簡単に済まそうと考えるようになっている。

仕事の後は【早く寝たい】という気持ちが強いからだ。

 

何日も【カレーが食べたい】と思っていて、材料はあるのになかなか作れないでいる。

 

 

◇◇

 

 

晩酌はゆっくりと酒とツマミを楽しみたいものだ。

癒しであり、ホッとする大事な時間だから。

 

 

【厚揚げ焼き】

 

 

【サラダ】

 

 

【玉子焼き】

 

 

【冷凍の焼き餃子】

 

 

【ガーリックチャーハンと冷奴】

 

 

【スモークのサラダチキン】

 

 

 

こうして写真を並べてみると、あまり栄養があるものは食べていないと感じる。

食事としては良くないだろう。

体力や健康の維持とは遠かったようだ。

 

要改善だが。。。

 

宜しくはないが、それだけ癒しや労いを求めているのだろうと思う。

自分でそういう動きをするということは、まだ余力がある程度残っているのか。

 

本当に危機感を感じた時には、きっとそれに見合う食事ができる。。。。。ような気がする。

 

今夜くらいは、ちゃんとした【メシ】だと思えるものを食べておこう。

 

 

◇◇

 

 

明日からは3連勤。

 

世間では盆休という名の連休が始まるので、私の仕事はさらに負荷が増すだろうと予測している。

 

せめてこのオフは少しでも、心身共に休ませてやろう。

というか、今の私にはそれしかできない。

 

 

 

8月6日(火) オフ

 

 

 

 

暑い暑いと言ったところで涼しくなるわけでもない。

 

この未曾有の猛暑続きな夏を乗り切るため、何かできることを探すしかないのだ。

ちゃんと食べて水分も睡眠も摂っているのに、ほぼ毎日軽い熱中症にはなる。

 

 

 

 

ならば冷やす行為を追加してみようと考えた。

 

保冷剤を入れたクーラーバッグの中に、凍らせたペットボトルに濡らしたタオルを巻いたものを入れた。

汗をかいて頭部に熱気を感じたら、その都度半分凍った濡れタオルをペットボトルから剥がして顔やら頭部やら耳やら首周りをゴシゴシ。

その時凍ったペットボトルは脇の下に挟む。

配達中に暑さを感じる毎にそれをやって、強制冷却をしながらの数日を過ごした。

 

これは高い効果があったように思う。

成功だ。

普通のタオルで汗を拭くだけよりも、はるかに良い。

既に何かしらの対策をやっている人からすれば「何を今さら。。。」と思われたら癪なので現場では言わない。

 

頻繁に冷やすので、汗をかかないとまでは行かないけれども長い間ダラダラと発汗することは無くなった。

特にワキを冷やすのが効くようだ。

血管ごと血液を冷やす、とかそういう効果かもしれない。

凍ったペットボトルを体温計よろしくワキに挟むと、一気に体が冷やされていくのがわかる。

これが特に気持ちよかった。

 

1便あたりの配達に時間はかかるようにはなったが、フラフラしながらやるよりも遥かに良い。

 

朝に用意したペットボトルの中身は昼過ぎにはほとんど溶けてしまう。

もちろん溶けたら冷たい飲み物となって摂取されている。

 

途中、コンビニで冷凍されたものを買い足すことで、配達が終わる夜9時頃までは氷のように冷たいタオルで頭部やらを冷やすことが出来る。

 

 

 

 

この単なる冷えた濡れタオルが、私にとっては新兵器だと言ってよいほど効果を発揮しているので、しばらくはこれを続けようと思っている。

 

 

◇◇

 

 

このオフは、配達車両の部品の交換をする日。

サーモスタットの交換作業を依頼してあったので、早い時間に車を預けた。

 

代車も貸してくれたので何も心配はない。

帰宅してから急いで家事を終わらせた。

いつ電話で終了の知らせが来てもいいようにだ。

しかし時間のかかる作業だったようで、結局電話が来たのは夕方。

 

