皆様こんにちは。
株式会社HARMONY山本航聡(やまもとこうそう)です。

 

本日は購入費用よりも大切なライフサイクルコストについての項目と考え方について書かさせていただきます。

 

新築住宅を建てる際には、初期費用だけでなく、建物が建設されてから解体されるまでの全期間にわたるコスト、すなわちライフサイクルコスト(LCC)を考慮することが重要です。住宅のライフサイクルコストを理解することで、長期的な経済的負担を見積もり、最適な住宅選びをするための判断材料とすることができます。

 

 

 

ライフサイクルコストの構成要素

ライフサイクルコストは大きく分けて、初期費用、維持費、運用費、解体・廃棄費の4つの要素から構成されます。それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。

 

 

1. 初期費用

建築費:新築住宅を建設するための費用で、建物の構造やデザイン、材料などにかかる費用を含みます。100㎡で価格が2000万円の住宅を例にすると、建築費は2000万円となります。

設計費:建物の設計を担当する建築士や設計事務所に支払う費用です。一般的には建築費の約10%とされていますので、この場合は200万円です。

諸経費:申請手数料、検査費用、保険料などの費用が含まれます。これらは建築費の約5%とされ、100万円程度が見込まれます。

 

2. 維持費

修繕・メンテナンス費:屋根の修理や外壁の塗り替え、水道管の交換など、定期的に必要となる修繕やメンテナンスの費用です。年間15万円程度を見込むことが一般的です。

設備更新費:エアコンや給湯器などの設備の交換費用です。これらの設備は寿命があるため、定期的な更新が必要です。年間5万円程度が目安となります。
 
 

3. 運用費

光熱費:電気、ガス、水道などの光熱費です。年間で20万円程度が一般的です。

固定資産税:住宅を所有することで発生する税金です。年間で15万円程度が必要です。

保険料:住宅火災保険や地震保険などの保険料です。年間で5万円程度がかかります。

 

 

4. 解体・廃棄費

解体費用:住宅を解体するための費用です。300万円程度が一般的です。

廃棄費用:解体後の廃材や廃棄物の処理費用です。50万円程度が見込まれます。

 

ライフサイクルコストの合計

これらの費用を合計して、35年間のライフサイクルコストを計算すると以下のようになります。

初期費用:2300万円(建築費2000万円 + 設計費200万円 + 諸経費100万円)
維持費:35年間で2100万円(年間20万円 × 35年)
運用費:35年間で1400万円(年間40万円 × 35年)
解体・廃棄費:350万円(解体費用300万円 + 廃棄費用50万円)

総合計:6150万円

 

 

性能や素材によるライフサイクルコストの変化


ライフサイクルコストは、住宅の性能や使用する素材によって大きく変動します。高性能な断熱材や耐久性の高い材料を使用することで、光熱費や修繕・メンテナンス費を削減することができます。以下にいくつかの例を示します。

 

1. 断熱性能

高性能な断熱材を使用することで、冷暖房の効率が向上し、光熱費を削減することができます。例えば、断熱性能の高い住宅では、年間の光熱費が20万円から15万円に減少することが考えられます。

2. 耐久性の高い材料

耐久性の高い外壁材や屋根材を使用することで、修繕・メンテナンス費を削減することができます。例えば、耐久性の高い材料を使用することで、年間の修繕費が15万円から10万円に減少することが期待できます。

 

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3. 設備の効率

高効率な給湯器やエアコンを導入することで、光熱費の削減が可能です。最新の高効率設備を使用することで、年間の光熱費がさらに減少することが見込まれます。




ライフサイクルコストを最適化するためのポイント

ライフサイクルコストを最適化するためには、初期費用を抑えるだけでなく、長期的な視点で維持費や運用費を削減することが重要です。以下のポイントを考慮することで、ライフサイクルコストの削減を図ることができます。

 

1. 高性能な断熱材の使用

断熱性能を高めることで、光熱費の削減が期待できます。特に寒冷地や暑い地域では、断熱性能の向上が大きな効果を発揮します。

2. 耐久性の高い材料の選択

長期的な視点で考えると、耐久性の高い材料を使用することで、修繕・メンテナンス費の削減が可能です。初期費用は多少高くなるかもしれませんが、長期的にはコスト削減につながります。

3. 高効率な設備の導入

最新の高効率設備を導入することで、光熱費の削減が可能です。また、設備の寿命も延びるため、設備更新費の削減も期待できます。

4. 定期的なメンテナンス

定期的なメンテナンスを行うことで、住宅の寿命を延ばし、大規模な修繕費を抑えることができます。適切なメンテナンスは、長期的なコスト削減に寄与します。

 

結論


新築住宅のライフサイクルコストを把握することは、住宅購入を検討する際に非常に重要です。初期費用だけでなく、維持費や運用費、解体・廃棄費を考慮することで、総合的なコストを見積もることができます。また、性能や素材の選択によって、ライフサイクルコストを最適化することが可能です。

35年間のライフサイクルコストを計算すると、100㎡で価格が2000万円の住宅の場合、約6150万円が見込まれます。これには初期費用、維持費、運用費、解体・廃棄費が含まれます。住宅の性能や素材の選択によって、これらのコストを削減することができるため、長期的な視点で住宅選びをすることが重要です。

新築住宅を建てる際には、ライフサイクルコストをしっかりと見積もり、最適な住宅選びをするための参考にしてください。

 

ここまでお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。
この記事が皆様の家づくりの参考に少しでもなれば幸いです。

 

次回からは項目別にフューチャーしてかかさせていただきます。

 

株式会社HARMONY
山本航聡