1月24日(水)、日高御坊地域医療福祉情報ネットワーク フレンズつながりプラスワン(+1)研修(主催 日高医師会在宅医療サポートセンター)に参加しました。

多職種連携に向けたICT化の必要性についてグループワークをしました。
2025年問題をご存じでしょうか?
団塊の世代と呼ばれる方たち約800万人が75歳以上となるのが2025年(平成37年)。
国民の医療や介護の需要が、さらに増加することが見込まれています。
団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を包括的に地域がサポートし合う社会のシステムが地域包括ケアシステムです。
そして地域包括ケアシステムを実践していく手法がケア会議です。
具体的には、地域包括支援センター等が主催し、 医療、介護等の多職種が協働して高齢者の個別課題の解決を図るとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高めることを目的とします。

会議の主な構成員は、自治体職員、包括職員、ケアマネ ジャー、介護事業者、民生委員、 OT、PT、ST、医師、歯科医師、 薬剤師、看護師、管理栄養士、歯科衛生士その他必要に応じて参加。
※直接サービス提供に当たらない専門職も参加。

ということですが、平成26年4月28日開催された、第100回社会保障審議会介護給付費分科会の資料の中、『医療・介護サービスの提供体制改革後の姿(サービス提供体制から)』の地域包括ケアシステムの図の中に『はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師』が明記されました。
つまり、鍼灸師も地域包括ケアシステムに参加し、地域医療の資源になることができるということです。

地域包括ケアシステムが掲げる住まい・医療・介護・予防・生活支援のうち、私たち鍼灸師は医療と予防を担うことができます。

それを実現するためには鍼灸師の特性を知ってもらう必要があります。
多職種の構成員は鍼灸の効果や鍼灸師がどんなことをしているのかを知りません。
その結果地域包括ケアシステムにおいては次のことが起こります。
先ずは図をみてください。
地域包括ケアシステムの稼動図ですが、例えばある利用者さんが最近外出がめっきり減った、その原因は足腰が痛いからだとしましょう、コーディネーターがじゃあ鍼灸師さんに往診を行ってもらって痛みを取ってもらえるようにお願いしてみましょうというケアプランを立てると思いますか?
あるいは、別の利用者さんが嚥下ができなくなってきた、じゃあ鍼灸師さんに嚥下を助けるツボに鍼を打ってもらえるようにお願いしてみましょうとなると思いますか?

答えはならないです。

前者はリハビリを推奨するでしょうし後者は栄養士に流動食を相談するでしょう、それも無理なら医師に胃瘻を相談するでしょう。

多職種の構成員からしてみたら鍼灸や鍼灸師になんてそんなもんです。
知らないんです。
これは知らない方が悪いのではなくて知ってもらえない方がだらしないのです。

利用者つまり包括的なケアを必要とする地域住民に様々な提案(ケアプラン)をコーディネートするコーディネーターは誰ですか?
ケアマネージャーです。

ケアマネージャーさんはめちゃくちゃ多忙です。
事務所に鍼灸を売り込み行っても話を聞いてもらえません。
そのケアマネージャーとアポなしで会ってPRできる唯一の機会が地域包括ケア会議です。
だからこそケア会議に出るのです。
向こうから要請してくることはありません。
こちらからアクションを起こさねば!
■2025年に約30万床が在宅医療へシフト
人口の少子高齢化を背景に、限られた医療資源を効果的・効率的に活用するため、医療ニーズに応じた病床の機能分化が必要とされています。
それに応える形で厚生労働省を中心に、2025年に向けて「病院完結型」医療から「地域完結型」医療への転換が加速度的に進められ、約30万床が在宅医療へシフトすると試算されています。
在宅患者が増えるということは外来患者が減るということです。
病院完結型の医療からその大多数が地域完結型の医療へと完全にシフトチェンジしたとしましょう、つまり医療を受けに行くのではなく来てもらうのが当たり前の社会にあるいはその比重が高い社会になったとしたら、ケアマネージャーの手腕ひとつに委ねられてくるわけです。
その時に鍼灸師が蚊帳の外になっていたら考えただけでも鍼灸師にとって恐ろしい世の中です。

「地域完結型」医療への転換に向けてさまざまな施策が行われています。
地域医療構想推進を目的とした医療介護総合確保基金の設置や診療報酬での評価などの動きが始まっています。
鍼灸師のみなさん、住まいの地域のケア会議に是非出席してください。
せっかく構成員として認めていただいているのです。
2025年以降の新しい日本社会において地域包括ケアシステムにはなくてはならない重要な資源として活躍できるはずです。
鍼灸師が施す鍼灸治療だからこそ健康長寿を担保できるのです。
鍼灸の素晴らしさを私たち鍼灸師に何ができるのかをどんどん声をあげて知ってもらいましょう。
先ずは地域包括支援センターに電話してケア会議に出席したい旨を伝えましょう。
みんなで一緒に鍼灸で地域医療に貢献しましょう。
次世代の鍼灸師のためにもよろしくお願いします。

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