初出勤②
4月9日②すごい勢いで大量の仕事を捌き、休暇中に作業する資料やPCを抱えて、早足で駅に向かいました。亀のようにのっそりと暮らしていた時間を取り戻すかのように、今日一日、ずっと早足でした。久しぶりにグリーン車に乗らないで帰ってみました。妊娠初期と同様、立っているのはまだ下腹部や腰に来るのでしんどいです。でももう自分を甘やかすわけにいかないし、とにかく早く、もとの生活に慣れたい。先に帰宅した夫が駅まで迎えにきてくれました。時刻は8時、この時間はいつも空腹で、電車を降りるとすぐに吐き気を催していました。今日はどうしたことか、”あ、吐き気が来るかも”という違和感が何度かありました。なんだか、脳は”もう嘔吐の必要はないんだ”と、言っているのに、胃がまだ妊娠継続を希望しているかのよう。たっぷり2ヶ月悪阻生活が続いたので、悪阻があるのが私の胃の日常になってしまったようです。夫と一緒に晩御飯のお惣菜を買いに、いつものスーパーに行きました。悪阻がひどい中、無理やり食べ物を探してさまよったスーパー。今もかなりトラウマになっています。でももう、見るところはまったく別のコーナーなんです。揚げ物だって買えるんです。もう食べられる!うれしい!一瞬そう思うけど、やっぱりすぐに涙がこぼれます。部屋に帰って”ただいまー”とはるちゃんに声をかけました。一人で部屋に残しておきたくないし、うちにいるときはいつもはるちゃんのそばに座って、何度も何度もはるちゃんを眺めてすごしています。夜、仕事関係の方に休暇の連絡をしました。会社の人事さんはもう子育てを終えたお母さんだったので、おおやけにしたくないという私の状況をすぐに理解してくれました。無神経なおじさん人事さんとかでなくてほんとによかった。全てを共に経験した夫と二人の時間は、なんとなく安心していられました。でも、一歩社会に出ると、私のことをかわいそうだと思ったり、好奇心でいろいろうわさ話をする人に会うことになり、それが苦痛でなりませんでした。人間は社会生活を送る生き物だから仕方ないことだけど、社会が自分という人格や、自分の行動に評価付けを行うのが、こういうときは痛いほど苦しいのです。私の行動は、私だけしか分からない理由があります。そんなことは何も知らない人たちが、ただただすき放題に言葉を投げつけてくる。どんな言葉も受け止めて、耐えられるほど、強くはない。と、愚痴ってしまいましたが、以上が、はるちゃんを失って最初の社会復帰に考えた諸々のことです。あれもこれもどれも、すべて涙につながります。”花粉症がひどい人”と思ってもらえる季節だったのがせめてもの救いです。