昨日の夕方、飛行機に飛び乗り、この島に帰ってきた。
長崎県五島列島。
平成になってすぐの年に、私はこの島に生を受けた。
保育園に入る前からずっと一緒だった仲間に見送られ、何者かになりたくて15歳で独りこの島を離れた。
この島を離れ、もうすぐ15年。
この島を離れた期間が、この島で過ごした日々を超えようとしている。
この島を離れ、高校、大学時代を過ごし、その後、憧れだった、「刑事」という職に就いた。
昨日、刑事を辞めた。
平成最後の年に、平成最初に生まれた島に、何も無い状態で帰ってきたのだから、青く澄んだ海を見ながら、初心に戻れるような、全てがリセットされたような、そういう自分に浸ろうというような、妙な期待感があった。
ただ、どうしても心から開き直れないのは、今の自分、そしてこれからの自分は、
妻と、幼い3人の子供を食わせていかなければならない
という立場にあるからだろう。
妻は先月、第三子を出産したため、上の2人の子と一緒に実家に帰っている。
まさか夫が刑事を辞めて、島の実家でブログを始めたことなど、夢にも思うまい。
ごめん。父ちゃん、仕事辞めてきた。
