陽水さん、傘がない…
『あっ！やられてしまった…』
私はご近所スーパーの傘立ての前で
呆然と立ちすくんでしまった
か、傘がない…
その時
雨が降っているわけではなく
私は日傘として使って
買物をする間
ほんの10分置いただけ☔
お気に入りの水色のストライプの日傘
5年もの間
私を強い紫外線から守ってくれた
いわば私の日中守り神よ
私のもの以外に
置いてある傘は2本だけ
私の水色とは似ても似つかぬ
黒とモスグリーンの長い傘
間違えて持っていったのであれば
似たような小ぶりの
水色っぽい傘が置いてあるだろうに
外はギラギラと晴れ渡っているのに
私だけどんよりした
曇り空のような沈んだ顔で
スーパーの店員さんに声をかけた
『すみません、傘立てに置いておいた
日傘が盗られてしまったんです
もしも、戻ってきたら
ご連絡いただけますか？』
店員さんは快く
私の願いを受け入れてくれた
店員さん
「もしかしたら
間違えて持っていってしまったかも
しれませんね」
ハル
『そ、そうですね！
その可能性もありますね
』
私は自分の思い込みを恥じた
誰かに盗まれた、と思い込んでいた私
（多分、盗まれたと思うが…）
間違って持っていったかも？
と天使のような発想の店員さん
自分のどす黒い気持ちに
ビックリするよね
翌日スーパーを訪れた私に
店員さんが優しく声を掛けてくれた
「あれから何度か傘立てを見ているのですが
なくて…」
お店には傘を間違えて持っていってしまった
という連絡はないのです…」
店員さんが申し訳なさそうな顔で言った
いいのです！
私の申し出を心に留めていてくれて
あなたが心配してくれただけで
私はうれしゅうございます
と店員さんに告げて
スーパーを後にしたのでした
この事件で
井上陽水さんの
【傘がない】という曲を思い出した
「行かなくちゃ、君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ
雨にぬれ～♪」
（ハルのどす黒い心の声）
『くっそ～！
雨など降ってないぞ！
カンカン照りだぜ
黙って持って行ったやつめ！
せめて私の日傘を大事に使うんだぞ！！』
捨てられないことを切に切に願う
今日も読んでくれて
ありがとうございます
またな✋
ハル（青 春花）
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