応用鍼灸治療学Ⅴ(内科)の3回目は、経絡腹診を実習しました。
はっきり言ってこれほど臨床的な腹診はありません。
それほど優れた腹診です。

大腹と小腹
臍を境に上側を大腹、下側を小腹とします。

腹診における五臓の配当部位
①脾の診所は臍を中心にその下一寸、陰交穴より中カン穴の上まで。
②心は中カンの少し上より、鳩尾に至る部。
③肺は右季肋下の日月、腹哀より臍の右側に及んでやや斜めに、左季肋下はその比較部位。
④肝は臍の左下、側腹部、胆経の帯脈より居リョウまで。
⑤腎は陰交より恥骨上際に至る部。

診方・触り方
手掌全体をできるだけ軽く神厥穴の上に置きます。
手の圧は1ミリも浮かさず1ミリも沈めず圧0の重さとします。
そして手首や指先ではなく肘から上の上腕を動かして皮膚の上を手掌全体で滑らすようにしてお腹の艶を診ます。

腹診における虚実
虚は陥下・冷え・ざらつき・力なく軟弱など。
実はつっぱり・硬い・按じて不快感や痛みなど。

腹診の進め方

大腹と小腹の比較
先ず、大腹と小腹を比較して虚している方と実している方を大まかに決めます。
大腹には心肺脾が配当されているので大腹が虚していれば心虚か肺虚か脾虚という予測が立ちます。
小腹には肝腎が配当されているので小腹が虚していれば肝虚か腎虚という予測が立ちます。

五臓の虚実を弁別
次いで五臓の虚実を一つ一つ診ていきます。
先ずは皮膚表面の艶を診ます。
次いで少し按じて腹壁の弾力を診ます。

そうして、最も虚している部、次に虚している部、最も実している部、次に実している部、一番平らな部を弁別して腹証を決定します。

脉診と比べお腹という物理的なモノを面で診れるので比較的分かりやすく入りやすい切診です。

脉証腹証一貫性
そして大事なことは、前回の授業で実習した脉診の虚実と腹診の虚実は必ず一致します。
これを脉証腹証一貫性とします。
一貫性を持たせることで誤診を防ぎます。
脉証と腹証が一致しないのはどちらかを診誤っています。
また臨床家であればそれが各自の鍛え直さなければならない方であると言えます。

とにかく触って触って触って触りたくることです。
古来より上達のコツ、習得の方法はたった1つしかありません。
それは、

“分かるまでやり続けること”

来る日も来る日も練習すればやがて何かを掴めます。

子育ても同じですね。
中々言うことを聞いてくれない子には、わが子を信じて分かってくれるまで何べんでも言い続けることです。
中々骨がおれますが、決して頭ごなしにねじ伏せたりしてはいけません。
これが一番最悪です。
言えば分かる子だから言うことを聞いてくれるまで言うて聞かせる。
信頼していないとできるものではありません。
また、よく自分の子供が心配でたまらないという親御さんがいますが、これはウソです。子供が心配でたまらないのではありません。自分に自信が持てないからわが子を信用できないのが本音です。
子供は自分の背中に親の信頼を感じるからこそ自分の足で歩けるのです。
過保護と見守るのとは天と地ほど違います。
そうして親の信頼を背に受けて育った子は自分に自信を持って行動することができます。

子育ての最終目的は自立です。
どうか、わが子を信じてあげてください。
そして自分を信じてあげてください。

話がだいぶ大きくそれましたが、来週もみなさんに会えるのを楽しみにしています。
今日も授業の終わりに公開臨床をさせていただきました。
特に今日患者になってくれた学生は気に敏感だったので、てい鍼で本治法をしました。
結果はご覧の通りです。
確認してもらいましたがあのガチガチに硬くはっていた肩が手足に数本の鍼をしただけで、しかも刺さない鍼で弾力を帯びた柔らかさになりました。
変動した経絡を補瀉調整すると必ずいい方向へ変化します。
これが経絡治療の本治法です。
みんなを魔法使いにするからね(*^^*)

来週は証決定と治療法則まで進みましょう。
是非楽しみにしておいてください。

おまけでやった顔面気色診。
今日みたいに何でも聞いてね。
分かんないことはその日中に解決しよう。
明日やろうは馬鹿やろう!

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