夏場に冷却水が漏れるという不安しかない事案が解決したのは本当に良かった。

用意しておいた3万円はお釣りなく全て取られたが、まあ良しとしよう。

 

明日からの配達は、車に対する不安感が減る。

それだけでも大層ありがたい事だ。

 

今日は家事も食事もギターも堪能した。

 

一人寂しい晩酌はこれからだが、それもまた私の選んだ道だと思えばいい。

 

 

 

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毎年、夏場になると聞きたくなる沖縄の音。

とか言いつつ、これしか浮かばないハイサイおじさん。

 

そうです、私はヘンなおじさんです。

 

 

 

 

 

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煮込みとワサビ漬け。

それだけでも日本酒を選びたくなるというものだ。

 

酒の銘柄にはこだわらないが、醸し出す雰囲気くらいは大事にしたい。

 

【煮込みとワサビ漬け、キュウリの塩昆布和え】

 

◇◇

 

煮込みは一晩置くと、まろやかさが出るようだ。

それにネギがとてもよく合う。

 

【生ハムのサラダ、キュウリの塩昆布和え、わさび漬けと煮込み】

 

 

◇◇

 

 

仕事の後の、昼の熱気がムワッと残る部屋に戻った時。

冷たい飲み物が喉を流れるその一瞬に喜びがある。

 

何をするよりまずは一口。

そんな気分になることが多い。

 

冷蔵庫から出した魚肉ソーセージを丸かじりしながら、缶の酒を呷って「ゲフゥ!」とやるのが至福。

どうやら私は、ガウンを着てブランデーグラスを揺らすダンディにはなれなかったようだ。


 

◇◇

 

 

皿が並ぶと、それだけで豪華だと思う。

ひとつひとつは大したことが無くても、テーブルが華やぐ気がする。

 

【納豆、キムチ、サラダ、塩昆布のせ大根おろし、ジャガイモとマカロニを使ったトマトソース煮】

 

 

◇◇

 

 

しばらく食べていないな、と思って作った納豆スパゲッティ。

使った生卵が殻を割ったら凍っていたがそのまま使った。

黄身が凍ったままなのでネギと揚げ玉で隠したがいつのまにか消えた。

スパゲッティの熱で溶けたらしい。

 

【納豆スパゲッティ、サラダ、キムチ】

 

 

◇◇

 

 

キャベツとソーセージはよく合う。

炒め物にして、目玉焼きをトッピング。

私が作る目玉焼きは丸くならない。

 

トーストは焼きが甘かった。

 

【キャベツとソーセージ炒め、キムチ、トースト】

 

 

 

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これを書きながら、今夜の晩酌はどうしようかと考えている。

 

修理の金額が予定よりも安かったら何か総菜でも買って帰ろうか、などと思っていた。

だが気持ち少し多めに用意した額ピッタリだったので気を削がれ、何も買わずに帰った。

 

そんな日もある。

 

 

冷蔵庫に厚揚げがあるので、トースターでカリカリに焼くかな。

野菜もあるのでサラダも作れる。

ならば大丈夫だ。

足りないと思う事は無いだろう。

 

今日も酒を飲んで、酔って寝てしまうのだろう。

 

さまざまな未来への不安は、とりあえずこの夏は横に置いておきたい。

 

そう思っている。

 

8月2日(金) オフ

 

 

 

泥のように寝た。

布団に入って目を瞑るやいなやの就寝だったはず。

 

完全に体の電源が切れていた私は、朝5時に足が攣った痛みで目が覚めるまでの6時間ほどの睡眠が、わずか一瞬の出来事のように感じた。

 

