朝方、便意で目が覚めた。
時計を見ると5時30分。
もちろん下痢。

トイレから出て眠たい目を擦りながら脉を診る。
腎虚になっている。
お腹も腎虚。
脉証腹証病証がピタッと揃ったので治療。

鍼ケースから銀1寸3分一番鍼を取りだし右の陰谷を補う→検脉→左尺中沈めて腎が充実。右寸口沈めて肺が虚しているので柳下てい鍼金メッキで右尺沢を補う→検脉→肺が充実。相剋経も陽経も整っているので本治法を終え、標治法は左曲池の1ミリ上の整腸点に知熱灸7壮。

就寝。

下痢に悩まされることなく午前の臨床を終えることができました。
下痢は、痢病と泄瀉に大別されます。
痢病は裏急後重で渋り腹、泄瀉はつつくだしです。
さらに詳しく五泄に分類されます。

鶏鳴下痢(けいめいげり)とは、明け方の一番気温が下がる(鶏が鳴くころ)
ときの下痢のことです。
正常な人の排便は、朝起きて朝食をとった後に、腸が刺激を受けて便意を感じてからです。
朝食前やまだ寝ているときに便意を催して、排便するのは異常で、たとえ便が
水様性でなくても、下痢ととらえます。

五更の刻(夜明け前)の下痢という意味で、五更泄瀉(ごこうせっしゃ)ともいい、陽虚という冷えが強い場合に起こります。

また5時-7時と17時-19時は大腸と腎の時間で、これを子午陰陽関係とします。
ということで腎の変動で鶏鳴下痢が起こります。
腎虚の場合、基本選穴は復溜ですが、下痢の場合は陰谷を使います。
合穴は逆気して泄らすを主治します。
適応側は男女共右側がいいようです。
これは右足は気を上げる作用があるからです。
古医書でもその事が記されています。
「清は本来は上にあるものです。それが腸胃に在るから下すのです。」
特効穴として左の曲池の1ミリ上の整腸点がよく効きます。