「日本はこの国に来て、調査ばかりしている。NATO(No Action Talk Only)と呼ばれているのを知っていますか? 言うだけで何もしないという意味です」
ミャンマーの最大都市、ヤンゴン市内で会った地元ビジネスマンは、にが笑いした。長年、日本とのビジネスに関わってきたが、「FS(事業化調査)ばかり」でプロジェクトが進まない日本には、もううんざりと言わんばかりだ。
ミャンマー国内は、欧米の経済制裁解除を見込み、ビジネス機会を探す人であふれかえっている。中国や韓国、シンガポール、タイといったアジア諸国に限らず、経済制裁を行っている欧州連合(EU)のドイツやフランス、過去の軍政に厳しい態度を見せてきた米英のビジネスマンも、虎視眈々(たんたん)と狙う。
米国の大手清涼飲料メーカーやファストフードチェーンは「経済制裁が解除されれば、その翌日から店の改装に入れる状態になっている」と、米飲料メーカーと合弁企業立ち上げで契約したミャンマー人は言う。
彼によると、契約を結んだのは昨年8月。新政権発足後、報道規制の緩和や政治犯の大量釈放が始まっていたが、まだ、民主化の進展に懸念を抱く人が多かったころだ。
さらに、最近では、米国のホテルチェーンでシェラトンやウェスティンなどを展開するスターウッド・ホテル&リゾートと、マリオット・インターナショナルが、そろってミャンマーでのホテルビジネスに乗り出す意向を表明した。一方、ベトナム企業も、ヤンゴン市内の工業省跡地に約2億ドルを投資し、ホテルを建設することを発表した。