長い時間攣った足の鈍痛は、なかなか回復しない。

水を飲んでも、伸ばしても、さすって温めても。

仕方がないので言い聞かせる。

言い聞かせる、とは我流だが【ただ歩く】だけ。

いたって普通に歩く。

そうすることで、足に「今は平常時だ」と言い聞かせる。

重い負荷もないのだから、攣る理由などはどこにも無いだろう?と足を宥める。

 

夜明けらしい空を見上げつつ、タバコを燻らしながら外へ出て散歩のように歩く。

すると、歩くごとに攣った箇所の強張りが緩やかになっていく。

さまざまな負荷をかけられて悪夢を見ていた足が、安心して緩んでいく。

そして何事もなかったかのように治まっていく。

 

これは足が攣って飛び起きた時の、いつものルーチンだ。

 

 

◇◇

 

 

思わぬ早起きを、普段なら楽しむこともある。

しかし、今日はもう少し回復の為の睡眠が欲しい。

まだ早朝と言って良い時間だったので、もう一度布団へ戻った。

 

それから3時間後。

 

どうやら本体の私まで悪夢を見たようだ。

2度寝は浅い眠りだったようで、内容はすっかり忘れたがずっと夢を見ていたのはわかっている。

どうにもならない事柄が次々に押し寄せる、そんな心境になる夢だった。

目覚めてから夢だと気付いて安心する、というやつだ。

 

 

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今日はオフ。

 

猛暑の中での配達がないというだけで、どれだけホッとしているのか。

最近は、「暑い暑い」 「重い重い」 とグチをこぼすばかり。

昔の自分はこんなにも精神的にヤワだったかな?と感じないでもない。

 

そして何よりイラついている事が多い。

減車が実行されて、ついに以前の3分の一に配達員が減ったというのもある。

その影響は言わずもがな。

そこに猛暑が追い打ちをかけてくる。

 

どうやら私だけではなく、マツヤマも産廃業者と路上で揉めて警察を呼ぶ事態になったと言っていた。

そこらじゅうでイライラが渦を巻いている。

人の話を聞くと自分は冷静になったりもするが、私も苛立ちが外へ出てしまう事はある。

 

配達エリアでは、様々な邪魔というか障害がある。

ヨロヨロと車道にハミ出す高齢者の自転車、世代に限らず横暴に飛び出す歩行者。

殺気立って走るトラックやミニバンに、左側の死角から猛スピードで抜いていく原付バイクや電動自転車。

スマホを見ながらよそ見をして走るフードデリバリーなど、挙げればキリがない。

 

 

時には目の前にいるデカいヤツに、思わず文句を言っていたりする。

 

 

偉そうに突っ立ってんじゃねえよ

どけ、このやろう

 

 

 

 

 

 

まだ8月になったばかりだというのに。

 

たとえ倒れても「こんなものなんでもねぇ」と起き上がるような、私はそういう男だった気がするが気のせいか。

腰痛が悪化して救急車で病院に担ぎ込まれた夜も、翌朝の仕事に行けるように「痛みだけでも消してくれ」と医師に懇願した熱量はどこへやら。

 

もちろん嫌だという思いが仕事で大変だからというだけではない。

この配達の仕事というか業界の、これを構成する要素の中で【物事を決定する立場にいる一部の心無い者】に対する忌避感が感情的に頂点に達する。

 

部屋に一人で無音で佇むと、思うことはいろいろある。

そしてあまり良い思考ではない。

なまじ時間があるとアホなことを考えてしまうという典型。

犯罪を含め、世の中の騒動を起こすアホな輩の大多数は【ヒマ人】なのだと実感する。

 

そんなことを考えたり、熱ダレ気味の私の頭の中は国のシステムや法律のことから今日食べるメシのことまで、ゴチャゴチャにとっ散らかっている。

 

 

――――― 脳内アナウンスです

 

 

深呼吸をして落ち着きましょう。

まずは、カーテンを開けてお布団でも干しましょうか。

いつも常温のコーヒーに、今日は氷も入れちゃいましょうか。

 

 

