「にんじん」と「にんげん」。
たった一文字違うだけなのに、どうしてこんなにも姿形が違うんだろうか。
姿形だけではなく、にんじんとにんげんでは何もかもが違う。
にんげんはものを食べるけど、にんじんはものを食べない。
にんげんはSEXをするけど、にんじんはSEXをしない。
にんげんは寝るけど、にんじんは寝ない。
にんげんはお金が好きだけど、にんじんはお金に興味がない。
にんじんさんは何事に対しても欲がないんだなって
そう思うと、にんじんさんは何を楽しみに人生を過ごしているんだろう?
静かに土の中で頑張って、たくましく成長して、大人になったら食べられるだけの人生を、どう思っているんだろう?
人生に何の楽しみがなくても、そんな人生を頑張って生きてるにんじんさん。
そんなにんじんさんに比べたら、にんげんに生まれた私は、それだけで幸せなんじゃないかって。
一文字違いで生まれてきたら、私はにんじんだったかも知れない。
今頃関根さん家のきんぴらごぼうの中の拙い地味なにんじんだったかもしれない。
そんな人生は嫌だ。
でも、もしにんじんに生まれたとしたなら、どうせなら人間達に人気のアイドルグループの一員として、カレーの中のにんじんとして死んでいきたい。
そう考えるとにんげんに生まれた私は十分幸せ者なんだな。
なんて、空を見上げて考えてたら、自分の生きる意味を見つけられた気がした。
おわり。