ばあちゃん
先月亡くなったばあちゃん
いつも花柄のワンピースを着てた
せむしのように腰が曲がっていた
俺が鼻を垂らして いるとポッケの中から
使いくさしのティッシュを出してきた
庭先にはたくさんの花や植木鉢
米のとぎ汁をかけていた
むらさき色の花が好きだった
泊まりに行くと嬉しそうに
決まって玉子焼きと唐揚げだった
砂糖がたっぷりで甘く茶色に焦げていた
唐揚げはむね肉でパサパサで
子どもの僕はケチャップをかけて食べた
仏壇にはいつも落雁があった
僕は陰膳を食べるのが好きで
先祖孝行だと褒められた
化学実験だと言って
庭の草や木のみを茹でたりして遊んでいた
台所を汚しても何も言わなかった
一度倒れてからは
新婚旅行の話しかしなかった
モネの睡蓮のようだと何度も言った
この日から会わなくなった
何年会ってないかもわからない
いつか会えるならまた
鼻を垂らして会いたい
今度は一緒にモネの景色を