左ハンドルの黒いBM



それもまた私を夢中にさせる要因の一つだった



彼を取り巻く全ての物が



私の目にはものすごくかっこいいものに映っていた






車に乗り込むと、隣には久しぶりに会う彼がいる



ずっと会いたくてたまらなかった人がすぐ側に



嬉しくてたまらない



だけど彼は何ら変わった様子もなくて



相変わらずクールなんだか何なんだか



自分一人が浮かれているなんておもしろくない



そう思って私は必死に平然を装った







向かった先は約束していた海



時間が時間だったせいか



思っていた通りそこには誰一人といなかった






裸足になって砂浜を走りまわったり



砂浜に文字を書いたり



波打ち際でじゃれあったりと



私たちは小学生のようにはしゃぎ回った






それからベンチに座ってお互いのことを話した



そこで彼が話し始めたのは”過去の恋愛話”だった



なぁ~~~んか・・・



おもしろくない



元カノがどうだのって別に聞いてないよ



っていうか聞きたくもない



すぐに態度にでちゃうのが私の悪い癖



きっとあからさまに嫌な顔をしていたのかな



それに気付いたのか



彼はおもしろがって私をからかった





『え?いじけてんの??(笑)』



「別にっ」



『おぉーい(笑)』



「ほっといって!!!」



『はぁ~・・・もう』



「・・・」

(怒っちゃった?呆れられちゃった??)



恐る恐る彼を見ると・・・彼は笑っていた



それから私の頭をポンポンとたたきつぶやいた



『ばーか』





まんまとはめられた



くやしい・・・



でも



ヤバイ、私この人のこと好きなんだ







うつむいて目も合わせられない私



彼の手は頭から髪をなでるようにして背中へと周り



あっという間に両手の中に包まれた



嫌味のない品の良い香水の香りがした












打ち寄せる波の音しか聞こえない海岸で



私たちははじめてのキスをした







ついにやってきたデートの日



彼がGW休暇で帰ってくるその日に会うことになった





当時高校生だった私の門限は0:00



それに対して約束の時間は23:00



もちろん親には内緒にしていた



だって0:00までに帰ってくる気などさらさらなかったから



とは行っても夜遅くに出かけることは一苦労であった



誰を言おう一番厄介なのは父だ



私が夜中にこっそり出かけるなど知ったら



それこそタダじゃすまないだろう



だから家族が寝静まってから



タイミングを見計らいこっそり家をでた



親には秘密のこの行為に私のドキドキと興奮はさらに高まった








外へでると同時に携帯がなった



『今でたから。』





「はぁ~~~どうしよう」



緊張からふいに独り言がこぼれる



そわそわして落ち着かない



待っている時間があれ程長く感じたのは初めてだった



まだ肌寒い5月の夜



真っ暗な道の向こう側から車のライトの光が見えてきた



「こうちゃんだ!」























高校3年生の5月、



ゴールデンウィークを直前にして



初デートの話で話題はもちっきりだった


『どこに行きたい?』


そう聞かれ、咄嗟に答えた



『海に行きたい!』






私たちの地元は瀬戸内海を望む港街



海なんていつだって見れる距離にある



だけど、ずっとずっと憧れだった



夜の海なんてロマンチックでしょ



それから



ものすごくベタなシチュエーションだけど



夜の砂浜を裸足で歩いたり



浜辺から星空を見上げたり



波の音しか聞こえない海岸でお話したり・・・




高校生の私はそうゆうものにすごく憧れてた





こうして初デートは地元の海に決定した



『雰囲気に流されてキスしちゃうかも。殴んないでね』



こうちゃんは笑いながらよくこんなことを言ってたっけ



「はいはい、ばか(笑)」



素直じゃない私の必死の照れ隠し



でもね、ほんとはかなり期待てたんだ



だってキスしちゃったら



『付き合おぅ?』



って話になるんじゃないかって




純粋に期待してた