今日は、定年退職された元上司の送別会を
私からの提案で二人で開きました。
場所は焼肉。
現役時代、その人は拠点の“レジェンド”でした。
実績を一番あげ、基礎を築き上げた人。
他拠点で新人だった私は、雲の上の存在を見るような気持ちで、ただただ尊敬していました。
そんな人と後に同じ拠点で働くことになるとは、当時は想像もしていませんでした。
私が20代。
怖いもの知らずで、売るためならなりふり構わず突っ走っていた頃。
他拠点や本社と衝突することも何度もありました。
でもその度に店長だったその人は
「3人は悪くない」
と、絶対的な権力を持つ直販部長にもはっきり言って、私たちを守ってくれました。
今思えば、あの衝突の積み重ねが
その人の出世街道を少し止めてしまったのではないか…
そんな気持ちをずっとどこかで抱えていました。
部長までされたことは十分すごい。
でも本来なら役員まで上り詰めてもおかしくない人だった。
男気があって、背中で引っ張る人でした。
今日は昔話ばかり。
大変だったクレーム対応。
液晶かプラズマか一緒に悩み、結局購入しなかったテレビの話。
車を買うと必ず起きるトラブル。
意地を張って一緒に行かなかった社員旅行。
目標達成で連れて行ってくれた初めての鰻重。
そして――
あの頃、私たち“ポンコツ3人”と上司でやった送別会も焼肉だったことを覚えてくれていました。
競争の激しい会社の中で、あのポンコツ3人のうち2人は今店長。
もう1人も店長になろうと必死に働いている。
それを今日、共有し感謝を伝えられたことが何より嬉しかった。
私は昔から
一つ一つの出来事や言葉を考え過ぎてしまう。
上手くいかないと全部自分の責任だと思ってしまう。
そんな時、いつも的確な言葉をくれました。
経験から出る、迷いのない言葉。
今日で、会社の中で本音を語れる人がいなくなりました。
正直、寂しいです。
でもきっと、これからは自分が、誰かの“守る側”になる番なのだと思います。
自分は、あの人のような店長になれているだろうか。
なれていなくても近づこうとしているだろうか。
焼肉の煙の向こうで昔と同じ笑い声が聞こえました。
あの頃と違うのは、自分の立場だけ。
今日から、少しだけ背筋を伸ばしていこうと思います。