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サーモスタットが不調になっている配達車両に必要な部品は1万円と少しかかるそうだ。

工賃を入れても3万円ほど用意しておけば足りるだろう、ということで発注済み。

来週のオフには交換が完了する。

修理工場は長い盆休があるので、その前に修理が完了することは僥倖。

夏の車両トラブルは本当にご免だ。

 

今日は出かける用事が今のところ、無い。

買い物は済んでいるし、路面販売のひしゃげた変なキュウリも安かったので買った。

塩漬けでポリポリやろうと思って、今は冷蔵庫で冷やしてある。

 

 

ならば今日も家事を頑張るのみ。

 

複数回に分けて回す洗濯機。

敷布団はフカフカになったし、風呂掃除もツルツルになるまでこすり洗いした。

加齢臭が気になる枕も洗ったら容積が増えた。

暗くなる前には完全に乾くだろう。

トイレにもさぼリングなど作らせはしない。

 

生存確認のための、両親への連絡も済んでいる。

相変わらず私の心配ばかりしていたが、大丈夫であることは伝わっているのでヨシとする。

 

 

 

あとはギターか食事か晩酌か。

楽しいことはいくらでもある。

その場しのぎでもなんでもいい。

この夏を乗り切る精神と体力の回復のため、だ。

今日の休みは今日しかないのだ。

 

先日弾いたT.REXをもう一度やろう。

ジャキジャキに弾きまくるのだ。

指が痛くなるまで。

 

そうしたら腹が減って、食事がきっと美味いはずだ。

 

 

 

 

 

 

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【前の日の残り】というものは便利だ。

作り置きともまた違った扱いになるものの、1品作る手間が省ける。

 

ひとつひとつは簡単なものでも、皿がたくさん並ぶと嬉しくなる。

 

【ワサビ漬け、納豆、生卵、冷奴、サラダ、煮物】

 

 

2連勤だろうが3連勤だろうが、疲れるものは疲れる。

そして、疲れると欲しくなる食べ物の一つにニンニクがある。

 

まるまる一つ、全部を使って揚げ焼きにしたあと鶏肉とネギを入れた。

味付けは塩コショウと醤油だけのシンプルなもので、ニンニクを存分に味わう。

 

【ニンニクと鶏肉のネギ炒め、薬味乗せサラダチキンにポン酢かけ】

 

 

 

 

生ハムあれば、結構幸せ。

 

何かに乗せても良し、マヨをちょいと付けてそのままで良し、ビジュアルもなんだか上がる気がする使える奴だ。

ただ、メロンに乗せようと思ったことは一度もない。

 

 

【生ハムとレタス乗せトースト】

 

 

◇◇

 

 

自炊に反し、昼間はほとんどコンビニフードばかりだ。

 

カロリーはあっても栄養価は低いものが多い。

美味しいものが多いが味はまた別の問題だ。

腹は膨れてもカラダ作りにはあまり良いとは言えないだろう。

おにぎりだって得体のしれない油が使われていることがわかったし、手っ取り早くカップ麺など食べたりもしている。

きちんと選べばそんなこともない食べ物はあるのだろうが、正直じっくりと選ぶ余裕と知識がない。

 

なので休みの日くらいは、せめて自炊でちゃんとしたものを食べたい。

そう考える。

 

 

◇◇

 

 

オフの時間は早いもので、すでに夕方だ。

 

今は晩酌用の煮込みを作っている。

野菜を余らさずに使い切るためには、煮込みは非常に都合が良い。

 

前回のオフも煮込みを作って過ごしていた気がするが構わない。

今回は味噌煮込みだ。

しかもナメコが入った特製だ。

 

見た目はどうであれ、前回とは味わいが別物だと思って良い。

 

それを肴に飲み飲み、3連勤前の夜が更けていけばいい。

 

夏は暑さにクダ巻いて、休みにガス抜きをする。

そんな日々でいいじゃないか。